WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『失われた時を求めて〈7〉 第四篇 ソドムとゴモラⅠ』(著者:マルセル・プルースト 訳:鈴木 道彦)

2011-12-31 14:51:12 | 本と雑誌
失われた時を求めて 7 第四篇 ソドムとゴモラ 1 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 失われた時を求めて 7 第四篇 ソドムとゴモラ 1 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2006-10-18

去年の年末からお正月はなんだか慌ただしく、せっかく新しい年の始まりなのにお祝い気分に欠けたので、今年は大晦日から温泉に逃避しようと思っていた。お湯につかって冷たいビール、暖炉の前でシャンパン、ベッドで読書三昧…ところが11月、大好きな箱根のハイアットリージェンシーに電話したところ、あっさり満室との返事(笑)。旅行代理店にも問い合わせてみたら、関東の温泉地で部屋のあいている処は山中のペンション1つしかないそう。皆、同じことを考えるものね。


ならば大晦日、元旦は自宅でも絶対にゆったり過ごそうと、年賀状書き、家事、手を抜けるものはいさぎよく手を抜く(笑)


今年はいろいろなことがあったけれど、振り返ると仕事もプライベートも充実した良い一年で、人間的にも成長できたように思う。10代終わりから、転機になる何かがおきるたびに、甘ったれた未熟なところを一枚一枚、なくしていったが、少女の時に思ったこういう大人になりたいなという理想に、ちょっと残っているスイートさも含めてだいぶ、近づいている。2012年も良い年でありますように。


『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(著者:村上 春樹)

2011-12-24 15:50:54 | 本と雑誌
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4) 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2010-04
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5) 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2010-04

クリスマス寒波が到来、寒いのでなるべく陽だまりの中にいるように移動しながらアルバムを整理。うちの会社のコミュニケーションを手がけられている大巨匠が前に、「女性の年齢は首に出る。顔の肌がどんなに綺麗でも、首を見るとトシがわかる」と仰っていたのが妙に記憶にのこっている。たしかに顔のメイクは完璧なのに、首に老化の年輪が刻まれていて、残念ながらオバサンだなと思ってしまう人もいる。


20代前半の頃の自分の写真を見ながら、ふと、大丈夫かしらと鏡でチェック。美容液、ホワイトニング、パック、まったく何もしていないが、一般的にたぶん、何もしないほうが老化が遅い気がする。あまりストレスを感じない性格だし、週末の夜は10時には眠ってしまうし、このまま健やかにいけば、たぶん大丈夫なのだろう(笑)


1Q84で思い出し、ノルウェイの森、ねじまき鳥クロニクル、海辺のカフカ、ダンス・ダンス・ダンス、前期三部作、とさかのぼって、この本で一区切り。昔の大好きだった記憶がすっかり新しくなった。村上春樹の書くものは不思議と歳をとらない。これも、なんと25年も前の小説。レストランや飛行機で、煙草をすうのが当たり前なところ以外は、ぜんぜん違和感がない。凄いものである。


『方法序説』(デカルト 訳:谷川 多佳子)

2011-12-23 15:31:24 | 本と雑誌
方法序説 (岩波文庫) 方法序説 (岩波文庫)
価格:¥ 504(税込)
発売日:1997-07-16

今日こそは仕事のあいまに見て来ようと思ったミッション・インポッシブル最新作、木枯らしの吹きすさぶなか意気込んで外に出たら、映画館はものすごい長蛇の列。クリスマス・イブの前だからかしら。こういうとき我ながら得な性格、行きつけの喫茶店であたたかくておいしいココアを飲んで、機嫌よく自宅に戻ってきた。いい仕事をしようと心がけていると、たとえ何がおきても次のベストショットを集中して狙う癖がつき、自然、気持ちの切り替えが上手にできるようになる(?)


cogito, ergo sumにはじまる存在確立の哲学はもちろん、医学、法学、数学、光学、近代自然科学の分野に大きな業績を残したフランスの誇る学者、意外に「自分のような者でもこういうことを考えつくのだから、・・」という文調がとても控えめ。昨日の第九で、ほんとうに素晴らしい指揮のあと、満場の拍手をぜんぶ演奏者と歌い手にゆずっていたコバケンに通じるものがある。自信のない人ほど自己PRが強く、人からほめられないと不安を覚える。一流は自然に人をたてられるのだ。六章から成る本文も非常に平易、明快、論理的、すばらしい。