WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『江戸の食空間』(著者:大久保 洋子)

2013-01-23 19:58:21 | 本と雑誌
江戸の食空間――屋台から日本料理へ (講談社学術文庫) 江戸の食空間――屋台から日本料理へ (講談社学術文庫)
価格:¥ 882(税込)
発売日:2012-11-13

日曜の夜、龍馬伝以来3年ぶりにNHK大河を見るようになった。幕末の会津を舞台にした「八重の桜」は、綾瀬はるかさんがとてもキュートなだけでなく、配役の男性陣がハンサムぞろい。50年を越える看板番組も、お茶の間の時間はケータイとわけあう時代、結局視聴率は人気芸能人頼み・・・ということもあるのだろうけれど、起用された俳優の演技の真剣さも、映像の構成もおもしろく、音楽が坂本龍一で、さらに幕末は人物の層が厚いせいか最後の歴史探訪までいい。


勤勉で真面目で優しい日本人、私たちは日本に生まれたことをもっともっと誇ってもいいと思う。特に江戸後期から明治にかけての50年間は、政治経済、文化、医学とも傑物を最も多く輩出した時代。それは鎖国から開国、富国政策と急ピッチの転換のなかで、必死で勉強して仕事して才能を十二分に使い切る日本人の国民性が、時代とぴったりあったから。


時代の中心地で、膨大なエネルギーを生み出すための胃袋を支える産業に興味をひかれて読んでみたら、江戸の台所はかなり外食中心で衝撃。というか庶民の住んでいる長屋にそもそも台所なんてないし、キッチンで一食ごとに食材を調理するのは大名と料理屋くらい。一般人は日中しっかり働き、食事は現代の回転寿司、天丼の出前、駅の立ち食い蕎麦のルーツである「屋台」でささっと食べる、その考え方は今のシンガポールに近いのかなぁ。しかし食生活にも日本人の創意工夫のうまさや手先の器用さがいかんなく発揮されている。

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