WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『三国志(4)』(著者:宮城谷 昌光)

2010-04-30 15:46:30 | 本と雑誌
三国志〈第4巻〉 (文春文庫) 三国志〈第4巻〉 (文春文庫)
価格:¥ 630(税込)
発売日:2009-10-09

「三国志」4巻目は後漢の王朝末期、献帝の代に各地で群雄割拠、曹操がいよいよ政治の表舞台におどりあがる直前まで。前に買って本棚に入れっぱなしになっていたのを思い出して、先週読んだ。


故事に通じ、学問を良くし、心胆を鍛え、仁義を尊んで小事にうろたえず、次の時代への見通しを正しく持つ。こういった勇将知将がさまざまに登場して、飽きない。宮城谷先生の解釈や描き方にもよるのだけれど、人々の論理感、判断基準というものが現代と大きく変わらないことも、ああなるほどと思う。


週末に1~2時間、平日は会社の行き帰りに読書時間を確保して、4月も忙しかったけれど普通に本を読めているな。感想をブログにメモする習慣もすっかり定着して、いい感じ。


『ミレニアム3(下)』 (著者:スティーグ・ラーソン 訳:ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利)

2010-04-25 19:47:47 | 本と雑誌
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-07-09

昨日は午後から仕事。プロジェクトの資料を頭にインプット、その素晴らしさに感動してしまって、1週間たまった疲れがふきとんだ。改めて頑張らねばと思う。そしてFlickrをチェック。このサービスはいいなぁ。大学生のころ、カメラが好きで、ハッセルブラッド503CWを買ってたくさん写真を撮っていたが、デジタルじゃないから整理が大変だった。今や無料でかなりの量をセーブできる。それに世界中の写真、見ているだけでも楽しい。


土曜の夜の読書タイムは「ミレニアム」の6巻目。これは最後の1冊、エンディングにむかって急展開していく話に、途中でやめられず一気読み。このシリーズ、ほんとにおもしろかった。読了に満足。


『言語にとって美とはなにかⅠ』(著者:吉本隆明)

2010-04-17 21:06:46 | 本と雑誌
定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫) 定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2001-09

最初は、単語にどういった意味をもって使っているのか、とっつきにくかったのだが、文学体と話体、自己表出と指示表出、言語の意味と価値、という3つのくくりが何を指しているのかが頭に入ると、とてもあざやかに色をもった明晰な世界がみるみる開けてくる。美しさについての本は、その表現じたいもとても美しい。


たとえば、とても重要なくだりの一節、「意識の自己表出からみられた言語の全体の関係」を「言語の価値」とする、という定義。一読すると言葉あそびのようだけれど、何かを口に出すときや文章に書くときの、表現者のそれについての意識の重みの差を、何という日本語であらわすかといえば、たしかにそれは価値の差というのが最も正確である気がする。およそこの本のすべての構成と表現に、こういう緻密な論理の組み立てが行われているのだ。


とくに近代以降の文学は、これを読んだあとは、よく知られている文豪たちの文章をまた違った角度から読み直すことができそう。残念なのは一つひとつの作品に対する分析が短すぎて(本当はセンセイ、もっと書きたかったんだろうな・・・)、その意味を理解するのにきっと正確でない想像をするしかない。あれ、もしかして「Ⅱ」に補足が書いてあるのかな。


『ミレニアム3(上)』 (著者:スティーグ・ラーソン 訳:ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利)

2010-04-10 17:40:08 | 本と雑誌
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-07-09

今年は気分的にも時間的にもせわしなく、お花見できる機会がなかった。と言ったら、iPhoneで満開の美しい桜の写真をいただいた。今日は午後、近所のカフェにひとり読書をしに行く。あたたかい風に桜の花びらが舞っていてとてもきれい。もう春だなぁ。

年度の初めはなにかと忙しい。デスクワークを片付けながら今年度の計画をじっくり考える。いろいろな人にかかわっていただく仕事なので、本当によいものを作っていくためには、目先のクオリティよりも、誠実に、相手といい信頼関係を続けていくことが一番大事だったりする。それにしても忙しいほうが集中力が続くのか、これは今週の後半、深夜に読書タイムをとって読みふけってしまった。


『南アフリカの衝撃』 (著者:平野 克己)

2010-04-04 20:11:06 | 本と雑誌
南アフリカの衝撃(日経プレミアシリーズ) 南アフリカの衝撃(日経プレミアシリーズ)
価格:¥ 893(税込)
発売日:2009-12-09

南アフリカ共和国といえば、アパルトヘイトとマンデラ、豊富な鉱山資源、日本がODAを多く供与している国であること、FIFAワールドカップ2010の舞台、くらいが平均的な日本人の知識ではないだろうか。

アフリカ最大の経済大国であり、多くの有名なグローバル企業を生み出し、国内に自動車産業の巨大な生産拠点を持つ(なんと、日本で販売されているベンツやBMWの多くは南アフリカ製なんだそう)反面、貧富の差もHIV感染人口も世界最高水準、汚職と犯罪が多発する国。

著者はアフリカ研究を専門にされている、ジェトロ・アジア経済研究所の平野克己氏。論点が明確で読みやすく、経済や日本とのかかわりだけでなく、アパルトへイトが誕生した複雑な歴史と、そこから解放された後の政治体制、アフリカ大陸の中で南アフリカが占める位置などについて、とても興味深く読んだ。