11月の第2、3週はとても忙しかった。
そうでなくても滞りがちのブログがほんとうにご無沙汰です。
さて10日は群馬県桐生市でおこなわれた、
「シルク・サミット 2011 in 桐生」に行ってきた。
これは農業生物資源研究所や大日本蚕糸会が主催する
毎年おこなわれるイベントで、
私は2006年の富岡、2009年の須坂のときにも参加した。
いつも初日に講演や研究発表があり、翌日は見学会という日程です。
テーマは「どうなるシルク・どうするシルク-蚕糸絹文化の現在・過去・未来-」
今回は日帰りで講演会と夕方からの懇親会に出席。
9月に一緒にパリにいった地元のSさんも参加するということで、
あれ以来の再開を楽しみにして出掛けた。
桐生は歴史や伝統に培われてきた織物の街です。
パネルディスカッションでは若いクリエーター達がその伝統の灯を消さないように、
様々な苦労をしながらも、世界にむけて発信していく姿勢がみえ、
未来への展望がひらけるような気がした。
日本の養蚕製糸の将来を案ずる声は年々悲惨になり、
いったいどうなることかといつも気になっているのだが、
久しぶりに期待がもてるような話しが聞けて、
参加してよかったとおもう。
また会場には「チョップ」といわれるたくさんのシルクラベルも展示されていて、
解説に速水堅曹のことが書いてあったのには、ちょっと驚いた。
このコレクターで実行委員でもあるKさんと話したら、
平成の合併で堅曹の友人である星野長太郎の出身地・水沼が桐生市となった。
堅曹に学んだ星野が水沼製糸所をつくり、そこでつくった生糸が
堅曹、長太郎、楫取知事が相談して渡米させた弟の新井領一郎によって
アメリカで売りさばかれ、評判をよび、
桐生、いや日本の生糸貿易はたいへんに発展した。
そう考えると、堅曹は桐生の恩人でもある、などと言ってくれた。
たしかにいままでは星野長太郎は桐生の人物ではなかったので、
そういう取り上げかたはなかったけれど、
これからは「桐生の」といった視点で評価されることもあるんだ、とおもった。
懇親会ではSさんと積る話をあれこれ語り、
須坂サミットの時に知り合った方たちとの再会もあり、
とても楽しい時間が過ごせた。