WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『ヴィヨンの妻』(著者:太宰 治)

2012-11-23 19:18:10 | 本と雑誌
ヴィヨンの妻 (新潮文庫) ヴィヨンの妻 (新潮文庫)
価格:¥ 380(税込)
発売日:1986-12

昨日はオフにして、4連休の中日。やっと咳がおさまってきて嬉しい。今日は雨がふっていたが、午後から新宿にお買い物、夕方から美容院へ。7年ぶりに京王百貨店に入っているジュエリーリフォームに行ったら、まだちゃんとお店があった。母からゆずってもらった指輪がいくつかあって、そのうちの1つが最近、手指の感じにしっくりあうようになってきたので、さっそくサイズを直してもらう。ゴールドとプラチナのコンビで、真ん中に小さいダイヤがちりばめてある。20代の頃は、指にはめてもどこかチグハグな感じがしたのに、大人になるってこういうことか。


「ヴィヨンの妻」読んで大好きになった。太宰治が晩年、死のう死のうと思っていたであろう頃に書かれたものなのに、なんて軽やかで素敵なんだろう。シャンパンの泡みたいに美しくて、それなのに薄っぺらさのかけらもない。ほんとこの人は、すさまじい文才である。


さて、このあとは静かな夜、ボジョレーを飲みながら英文を訳すことにする。欧米人のいいことしか書いてない自慢話を読むのは、お酒でもないとやってられない(笑)


『大地(3)(4)』(著者:パール・バック 訳:新居 格)

2012-11-17 16:48:11 | 本と雑誌
大地 (3) (新潮文庫) 大地 (3) (新潮文庫)
価格:¥ 580(税込)
発売日:1954-03

気温のアップダウンと残暑の疲れで、風邪をひいたら症状の最後に咳、ここ3週間ほどとまらない。声が出なくなったのと、昨年気管支炎になってあまりにつらかったので、今回は早めに強い薬を出してもらったら、体にあわないのか今度は頭痛と吐き気が続く。


新しい知識世代の台頭、欧米からの圧力と戦争、この国を支えてきた一次産業の民衆の積もり積もった怨嗟という、体制のもつ自動リカバリがきかないくらいの大きな波がきて、歯車が狂い、四百年以上続いた政治システムが崩れるところは、これと一緒だなぁと、微熱の中で「大地」の続きを読みながら思う。
大国が近代化する壮大な流れと比べてしまうのはミクロすぎるけれど、こんなにうまく動いているのが奇跡に思えるほど精巧な人体だが、いちど調子を崩してしまうと、元に戻るのにとても時間がかかる。咳よ早く治って。