WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『リプリーをまねた少年』(著者:パトリシア・ハイスミス 訳:柿沼 瑛子)

2017-10-01 19:45:36 | 本と雑誌

今年は秋の訪れが早くて、9月の終わりから空気が澄んできた。空が高く、透き通った青に刷毛で描いたようなやさしい雲はもうすっかり秋、見上げるとどこからか金木犀のいい香りが漂ってくる。まだ朝晩のステロイドの吸入は続けているものの、結構なペースでジョギングしても酸欠で口をぱくぱくさせることはなくなった。この調子この調子と、体調を完全に元に戻すためワークライフバランスを維持。

時間に余裕ができるとなぜか読みたくなるのがリプリー・シリーズである。「太陽がいっぱい」で殺した友人の遺産に加えて、お金持ちの令嬢エロイーズと結婚しフランスの郊外で暮らすトムは、「高等遊民」という言葉がぴったり合う優雅な生活。毎作品ごとに抜き差しならぬ状況に陥って行き当たりばったりな殺人を犯し、それでも絶対つかまらず完全犯罪になってしまうのだが、今回は10年前の自分をみるような純粋な目をした少年が転がり込んできて・・・新装版は表紙の雰囲気もいい。

時間があるついでに、今までやろうやろうと思ってついのばしていた事に片端から手をつけている。自宅のリビングと寝室に新しく替えたカーテンがとても気に入って、ついでにベッドのファブリックやタオル類をカーテンの色にあうように買いなおした。私は小さいころから家の中をいじるのが大好き。兄の読んでいたメンズノンノでインテリアの特集があると、勝手にページを切り抜いてファイルに張り付け、ソファはこの色よりこっちのほうが合うとか、今思うと子どものくせにまったく失礼なディレクションをして楽しんでいた(笑)。二次元のクリッピングではなく実際に、部屋ごと自分の好きになる今のほうが楽しいけれども。休日は本も何時間でも読み放題だし、大人になるっていいなあ、としみじみ。

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