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第一阿房列車 (新潮文庫) 価格:¥ 500(税込) 発売日:2003-04 |
朝、のどの腫れがひどくお医者さんで薬をもらって、今日は一日寝たり起きたり。社会人になってから、それまで弱かった体がだんだんタフになり、風邪で熱があっても仕事に影響させない強靭さがついてきたけれど、こういう時に無理して日常諸事をしていると治りが遅くなる。(一昨年の夏、インフルエンザをこじらせて大変なことになっておぼえた)それで今日も、眠くなれば眠り、空腹を感じればたくさん食べるようにして、とにかく体が要求することに従う。
新幹線が好きで、それも1人で東京-新大阪間くらいの距離をのるのがいい。紙コップ入りの熱いコーヒーを買って、窓の外をビュンビュン過ぎてゆく風景を眺め、本に没頭したり、軽い音楽を聴きながらウトウトしたり。行きは旅への期待感、帰りは帰宅の嬉しさと一抹の寂しさがまじった気持ちも何ともいえない。とくに20代はじめのころは乗る機会が多く、往復とも陽だまりの猫みたいに満ち足りた気持ちで1人でいても飽きなかった。
この本、「断じて目的のない旅」を掲げ借金までしてさまざまな土地へ出かけていく「阿房列車」は、内田百聞の電車好き、お酒好き、頑固な美的ポリシーが満載で、ぶらり新幹線にのる楽しさを思い出した。昨年は奈良に行ったので乗ったが、今年は長崎に行きたいので残念ながら飛行機か。とにかく今はこの風邪を治さねば。