天空の蜂 (講談社文庫) 価格:¥ 880(税込) 発売日:1998-11-13 |
去年、お借りして、読みごたえのある厚さだが、おもしろくてお正月ずっと読んでいた。
巨額の開発費をかけた巨大ヘリをお披露目の日にジャックして無人飛行させ、稼動中の原発の上に・・・いつも私は、読んでいるうちに結末がどうしても気になって、エピローグをめくってしまう、正統派ミステリファンからは「うそ、信じらんない」と言われるせっかちなのだが、これは、犯人はどの時点で見つかるのか、ヘリは最後に落ちるのか落ちないのか、ドキドキしながらページを繰って、最後まで順をおって読んだ。
あとがきにもあるが、この人の本は、問題提起というか、単なるおもしろい推理小説ではなくて、完成度の高い文章やストーリーを通じて、社会の課題をさまざまに考えさせる。きっと、そのための事実取材やプロットの組み立てもすごい丹念にやっているんだろうな。
夕方に軽くビールを飲んだので、アルコールで気分がほぐれて、またこの人のを読みたくなった。大人がリラックスしながら楽しめる知的上質さを持っているよね。