WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『スタンフォード式 最高の睡眠』(著者:西野 精治)

2017-11-05 19:30:33 | 本と雑誌

平日は帰宅が遅い不規則な生活を、長年ずっと規則正しく続けてきた割に、年に1回受ける健康診断の結果はいつも良い。高血圧も中性脂肪もポリープもない。ところが昨年から、仕事の山場を迎えるたびに緊張のあまりか眠れない日が増えた。不眠がやってくるのはたいてい週の半ば、ベッドに入ってもあれもこれもやらなきゃと考えているうちに頭がどんどん冴えてきて3時、4時まで眠れない。今夏はとうとう、風邪からのアレルギー性喘息という病名をもらってしまったので、免疫を改善するにはよく寝なくちゃと本を探した。検索すると最上位にヒット、これですよこれ。前にありえないほど体重が増えたとき、「シリコンバレー式 最強の食事」という本の推奨するバターコーヒーで一気にやせたことがある。科学的な題名がなんとなく似てるしすごく効きそう。

読むとまあ今までの自分の生活で、いかにたくさんの不眠スイッチを押してたかと感心。これじゃ週に眠れない夜があるのは当然で、逆によく残りの日はぐっすり寝れてたなぁ、どれだけ疲れてたんだと笑ってしまった。

この前いきつけのバーで仕事帰りに夜ごはんを食べていたら、扉がかろやかに開いて、ものすごくカワイイ女性が入ってきた。年のころ20代後半、真珠みたいにきれいな肌に大きい目、長いまつ毛。カウンターで私の隣の席に座って堂々とワインをオーダー。他にお客さんがいなかったこともあって、お酒を飲んでいるうちに意気投合。で、今日は大学生のひとり息子に会いに来たという話に目が点になり、思わず年を訊いてみると、なんと、全然年上の53歳。いかに夜とはいえ、店内の明るい照明でまじまじと見ても30より上には見えない。秘訣をきくと、「とにかくしっかり眠ること」・・・そうですよね。思わずこの本を二度読みしてしまった。


『不機嫌な姫とブルックナー団』(著者:高原 英理)

2017-11-03 20:17:47 | 本と雑誌

今日はぽっかり予定が空いたので、朝からキッチンで料理しながら交響曲3番「ワーグナー」を大音量で聴く。雨続きの今年にしては珍しく気持ちのいい秋晴れ、さんさんと陽がさして暖かく、テラスでおいしいお酒でも飲みたい気分である。

前にちょうどピアノを始めたころ、音楽にとても詳しい人が選んだコンサートに連れていってもらい、クラシックの体系というか大きな枠組みみたいなものをぼんやりとではあるが最初に理解できたのが良かったのだろう。以来ずっと、こよなく愛する作曲家やピアニストの曲を、何度でも繰り返して覚えてしまうくらい聴いて、飽きないどころかますます好きになっている。そして自分でも意外なことに、最近電撃的にブルックナーにハマってしまった。

ショパンみたいに華麗でもなく、ベートーヴェンみたいに心が震える美しい旋律でもなく、自分の好きな系統とまったく違うのに!構成が茫洋と分かりにくい、何を表現したかったのかつかみにくい、はっきり言って壮大に変わっている。この3番にしてからがなぜ「ワーグナー」・・??と思うのだけれど、続くフレーズの繰り返しがとても美しく、主題をおっていると不思議にうっとりしてもっとずっとこのまま聴いていたいという気持ちにさせられる。

こうなると返す返すも残念なのが、昨冬バレンボイムが来日した時に、なぜ全曲聴きに行かなかったのかということ。私が聴いたのは7番のみで、それも曲というより帝王の名にふさわしい指揮についつい目がいってしまい、今思うと大後悔である。そこでAmazonでCDをあさって大人買いしていると、この素敵なタイトルの小説が。早速読んでみて、ブルックナーオタク、通称ブルオタの男子3名と主人公が出会う冒頭のサントリーホールのシーンから爆笑。自然な語り口から著者は完全にアラサー女性と思ったが違いました。面白さとほろ苦さとのバランスがうますぎる。