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森崎東監督『ペコロスの母に会いに行く』その3

2015-01-16 12:53:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「長崎はすぐに高いところに登れて、全部を見渡せる」と話すユーイチとマサキ。
 ユーイチが来ると、光江は「悪もんが来た!」と叫び、頭を見せても叫び続けます。光江の寝姿を見ていたユーイチは職員の責任者(根岸季衣)に「また元に戻りますよ」と慰められますが、マンガで光代のスケッチを書いているうちに、泣けてきます。目覚めた光江は「泣かんどって、ユーイチ」と言い、ユーイチの頭を抱きます。
 本田に飲みに誘われたユーイチは、双方の父が大酒飲みでケンカっ早かったが大好きだったという点で話が合い、昔の不思議な体験を話します。「真夜中の埠頭に母と2人、荒れ狂う真っ暗な海を長いこと見つめていた時、ちーちゃんからの手紙が母に届けられ、母は自殺を思いとどまった。なぜあんな所に手紙が届けられたのか分からない」と言うと、本田は酔っぱらってカツラがずれたまま寝ています。
 別の施設に移ったユリさん(正司照江)に会いに行った光江でしたが、ユリさんが声をかけてもボーっとしたままです。
 風呂上がりの光江に、ユーイチはチラシを見せ、「ランタンフェスタに皆で行こう」と言いますが、無反応です。
 ランタンフェスタには光江の妹2人も同行しますが、光江はボーっとしたままです。たまたま会った本田は「母が言うことを聞いてくれるようになった」と言って、カツラを取った頭を見せ、「今は自分が坂本先生と呼ばれている。母が好きだった人は女学校時代の憧れの本田君で、自分の父だ」と言います。やがて光江の2人の妹がいなくなり、ユーイチたちは捜しにいきます。光江の回想。ちーちゃんからの手紙には「生きとかんばと思った」と書かれていて、それを読んだ光江は泣き、ユーイチを抱きしめます。2人の妹は見つかりましたが、今度は光江が消えます。光江の回想。赤線街を訪ねた光江は、千江子が既に死んでいることを知らされ、同僚は「ピカドンで体の中をやられていたんだろう。死んだ後、枕の下から出てきた手紙を私が送った」と言い、千江子が光江からの手紙と写真を取ってあった缶を見せられます。一緒に聞いた合唱の歌を歌い、泣きながら帰る光江。ランタンフェスタをさまよう光江。回想の中の光江は慟哭します。マサキはやっと光江を見つけます。黄色い提灯の列を楽しげに見つめる光江。幼い千江子と大人になった千江子と夫が後ろから寄り添います。振り返った4人をマサキは写真に撮ります。「母ちゃん、よかったな」と言うユーイチ。
 さくら館。「よか天気ねえ」と言って、光江の車椅子を押すユーイチは、乳母車とすれ違うと、それを押す母と挨拶します。「ぼけるとも悪かことばっかりことじゃなか」とユーイチが言って、映画は終わります。

 画面構成で見せるというよりも、演出の映画だと思いました。ラストシーンでは少しジーンとしたことも付け加えておきたいと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/