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鏡をみてはいけません (集英社文庫) 価格:¥ 560(税込) 発売日:1999-09-17 |
前にテレビで、全国の家庭でいかに料理をしないかという特集をしていて、その中でおおっと思ったのが、1週間のうち5日が鍋料理という話。切って入れるだけなので面倒ではないということか(それに鍋をいちいち洗わない?)・・・あとお味噌汁を作らないというのも多く、たしかに毎日3食作るのは大変だと思うけれど、少なくとも子どもにとってはどうなんだろう。
うちの親の教育方針は、「ごはんとおやつをしっかり作る」「勉強は、学校とその予習復習だけで十分」「プレゼントを厳選する」で、今から思えばすごく健全に育ててもらったと思う。だって小さな子が、スーパーのお惣菜で一人だけの夕食をすませて塾に行くなんて、不健全だし、物悲しい。私は朝食も夕食も家でしっかり食べてたし、塾に行かなくても大丈夫だったし。昭和世代には当たり前だったのに、今ではそういう家庭は少ないのかも。
この本はそれがテーマで、主人公がすごくいい。服やメイクに気をつかうより、おいしい昆布炊きをコトコト煮るのに長時間かける。気分がのるとファンタスティックな絵本を描き進める。ピュアだから、一緒に暮らす子持ちの男性の過去の恋愛に翻弄?される。何より、日々の食事の支度をとても楽しんでいるのが素敵。こんなタイプの日本女性がいちばん美しい。