WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『47歳の音大生日記』(著者:池田 理代子)

2016-01-31 18:40:58 | 本と雑誌

大多数の同年代の友人と同じく、小学生で「ベルばら」の再放送をTVかぶりつきで毎週見ていた私、大人になってこの本を見つけたときは、てっきり、同姓同名の別人かと思った。読めば、「オルフェウスの窓」「エロイカ」「女帝エカテリーナ」・・・誰でも知っているような人気作品の数々を世に送り出す漫画家のキャリアを47歳で捨て、東京音大に入学した池田理代子さんのバイタリティに驚愕。さらに、文章のうまさも並大抵ではない。

新しい環境を経験するのは、得られるものが大きい反面、体にも心にも非常にハードな負荷をかける。年齢がいけばなおさらだ。それが、猛勉強の末にドイツ語や楽典、ピアノなどを含む難関試験に合格し、専門過程がみっちり詰まった4年間を、「とにかく歌うことが大好き」で乗り越えたエッセイ。それも、「頑張ったら、あら、できた」みたいな優等生的なキレイゴトが一切ないところが大好き。

スキーで肋骨を折ったり結婚が週刊誌に大バッシングされたり、ピアノの試験中に緊張のあまり暗譜した曲が頭からすっ飛んで真っ青になったり、といった「普通に毎日が超大変」な中、安くて栄養満点な学生食堂が何よりの楽しみで、ダニに刺されて顔中が腫れあがったなんて書く身近さ、レッスンがうまくできなかった日は池袋からぽろぽろ泣いて帰るというような感受性の鋭さがもう、ほんとに好きで、何度も繰り返し読んでいる。何か新しいことに挑戦したいとき、背中を押してくれる一冊。


『ピエールとリュース』(著者:ロマン・ロラン)

2016-01-24 14:42:35 | 本と雑誌

定期的な整体と、きちんと摂取しているサプリのおかげで、全身にバランスよく筋肉がついてきた。満を持して、10年近くご無沙汰しているゴルフを再開。昔は、数打うつと腕が痛くなり、ショートホールでも後半へたばって足腰がガクガクするという、若いくせに情けない状態だったが、今やそのころの筋力不足がウソのよう。今回は徹底的にうまくなるため、プロのレッスンを受けて基礎のアドレスからみっちりやり直し、週末ごとに目黒までトレーニングに通う。

しかし今週は、週初めの月曜、雪の中で長いこと電車を待っていたのがたたり、鼻風邪をひいてしまった。今年の東京はずっと暖かい日々が続いていたので、1月に襲ってきた寒波、じわじわと滲みるような寒さが耐え難い。こんなに冷えると、床暖房でぽかぽかの自宅から一歩も外に出たくない。ゴルフ雑誌を読みこむために家にこもる。

12月に新刊として出た渡辺淳氏の日本語訳、即買い、即読んだ。第一次世界大戦の末期、ドイツ軍の爆撃に脅かされるパリで、たった2ヶ月とはかなく、でも濃く純粋な恋愛を生きた18歳の物語。甘くてロマンティックな序盤から、高まっていく幸福と不安のコントラスト、そして恋人たちの強く願って自分たちへ招き寄せたような最期に、いつ読んでも目がうるんでしまう。あぁ、やっぱり素敵な一冊。それにしても、こんなにみずみずしく美しい小説を、54歳で描きえたなんて、やっぱりロマン・ロランは天才。


『ミレニアム4』(著者:ダヴィド・ラーゲルクランツ)

2016-01-11 13:13:06 | 本と雑誌

シンプルイズベスト、ものが増えるのが嫌いで、新しく買ったら何かを捨てるようにしている。スッキリしているのが好きだし、掃除もラクだし。しかし唯一困るのが書籍。新刊、興味を惹かれた作品、クラシカルな文豪のもの、むかし読んでまた読みたくなった本、買うときに厳選するものの、増えるペースに捨てるタイミングが追い付かない。うちの本棚は3つあり、本棚を増やしはじめると私はきっとどこまでも歯止めがきかなくなるため、あるとき考えて厳守ルールを決めた。

「3回以上読み返さないものは全部ブックオフ」これで、錆びない本棚が維持できるようになったが、8000万部もの記録的な大ベストセラーとなった「ミレニアム」は、10年近く経過して3部作の上下巻と厚みがあるにもかかわらず、今のところ捨てられない。だって最高に面白いんだもん。今度、著者が変わって新しく出るとニュースになった時から、ワクワク楽しみにしていた。

読み始めた3連休の今週末、あまりのおもしろさに、上下ぶっ通しで最後まで一気。前作同様、社会の暗部と弱者への暴力がキーファクターになってたたみかけるような展開のしかた、一人ひとりのキャラクターのおもしろいこと、胸がすくような最後の結末まで、オリジナルのスティーグ・ラーソンそのもの!前作になかったデジタルの進化と、AIと量子という最新のテーマを扱って、読み応えも十分。次作が待ち遠しい。


『(日本人)』(著者:橘 玲)

2016-01-03 18:34:50 | 本と雑誌

 

昨年はずっと、期限が決まっている目の前のことをはしから片付けてゆくのに精一杯だったが、年末の休みに入って久しぶりにリラックスして熟睡し、落ち着き、心にいろんなものを容れたいと思うゆとりが出てきた。たとえばスクリーンで映画をみたいとか、読んだことのない作家のものを読んでみようとか。休暇の最終日の今日は早起きしてラージサイズのコーヒーを買い、「スター・ウォーズ」へ。朝イチのため私の席の列はすべて貸し切り状態、かぶりつきで最新作を堪能。

自分はワーカホリックだと今更気が付き、ウィークデイは絶えず仕事のこと、新しいアイディア、どうすればもっと良い結果が出るかを考えているせいで、最近読む本はミステリとか、なるべく難しくなく読み流せるものが多かった。これはいけないと、休暇前に知人の推奨を聞いて買い込んだうちの一冊。タイトルのカッコは、日本人をいったんカッコの中に入れて、俯瞰して新しい角度から自分たちを論じてみようという意味。

江戸時代から都市への人口流入が続き、地縁や血縁が薄くなった結果、自分がいる近くの場所や組織の秩序に組み込まれた日本人は、単一民族のためグローバル化( それがもたらす価値観の多様化)もできず、太平洋戦争終結と同時にそれまでの社会フレームが崩壊すると、自分らしさを唯一のよりどころにせざるをえなくなった 。自己探求とは、終わりのない不安を絶えず抱えながら続く旅のようなもので、年をおうごとに増える日本の自殺発生率やうつ病の発症率の高さはそれに起因している。新しい論点で久しぶりにおもしろかった。


I Am Malala by Malala Yousafzai

2016-01-02 14:25:50 | 本と雑誌

This book is one of the Xmas presents that my friend gave me. Malala Yousafzai is a Pakistani girl who was assailed by Taliban terrorists in 2012. She was only 15 years old when 3 bullets injured her head and neck.

Tehrik-i-Taliban pakistan issured an official statement on shooting her because her action promotes Pakistan's westernization. And it's harmful to their militarism. Her father founded and operated some schools despite the threat of terrorists, people had no way to educate or support their children in Pakistan.

Women's opportunities are totally limited due to situation where they live, where they were born. Between Western and Eastern Asia, there is a huge gap. Education is the best equalizer, people have the basic system and tools to live by education. She needs to focus on that.