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斎藤美奈子さんのコラム・その51&前川喜平さんのコラム・その12

2020-02-17 00:29:00 | ノンジャンル
 本日は、アルフレッド・ニューマンさんの51回忌にあたる日です。アルフレッド・ニューマンは多くの映画の映画音楽を書いており、遺作は私の大好きな映画『大空港』の音楽でした。メイン曲とラブ・テーマどちらも素晴らしい曲で、『大空港』を見るたびに彼の偉大さに舌を巻いています。改めて彼のご冥福をお祈りし、多くの名作映画の曲を書いてくれたことに関し、感謝しておきたいと思います。

 さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず2月5日に掲載された「政党ぎらい」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「二日の京都市長選。自民、公明のほか、立憲、国民、社民の各府連が推す現職の門川大作候補が約21万票で当選。共産とれいわが推薦する福山和人候補は、約16万票で敗れた。
 とはいえ相乗り批判も当然あり、朝日新聞の出口調査では立憲支持者の約5割が福山候補に流れている。これには選挙期間中(1月26日)、門川候補の選挙母体が京都新聞に出した広告も影響したかもしれない。
 キャッチコピーは「大切な京都には共産党の市長は『NO』」。悪質なビラみたいな文言に加え、下に名前と顔を出された推薦者には事前の了解をとっていなかったことも判明し、多くの批判が噴出した。対する福山陣営が30日に出した広告は「大切な京都だから全ての市民の声を聴く市長に『YES』」。なかなかオシャレな対応だった。
 しかしまあ、負けは負けである。今後の教訓はどこにあるのだろう。
 国政はともかく地方の首長選の場合、政党色が足をひっぱってはいないか。何党であれ、党の要人が選挙カーの上にずらりと並ぶ光景が(東京の著名人の推薦演説も)正直私は好きではない。候補者と政策本位で行くなら支援者は地元の市民団体だけでよくない? 推薦なしで戦った村山祥栄候補が約9万5千票と善戦したのもそれを物語っている。無党派層は政党が嫌い。だから無党派なのだ。」

 さらに2月12日に掲載された「客船の2次災害」と題された斎藤さんのコラム。
「この国の人権に関する感度はこんなに鈍くていいのだろうか、と思わざるを得ない。新型コロナウイルスの水際作戦として3日から横浜港に停泊しているクルーズ船。船内の劣悪な環境が明らかになるにつれ、疑問は膨らむばかりである。
 あれでは船内での感染がむしろ広がるのではないか。なぜすみやかに全員検査を実施しないのか(香港では同規模の船の検査が数日で終了したのに)。せめて必要な数の医師や看護婦を船内に派遣すべきではないか。国内でも感染がはじまっている可能性が高い以上、水際作戦の効果はどこまで期待できるのか。いずれにしても、あれじゃ健康な乗員や乗客でも病気になりかねない。
 台風や地震などの災害の際、いつも問題になるのは二次災害である。東日本大震災関連死者は約三千七百人。2016年の熊本地震では、直接死者五十人の四倍に当たる二百十五人の災害関連死が出た。犠牲者のほとんどは高齢者。劣悪な避難所の環境に起因するストレスや持病の悪化、肺炎などが原因だ。
 ダイヤモンド・プリンセス号のHPでは「日本生まれの大型客船」「究極のおもてなし」としてハイクオリティーな設備やサービスが強調されている。ここで日本ご自慢の「おもてなし」が発揮されれば評判は上がるのに現実は逆だ。国の底力は緊急時にこそ試されるのに。」

 そして2月9日に掲載された「検察人事の私物化」と題された前川さんのコラム。
「国会で追及が続く桜を見る会の前夜祭。「主催」は後援会だが「契約」は参加者個人。五千円の価格やキャンセル料の扱いは事務所が「合意」したが「契約」ではない。明細書の宛名は「営業の秘密」だから明かさない。これらの答弁は全く合理性を欠き、安倍首相は説明不能の状態に追い詰められている。政治資金規正法違反と公職選挙法違反の疑いはいよいよ深まる。
 そんな中、黒川弘務東京高検検事長の定年延長が閣議決定された。次の検事総長に任命するためだと思われるが、検察庁法違反の疑いもある異例の人事だ。検察内部では林見琴名古屋高検検事長が次期検事総長の本命候補だという。僕は両氏とも如才ない能吏、林氏は冷静な理論家という印象だ。安倍政権にはどうしても、官邸に近い黒川氏を検察トップに据えたい訳があるのだろう。
 同様の「異例の人事」は文科省でも起きた。藤原誠君は2018年3月末が官房長の定年だったが、異例の定年延長を受け、10月に事務次官に就任した。本命の小松親次郎文科審議官は退官した。藤原君は官邸に極めて近い人物、小松君は官邸と距離を置く人物だった。
 検察も教育行政も政治的中立性が不可欠な分野だ。検察が政権に私物化されれば、「首相の犯罪」は決して暴かれることがないだろう。」

 どの文章も、問題点を的確に、また分かりやすい表現で指摘している名文だと思いました。

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