わたしの心 

日々の出来事・感動などを日記にして公開したいと思います。
(管理人:Mrs.modest)

初心、忘るべからず

2009年01月09日 | ミニ知識

今回も、メルマガより拝借

 今年も年賀状にお目見えしていた初日の出の写真や初春の文字。他にも初詣、初夢、初荷、初売り、初出、初もの等、「初」というのは清々しく気持ちの良い印象を受けますね。何事も初めてのことにはときめきを覚えるものです。
 この「初」という字は衣と刀を組み合わせた形です。刀(はさみ)で布を裁ち切って衣を作る。これはひとつの儀礼、儀式で、赤ん坊の産着を作ることを意味しているようです。まるで誕生の時にへその緒を切ってこの世の人生がスタートする象徴のようですね。
 あの篤姫が好んで読んでいたといわれる『詩経』の中に、こんな言葉があります。
 「初めあらざるなく、克(よ)く終わりある鮮(すくな)し」
 これは、はじめはいいが、終わりまで全うできる者は少ない。あるいは、はじめは誰でもやる気を出して仕事に取り組むが、終わりまで持続させる者は少ない、というまさに「初心忘れるべからず」の世阿弥の言葉に相当します。
 最初は調子のいいことを言っていても、次第にできなくなってしまうのは、いろいろな障害が起こるのでしょうが、どんな事が起きようともそれを乗り越えてこそ、大きな実りを手にすることができるはずです。最初からあまり飛ばしすぎずに、マイペースでも最後までやり遂げることが肝心ですね。
 もう一つ<はじめ>という同じ音をもっている字が「始」です。女と台で構成されていますが、「台」は農耕の開始にあたって行う耜(すき)を祓い清める儀礼を表しています。農具は清めてから使用しないと、秋に虫が発生して農作物を食べると考えられていました。
 一方、人の出生も作物の生産と対応するものと考えられたので、耜を清める儀礼がそのまま出産にあたって行う生子儀礼として行われ、女性がム(耜の形)と口(祝詞を入れる器の形)をもって出産の無事を祈ることを「始」といい、
<はじめる、はじまる、はじめ>の意味になっていったようです。
 2009年はスタートしたばかり。「初」も「始」も、新しい命のはじまりを意味する漢字です。今年も目標をもって最後までしっかりやり遂げたいものです。
*詩経…儒教の原点である五経のひとつ。古代の詩歌集。
      西周初期から春秋時代中期までの歌謡三百五首を、
      「風(各国の民謡)」「雅(朝廷の音楽)」「頌(先祖の徳を讃える歌)」の
      三部門に分けて収録している。孔子が最終的に編集したとも言われ
      ている。

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初志貫徹!

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