WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『ヴァロワ朝』(著者:佐藤 賢一)

2015-05-04 19:09:32 | 本と雑誌

イザベル・アジャーニ主演の「王妃マルゴ」を見たとき、サン・バルテルミーの大虐殺や王妃の愛人が首を斬られて処刑されるシーンもさることながら、本のページに薄く塗られた猛毒を読書中になめてしまい、全身の毛穴から血がにじみ狂奔のなかでジワジワと死んでゆくシャルル9世の最期が悲惨すぎて、記憶にのこっていた。フランスの歴史はすさまじい。10世紀の王朝始祖ユーグ・カペーから800年後のブルボン朝終焉までの中でも、特にヴァロワ朝は戦争多く、ヘンな王様も多く、体系的に解説してくれる本を読みたかった。そうそう、まさにこういう本を読みたかったのよ。

この本を読んでいた昨年11月は、毎年、コンサートに行きたいのに風邪をひいてしまう因縁の月。風邪をひくといつも咳がひどくなり、必ず行けなくなるので、体調に万全の、細心の注意をはらって迎えたユンディ・リのピアノリサイタル。こういう日くらいは早めに会社を出て、ホテルでティーブレイクをしてプライベートモードに切り替え、優雅に美しい音楽を聴こうと楽しみにしていたのに!

アクシデントが起きてそれどころでなくなり、一緒に仕事している仲間が1曲だけでもと送り出してくれてタクシーに飛び乗ったのはすでに開演5分前。絶対に無理だろうな、と思ったら、奇跡その1が起きて開演が5分遅れ、さらに奇跡その2は演奏者都合で前半にアンダンテ・スピアナートと「情熱」の曲目変更に。なんというラッキー。休憩時間がきて会社に戻るまで、少し硬質だけれど繊細で超絶技巧なタッチと、ショパンとベートーヴェンの美しい旋律にひたることができた。とてもよかったけれど・・・今度からコンサートの日はバタバタしないように万全を期して臨もう。