先日(8/20)オンライン講座「音読・声の表現教室」の課題は「落葉松」(北原白秋)。
因みに、表題画像は落葉松林と浅間山。
私を含め常連メンバー5人での講座。
今回は、「落葉松」の1~6まで。
先生ご指導の下、楽しく音読させていただきました。
『落葉松』の初出時は全7節でしたが、大正12年(1923年)発行の詩集「水墨集」において、第8節が追加された現在の形の『落葉松』が掲載されました。
多くの作曲家が『落葉松』の詩にメロディを付け、歌曲として発表しています。
「落葉松」(北原白秋)
一
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
二
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
三
からまつの林の奥も、
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
四
からまつの林の道は、
われのみか、ひともかよひぬ。
細々と通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。
五
からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり。
からまつとささやきにけり。
六
からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのそのまたうへに。
七
からまつの林の雨は、
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。
八
世の中よ、あはれなりけり。
常なけどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。
私の場合は、同名異曲の合唱曲『落葉松』(秋の雨に わたしの手が濡れる)を同時に思い出しました。
「落葉松」(作曲:小林 秀雄、作詞:野上彰)
落葉松の 秋の雨に
わたしの 手が濡れる
落葉松の 夜の雨に
わたしの 心が濡れる
落葉松の 陽のある雨に
わたしの 思い出が濡れる
落葉松の 小鳥の雨に
わたしの 乾いた眼が濡れる
二つの詩の共通点は、寂しい。
どうして
秋だから