WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『ねじまき鳥クロニクル(1)(2)』(著者:村上 春樹)

2011-05-29 17:17:59 | 本と雑誌
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:1997-09
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫) ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)
価格:¥ 660(税込)
発売日:1997-09

先週、女子ランチでパスタを食べながら「村上春樹は一度読んで時間がたつとストーリーをすっかり忘れる」という話になった。あぁ私だけじゃないんだ!!とひと安心(笑)。これも一巻の最後のほう、おそるべき蒙古兵の拷問のところで記憶がよみがえる(あまりにこわくておぼえていた)


関東はもう梅雨入りしたらしい。五月晴れの季節は長く続かなかったけれど、その分早く梅雨があけて、爽快な夏の空が広がるといい。


雨の季節も外に出なければ好き。私は髪が少しくせっ毛で、長くのばしているので湿気が高い時期はもう大変。朝きれいにブロウしても会社に着くころには、水分を含んで好き勝手な方向に乱れてしまう。ところが連休中にゆるくパーマをかけてもらってから一驚、ドライヤーをかける時間もいらないし、湿気でむしろ髪がしっとり、ゆるい巻き毛にまとまっている。だいぶ前から「木戸さんの髪には正解」と言い切っていた美容師はさすがプロと感心。


『対岸の彼女』(著者:角田 光代)

2011-05-28 19:34:02 | 本と雑誌
対岸の彼女 (文春文庫) 対岸の彼女 (文春文庫)
価格:¥ 570(税込)
発売日:2007-10

ここ3週間ほど、珍しく本を読む気がしなかった。仕事でパソコンと携帯を酷使しているので、画面を見すぎて目が疲れてというのがひとつ。おもな読書時間の行き帰りの電車中では物おもいに耽ってというのがふたつ。


この本はハワイに行く途中で買って、帰りの成田からのNEXで読み終わった。人はなぜ歳を重ねていくんだろう、なぜささいな理由であっという間になじんだ世界が崩れてしまうんだろうというテーマ。小・中学校時代の、女の子同士のちょっと独特なクローズドな関係を思い出した。あったあった、こういうこと。まだ痛みを想像できない年齢だから、どこまでも抑制がきかないのだ。


ところで私は週末に雨がふるのも好き。空がやわらかく曇り、街路樹は物憂げに濡れて、大好きなヴェルレーヌの<Clair de lune>を思い出す。ドビュッシーが曲にしたとても美しい詩。


厳選10曲

2011-05-08 17:55:18 | 本と雑誌
クラシック千夜一曲 ―音楽という真実 (集英社新書) クラシック千夜一曲 ―音楽という真実  著者:宮城谷昌光
価格:¥ 714(税込)
発売日:1999-12-01

連休最後の日は、初夏の陽射しがまぶしい。洗いあがった洗濯もののひやっとする冷たさが、手に気持ちいい季節になった。明日は出社で、10連休を楽しんだあとの社会復帰。


これは頂いた本、連休前のコンサートを楽しみに少しずつ読んでいて、あらためて音楽の素晴らしさを思う。この人は本当に誠実な書き方をする作家、頭に浮かぶままに書き流していくやり方と、一語一句選びつつ書いていくタイプがあるとすれば、間違いなく後者。中に出てくる、素人にこそ適切な表現を選んで説明しなければならない、という司馬遼太郎さんの言葉を実践しているのだろう。氏にとって魂の震えるような、人に推薦できる音楽を厳選して10曲。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第二番、フォーレのエレジーを買ってみる。


ものごとには何でも、良い面と悪い面があって、でも、そういうこともあるよね、というのが重なってくると、錘のように気持ちの中に沈んでいく。言ってもしようのないことを心にためていると結局どこかで曲がり角が来てしまう。良い音楽を聴くと、そういうのがうまく溶けていくような気がする。CDで一人の世界に浸るのも好きだけれど、コンサートは演奏家の気迫が伝わってくるのがとても素敵なのだ。


ホットチョコレートの効用

2011-05-07 10:45:25 | 本と雑誌
美味礼讃 (上) (ワイド版岩波文庫 (258)) 美味礼讃 (上)  著者:ブリア-サヴァラン
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2005-08-19

標準的フランス人なら誰でも、体の一部になっている言葉のひとつに「gourmand(グルマン/美食家)」というのがあって、それはこの18世紀の名著が起源。前に読んだフランス語のテキストに一部が抜粋されていて、全部読んでみたかった。紀伊国屋書店でワイド版岩波文庫のコーナーができていた中に発見して嬉しく購入。


さすがフランス人のバイブル、哲学的構造的にあらゆる美味について豊かなボキャブラリー駆使して論じる。美食というと奢侈、つい、もどしてまで長時間の宴会を楽しんだローマ貴族をイメージしてしまうが、とんでもない、サヴァランは、健康とさわやかな気分を維持するためのものと冷静に割り切って、「料理は皿数を多くせず、重いほうから軽いほうへ、反対にお酒はあっさりしたものから芳醇なものへ」なんて実際的。ホットチョコレートは最も弱い胃に効く、百薬の長だそう。他たくさんの料理への考察すばらしく、我々の短い人生の中で他のあらゆる享楽の疲れを癒してくれるのは美味学、と言い切られると、深い説得力にうんうんとうなずいてしまう。


ちなみにこのワイド版、おなじみ藍の唐草模様の装丁に、少し明るい群青に金で同じ模様をいれたしおりの組み合わせが知的に美しい。とても秀逸だ。本のデザインというのは大事で、これは手にとるたびにいいなぁと思う。下巻も愉しみ。


『感情教育(下)』(著者:フローベール 訳:山田 爵)

2011-05-05 12:18:07 | 本と雑誌
感情教育 下 (河出文庫) 感情教育 下 (河出文庫)
価格:¥ 893(税込)
発売日:2009-09-04

この連休前半はハワイでのんびり4泊6日の休暇を楽しんだ。20代前半のころ、初秋に突然まっさおな南国の海を見たくなって、遅い夏休みをとっていちど行ったことがある。が、着いたとたんにそれまでの仕事疲れのせいか熱を出してしまった上に、レストランも観光名所も何もチェックせずに行ったため、部屋で寝てABCストアでサンドイッチを買って・・・という散々な思い出(笑)今回は食と睡眠という重要ポイントをきっちりおさえ(笑)、やはり体調を崩していたもののとても充実した休日。iPhoneの海外パケット定額のおかげでメールもTwitterも使えたし。


ホテルにはリラックスして読める本を数冊もっていったが、現地で読み終わったのはこれだけ。フライト中も部屋でも、気持ちがいい感じに弛緩してぐっすり眠れたし(愛用枕と香りのいいローションのおかげ)、毎日おいしい食事とお酒を楽しんで疲れが一気にとれた気がする。