みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

人命救助

2009-02-03 | monologue
土曜日、消防士さんが2人保育園に来てくださって
「心肺蘇生法講習会」がありました。

最初に「幼児バージョン」と「乳児バージョン」の
2班に分かれ、講習会スタート。

私はまず「幼児バージョン」に参加。
ここで指導してくださったのが、イケメン若手消防士さん。
3年前は幼稚園の先生をしていたそう。
こ、こんな先生が幼稚園にいたら、お母さんたちすっごく早く
お迎え行っちゃうわ。そしてなかなか帰らないわ。
運動会のビデオは、子供・子供・先生・子供・先生・先生くらいの
カメラワークだわ。
……などと、こんな緊迫感のある講習を聞きながらまったく不謹慎な私。

その間、イケメン消防士さんは、幼児サイズのお人形を相手に
救助のシュミレーションをてきぱきと実施中。

1.耳元で「大丈夫ですか!?」と呼びかける
2.「誰か来てください!」と助けを呼ぶ。
3.周囲の人に
「あなた、救急車呼んでください。あなた、AEDを持ってきてください」
と指示。
4.呼吸確認(10秒数える)
5.気道の確保。顎を上向きにして空気が入るようにする。
6.人工呼吸
7.心臓マッサージ(乳頭の間を30回)

えーと、たぶんこんな感じです。

「実際、こんなところに遭遇したらパニくってなんにもできないよなあ」
と思いながら見ていたら、

「ハイっ、では、皆さんにもやっていただきます!」

ええええええ~!( ゜ ▽ ゜ ;)

もうこの時点でパニくった。
しかも、私は端っこから2番目に座っていたのだ。
まずはトップバッターのMちゃんパパがトライするのを注意深く見る。
このMちゃんパパが、びっくりするくらいうまい。
終わったあと、園長先生に
「救命隊の人みたいだった!」と驚かれたくらいだった。
そう褒められてMちゃんパパ、
「いやぁ、こないだ、ためしてガッテンでやってたんで」とにっこり。
そ、それもすごくないですか? 
ガッテン見ただけでこんなにあっさり習得するなんて。

で、私もドキドキしながらやらせていただきました。
ウケ狙いで「あっ、人が倒れている!」という細かい演技をしてみたんだけど
それはどなたにもまったく気づかれませんでした。しょぼん。
そしていきなり人工呼吸をしようとしたらイケメン消防士さんに
「人を呼んでください」と注意されてしまいました。しょぼん、しょぼん。

全員終了したあと、AEDの説明。
AED、それは!!
心臓の機能が失われた状態になったとき、電気ショックを与え、
正常なリズムを取り戻すための医療機器……だそうです。
器械にシール式のシートが2つついていて、それを心臓の近くに貼り、
電気を送るのです。
救急車の到着が約6分と言われているので、1分1秒を争うような場合、
AEDは人命救助に役立つとか。

でもこれ、私、実物を見たの初めて。
「このへんだと、これ、どこにあるんですか?」と尋ねたら、
「確実なのは駅とか……あと、近いところでは○○モールとか」
と、隣駅のショッピングセンターの名前を出すではないか!
ええええ~、そんな!!Σ(゜д゜;)
「あなた、AED持ってきてください」って指示するように習ったけど、
たのまれた人が汗だくになって戻ってきたらもう誰もいないじゃん!!

AEDはひとつ10万円以上する高価なもので、
レンタルされることが多いらしいのだが、あまり普及はされていない様子。
しかも、消防署にすら設置していないという。(救急車にはある)
どこにAEDがあるか、消防署サイドもあまり把握していないとか。
これはぜひ、前向きにAED検討をしていただきたいものです。

最後にAEDの操作方法のレクチャー。
「パッドを貼るときには、ネックレスなどの貴金属をはずしてください。
やけどしてしまう場合があります」
ふんふん、なるほど。
「直接肌に貼るので、汗を拭いてください」
そうか、そうか。
「男性の場合は、胸毛を剃ってください」

ええええええええええ!!ヽ((◎д◎ ))ゝ

本日、3回目のサプライズ。
まさか、この講習会がこんなにオドロキの連続だとは。
む、胸毛処理!? どうやって!!
普通にかみそりとか泡とかないでしょ!??

この質問には、
「AEDのパッドはたいてい2セット入っているので、
ひとつを脱毛にしていただいて、もうひとつで電気ショックを
だそうです。
だ、だって、AEDは高価だって言ってたじゃないかー。
そんなことに使うなんてもったいないじゃないかー。
強力なガムテープとか入れておけばいいんだよ、
そんなのダイソーで売ってるよ!
まず胸毛をひっぺがすショックで心臓が動き出すかもしれん。

そんなこんなで、次に乳児講習も受け(そちらはベテラン消防士さんが担当)
大変ためになるお勉強をいたしました。
「一番大切なのは、心臓マッサージ。
あばら骨が折れることが時々ありますが、それでもやったほうがいい。
まずは脳に酸素を送り込むことが先決です」
いろいろ教えていただきましたが、とにかくコレが基本で最優先だそう。

印象に残ったのが、ベテラン消防士さんの
「病人や怪我人の血液や吐しゃ物を素手で触らないというのは
絶対に守ってほしいことです。
こんなふうに講習を受けていただくのはいいことなのですが、
実際そんな場面に出くわしたとき、少しでも知識があるのだから
自分が助けなくてはいけないという義務感にかられて、
つい血を触ってしまったりする方がいらっしゃいます。
どうか、救助する側の身を守るということもちゃんと考えてほしい」
というお話。
あたりまえのことかもしれないけど、ホントにそのとおりだなと思った。

人を助ける仕事って、ホントに大変だな……と
消防士さんたちを見て思いました。
イケメン消防士さんの腕に巻かれたミサンガを見て、
きっと彼の無事を祈る家族や恋人がいるんだな、とも。
そしてその夜、タイムリーにもドラマ「RESCUE」を見てしまい、
「自分の命をかけて人の命を救おうとする人々」について
あれこれあれこれと、考えてしまう週末でした。