先日、母と行った劇団民藝の5月の公演が、小田急線の新百合ヶ丘駅に近い劇場で行われることを知り、同時期にそこから近い川崎アートセンターで、伊福部昭さんの音楽映画が上映されるとのことなので、YouTubeで実際に音楽を聴いていたら、本多猪四郎監督の偉大さに改めて気づきました。本多さんの映画、『ゴジラ』以外も必見かも!
さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず2月19日に掲載された「ございません。」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「モリカケサクラ、ヤジコロナ。赤子泣いても認めるな。そんな標語(ないし念仏)を唱えていそうな安倍晋三政権。
イライラが募るなか、十七日にはサクラ案件が動いた。衆院予算委員会での立憲民主党・辻元清美議員の質問である。辻元議員は2013年、14年、16年の桜を見る会・前夜祭が行われたANAインターコンチネンタルホテル東京との間で交わされた文書を紹介した。この七年間に開かれたパーティーや宴席に関する質問と回答は…。
Q「貴ホテルが見積書や請求明細を主催者側に発行しないケースは」
A「ございません」
Q「個人・団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースは」
A「ございません」
Q「ホテル主催ではないパーティー・宴会で、代金を参加者個人から、会費形式で貴ホテルが受け取ったことは」
A「ございません」
Q「以上について、主催者が政治家や政治家関連の団体であることから対応を変えたことは」
A「ございません」
辻元議員の追及もさすがだったが「ございません」の連打で首相答弁を否定したANAホテルの回答にもシビれた。曖昧な態度で逃げ切りを図ったホテルニューオータニとの差は歴然。これが正常な企業の姿だ。官邸の介入や妨害にも負けないで!」
また2月16日に掲載された「慶田盛安三氏との再会」と題された、前川さんのコラム。
「十三日、沖縄県石垣市へ招かれて講演した。
2011年当時、石垣市、竹富町、与那国町からなる八重山地区は教科書共同採択地区だったが、中学校公民教科書について、石垣市と与那国町が育鵬社版を、竹富町が東京書籍版を採択し、一本化できなかった。当時の文科省は、採択協議会での多数決を根拠に、石垣市と与那国町の採択は適法、竹富町の採択は違法と断じたが、これは完全に誤った判断だった。
第二次安倍政権下では、下村博文文科大臣や義家弘介政務官が竹富町に育鵬社版を採択するように執拗(しつよう)に迫ったが、竹富町が全く折れなかったので、14年3月ついに地方自治法上の是正要求という暴挙に出た。竹富町の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長(当時)を文科省に招き、是正要求に従うよう求めたが、実はその裏で、当時国会提出中の法案が成立すれば竹富町を単独採択地区にできると考えていた。
慶田盛氏にもひそかに真意を伝えたが、面談後の記者会見で慶田盛氏は「全く理解してもらえず残念」と嘆いてみせた。なかなかの演技力だった。法案成立後の五月、沖縄県教委は竹富町を単独採択地区と決定。慶田盛氏は長い戦いに勝利した。
講演会で慶田盛氏と再会し、往時を振り返る対談もした。「竹富町の島々は平和を作る工場」と語る慶田盛氏。尊敬すべき教育者である。」
そして2月23日に掲載された、「子どもたちをよろしく」と題された、前川さんのコラム。
「二十九日から全国で順次公開する映画『子どもたちをよろしく』。文部省の先輩である寺脇研の企画に僕も加わった。監督・脚本は隅田靖。
この映画は、地方都市に住む中学生のいじめと自殺を描くが、学校は出てこない。描かれているのは家庭だ。そこには貧困、暴力、虐待、ギャンブル依存、アルコール依存、対人依存など、さまざまな問題が渦巻いている。その中で苦しむ子どもたち。「普通」の人たちからはその姿が見えず、声も聞こえない。しかし、それは現実なのだ。
背景には現代の日本社会が抱える歪(ゆが)みと人を幸せにしない政治がある。人間が使い捨ての道具のように扱われ、敗者や弱者は「自己責任」として切り捨てられている。人の命や幸せを蔑(ないがし)ろにする政治は、最も弱い子どもたちに最も過酷な状況をもたらし、子どもたちは生きる場所を失う。
「教育勅語」でいじめは解決できない。「親学」で児童虐待はなくせない。憲法に「家族は助け合わなければならない」と書いても、この子どもたちは救われない。
見終わって心が重くなる映画だ。幸福感や爽快感は得られない。でも目を背けずに見てほしい。この子どもたちのために何ができるのか。この社会をどう変えたらいいのか。人を幸せにする政治を、どうしたら取り戻せるのかということも。」
