久しぶりに、名古屋能楽堂で行われた能・狂言を鑑賞してきました。
1.狂言「隠狸」(かくしだぬき)
・太郎冠者 野村 萬斎
・ 主 野村 万作(人間国宝)
(あらすじ)
太郎冠者が狸を捕るのが上手であるという事を噂で聞いた主人は、その事を太郎冠者に尋ねるが、太郎冠者は「狸など捕ったことはない」と言い張る。
なんとかしっぽを捕まえたい主人は、狸を買いに行かせ、市場で太郎冠者を待ち受ける。
太郎冠者は市場で狸を売ろうとしている所で主人に会い慌てふためくが、酒を勧められると…。
(狸を見つからないようにごまかす太郎冠者と何とか泥を吐かせたい主人の巧妙な駆け引き。和泉流独自の楽しい演目。)
(プログラム参照)
隠狸は和泉流の専有曲。
太郎冠者物の代表的な作品。
主人と太郎冠者の騙しあい(?)絶妙な駆け引きが面白い作品。
酒宴の場面に登場する狂言小舞「兎」「花の袖」「鵜飼」と見どころが満載の曲。
例えば能「鵜飼」の詞章「そこにも見ゆる~」と謡いながら、主人が太郎冠者の腰にある狸を覗き込むようなところなどに使われている。
《兎 小舞》
♪あンの山から~こンの山へ~跳んでで来たるは何ぢゃるろ♪
♪頭にふたつ ふっぷっと 細うて長うて♪
♪ぴんと跳ねたを ちゃんと推した♪
(インターネット調べ)
2.能「土蜘蛛」(つちぐも)
・源頼光 梅若 猶義
・頼光の太刀持 川口 晃平
・胡蝶 松山 隆之
・僧/土蜘蛛の精 梅若 玄祥
(あらすじ)
病に伏せる源頼光。侍女の胡蝶が薬を届けて励ますが、思いは沈むばかり。
やがて、頼光のもとに怪しげな僧が現れ蜘蛛の糸を投げかけるが、頼光に切られ逃げ去る。
頼光の部下が血痕を見つけ、怪物の後を追い葛城山にたどり着く。
すると岩陰の塚から土蜘蛛の精が現れ蜘蛛の糸を投げ頼光をさんざん苦しめるが、格闘の末退治される。
(プログラム参照)
源頼光は、平安時代中期の清和源氏(せいわげんじ)の棟梁で、鬼退治で有名です。この、いわゆる頼光伝説を題材とする能には、「土蜘蛛」のほかに「大江山」「羅生門」などがありますが、いずれも頼光自身ではなく、四天王【渡辺綱(わたなべのつな)、坂田公時(さかたのきんとき)、碓井貞光(うすいのさだみつ)、卜部季武(うらべのすえたけ)】や独武者などの家来が活躍するのが特徴です。頼光伝説の源は、源氏に代々伝わった名剣についての語り物にあるようです。「土蜘蛛」の中でも「膝丸」を「蜘蛛切」に改名したというエピソードが語られています。「土蜘蛛」のみどころは、シテが和紙でつくられた蜘蛛の糸を投げる場面でしょう。現在のように沢山の糸を投げる演出は、明治初期の金剛流家元、金剛唯一が工夫したものと言われています。白い蜘蛛の糸が放物線を描いて宙に浮く様子は、ショー的要素が強く、見た目にも華やかです。
(インターネット調べ)
今回の席は、下手の柱に邪魔されて、時折演者の様子が見えないことがあり、不満の残るものでしたが…。
狂言の野村親子の共演は、圧巻でした。
「ややこしやあ~!ややこしやあ~!」
(以前教育テレビの子供向け番組で流行った野村萬斎さんのせりふ。少し前まで農園オーナーの携帯着メロでした。)
…ではありませんでした!
分かり易く、とても面白かったあ~!
もうそろそろ我が家の干し柿も食べ頃では?
実は、1週間ほど前に試食をしたんですが、渋みが残っているものもあり、食すにはまだ早いような状態でした。
でも、とても甘くおいしかったですよ~!
先ほど干し柿一つずつにブラシをかけたんですが…。
(先日テレビでやっていたのを試してみました。白く粉が吹いてより一層甘くなるそうです。)
さて今度の試食はいつ頃にしようか。
完成が待ち遠しいで~す!
北風の育てし甘さ待ち望み
軒に吊るせし干し柿赤く (Mrs.modest 詠む)