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書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)

2022年03月16日 | 書評ー小説:作者ア行

石田リンネ氏のもう1つのシリーズ『十三歳の誕生日、皇后になりました。』の最新刊も『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』と同時発売でしたので、茉莉花の後に続けて一気読みし、例によって夜更かし。

この巻では時系列が『茉莉花』と同時になっており、バシュルク国から白楼国へ帰国する途中の茉莉花が赤奏国に立ち寄って、皇后・莉杏にアドバイスをするシーンがあります。

さて、本筋のお話は、赤奏国皇帝・暁月が冬になって比較的余裕があるので「優先順位の低かった片付けなければならないことを片付けろ」と4人の若手官僚・武官たちに課題を、それと同時に莉杏には「皇后として相談される」という課題を与えます。「相談を受けるだけではなく、その先も考えろ」という指示も付け足して。

4人の若手官僚・武官たちにそれぞれ与えられた課題は、先々皇帝の残した負の遺産の解決です。
それぞれがどのように課題に取り組み、それを観察したり、相談を受けたりしながら、莉杏がどう対処していくのかがメインのストーリーラインです。

莉杏の暁月への恋心はますます強まり、暁月の方も成長して行く莉杏に翻弄されそうな予感を抱きつつまんざらでもない、という幸せな皇帝・皇后を描くためのエピソードという感じで、話が進行しているという印象は受けません。
全体的に番外編のような位置づけなのではないかと思える巻でした。


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