どの文章も謹聴に値すると思います。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず2月19日に掲載された「ございません。」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「モリカケサクラ、ヤジコロナ。赤子泣いても認めるな。そんな標語(ないし念仏)を唱えていそうな安倍晋三政権。
イライラが募るなか、十七日にはサクラ案件が動いた。衆院予算委員会での立憲民主党・辻元清美議員の質問である。辻元議員は2013年、14年、16年の桜を見る会・前夜祭が行われたANAインターコンチネンタルホテル東京との間で交わされた文書を紹介した。この七年間に開かれたパーティーや宴席に関する質問と回答は…。
Q「貴ホテルが見積書や請求明細を主催者側に発行しないケースは」
A「ございません」
Q「個人・団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースは」
A「ございません」
Q「ホテル主催ではないパーティー・宴会で、代金を参加者個人から、会費形式で貴ホテルが受け取ったことは」
A「ございません」
Q「以上について、主催者が政治家や政治家関連の団体であることから対応を変えたことは」
A「ございません」
辻元議員の追及もさすがだったが「ございません」の連打で首相答弁を否定したANAホテルの回答にもシビれた。曖昧な態度で逃げ切りを図ったホテルニューオータニとの差は歴然。これが正常な企業の姿だ。官邸の介入や妨害にも負けないで!」
また2月16日に掲載された「慶田盛安三氏との再会」と題された、前川さんのコラム。
「十三日、沖縄県石垣市へ招かれて講演した。
2011年当時、石垣市、竹富町、与那国町からなる八重山地区は教科書共同採択地区だったが、中学校公民教科書について、石垣市と与那国町が育鵬社版を、竹富町が東京書籍版を採択し、一本化できなかった。当時の文科省は、採択協議会での多数決を根拠に、石垣市と与那国町の採択は適法、竹富町の採択は違法と断じたが、これは完全に誤った判断だった。
第二次安倍政権下では、下村博文文科大臣や義家弘介政務官が竹富町に育鵬社版を採択するように執拗(しつよう)に迫ったが、竹富町が全く折れなかったので、14年3月ついに地方自治法上の是正要求という暴挙に出た。竹富町の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長(当時)を文科省に招き、是正要求に従うよう求めたが、実はその裏で、当時国会提出中の法案が成立すれば竹富町を単独採択地区にできると考えていた。
慶田盛氏にもひそかに真意を伝えたが、面談後の記者会見で慶田盛氏は「全く理解してもらえず残念」と嘆いてみせた。なかなかの演技力だった。法案成立後の五月、沖縄県教委は竹富町を単独採択地区と決定。慶田盛氏は長い戦いに勝利した。
講演会で慶田盛氏と再会し、往時を振り返る対談もした。「竹富町の島々は平和を作る工場」と語る慶田盛氏。尊敬すべき教育者である。」
そして2月23日に掲載された、「子どもたちをよろしく」と題された、前川さんのコラム。
「二十九日から全国で順次公開する映画『子どもたちをよろしく』。文部省の先輩である寺脇研の企画に僕も加わった。監督・脚本は隅田靖。
この映画は、地方都市に住む中学生のいじめと自殺を描くが、学校は出てこない。描かれているのは家庭だ。そこには貧困、暴力、虐待、ギャンブル依存、アルコール依存、対人依存など、さまざまな問題が渦巻いている。その中で苦しむ子どもたち。「普通」の人たちからはその姿が見えず、声も聞こえない。しかし、それは現実なのだ。
背景には現代の日本社会が抱える歪(ゆが)みと人を幸せにしない政治がある。人間が使い捨ての道具のように扱われ、敗者や弱者は「自己責任」として切り捨てられている。人の命や幸せを蔑(ないがし)ろにする政治は、最も弱い子どもたちに最も過酷な状況をもたらし、子どもたちは生きる場所を失う。
「教育勅語」でいじめは解決できない。「親学」で児童虐待はなくせない。憲法に「家族は助け合わなければならない」と書いても、この子どもたちは救われない。
見終わって心が重くなる映画だ。幸福感や爽快感は得られない。でも目を背けずに見てほしい。この子どもたちのために何ができるのか。この社会をどう変えたらいいのか。人を幸せにする政治を、どうしたら取り戻せるのかということも。」
どの文章も謹聴に値すると思います。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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