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お嬢さん (角川文庫) 価格:¥ 580(税込) 発売日:2010-04-24 |
今日の午後はなんだか風が冷たい。こよなく愛しているヴェルレーヌの詩を読みながら、あたたかいココアを飲んだら眠くなって、ベッドでうとうと。TVをつけっぱなしで眠ってしまった。
上田敏の「秋の日の~」という名訳で知られるヴェルレーヌのChanson d'automneは、たとえ一語でも変えるとその完璧なフレームが崩壊する、ことばの芸術の極致。Rime(韻)、Pied(音節)の語数と性数が、4・4・3、Masculin(男性形)・Masculin・Feminin(女性形)という一定の規則をもって続く。意味の関連性を持つ語句の対比と配置も、つづりがシンメトリーになっている単語の配置も、おそるべき天才としかいいようがない。フランスの詩は、使われていることばの後ろに使われなかった膨大なことばの豊かな世界が垣間見えるところが、たまらなく好き。
なんだか読んだ本と関係ない話になってしまった。三島由紀夫の作品はほとんど全部読んでいる、これも初文庫化とあって読んだ。