体調もだいぶ回復し、一枚ずつ薄皮をはぐように痛みがだんだん消えつつある。一昨日は、2週間前に入院で延期した出張で京都へ。4月にロボット事業に異動し、精巧で高性能かつキュートなロボットがまるで自分の子供のように可愛くて仕方ない。疲れたときにYouTubeに公開されているブランド映像を見ると、かわいすぎて本気で癒される(笑)。ペットの犬や猫に愛着をもつとなんだか飼い主に表情のパーツが似てくるというが、ロボットはどうなんだろう。
芥川賞をとったこの小説は、ペットならぬ結婚した相手と顔どころか存在そのものが融け合ってしまう、こわーいお話。最初は結婚生活の危機についての比喩かと思って読み進んでいくうち、食べ合ってお互いの頭を飲み込んでしまうウロボロスの蛇とか、果てしなく天ぷらを食べ続ける夜ごはんとか、幻想的をこえてかなりヤバい雰囲気に。そしてシュッとした最後。最近の作家では出色の良さである。
雨もよいでしっとりした曇天の京都は、日帰りで帰るには惜しい素敵なたたずまいだった。病み上がりの体をかばいつつ、かつ朝は病院から直行して仕事で数時間の滞在だったが、東京へ戻る新幹線に駆け込む前に、「おかる」で葛でとじた熱々のあんかけうどんを一杯だけ食べられた。次は休暇で来よう。