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山田詠美『4 Unique Girls(フォー・ユニーク・ガールズ) 人生の主役になるための63のルール』

2015-01-03 14:21:00 | ノンジャンル
 山田詠美さんの’14年作品『4 Unique Girls(フォー・ユニーク・ガールズ) 人生の主役になるための63のルール』を読みました。幻冬社発行の月刊誌『GINGER』の連載『4 Unique Girls』(2009年5月号~2014年8月号)を詠美さんが加筆・修正してできた本です。
 いくつか内容を引用させていただくと、「ユニークという言葉、決して一人称で使うなかれ。私ってユニークなの、と言った途端、私って個性的なのお、と吹聴するお馬鹿さんに成り下がってしまうからね。これは、あくまで、他人の口から出るべきもの」、「そう、ある程度の年齢を重ねて来た女が目指すべきは、磨く女ではなく、磨かれた女である」、「昔、夜遊びが命だった若い頃、仲間にとてつもなく前向きな女がいた。その明るさは少なからぬ人々をとりこにしていたが、私はしらじらしさを感じて敬遠していた。(中略)ある時、十数年ぶりに再会した。そして、ようやく好きになれた。二度の離婚を経た彼女には、『憂い』という大人だからこそ許される化粧がほどこされていた。ポジティブであればいいってもんじゃないと痛感した次第」、「理想の男性は? と尋ねられて、価値観の合う人、と答える女は多い。たいていの人々は好きなものの価値観を基準としている(が)、私はむしろ嫌いなものの価値観の一致を求めたい」、「無為徒食の日々を送っている(中略)私も、驚きと感動と緊張のあまりに背筋を伸ばしてしまう瞬間が定期的にやって来る。新刊のサイン会である。(中略)終わるやいなや出来たてほやほやの幸福に溺れて、すっかりいい気になってるのである。私は、これを「鋏を入れた状態」と呼んでいる。淀んだ自分をすっぱりと切り離した心持になれるから。私に、鋏を入れてくれるのは、いつも列に並ぶ目の前の方々。とりわけ、お洒落した別嬪さんたちである。こんなに綺麗な人たちが自分の小説を愛してくれているなんてと、小説家冥利に尽きる光景に、私の息は詰まりそう。メイクアップもアウトフィットも、美しい上に個性的。まさに、ユニークガール勢揃いである。何よりも目が良い。澄んだ水を張ったように潤んでいる」、「本当のことを言うと、やはり携帯電話(もしくはスマートフォン)を必需品としている人々と、そうでない自分は違うんだなあ、と感じる時もある。それは孤独との馴れ合い方。(中略)着信をチェックする習慣がないということは、誰かからの連絡をあらかじめ何も期待していないのと同じである。そして、自分も誰からも期待されていないと思うことである。私には、これが嬉しい。(中略)でもそれは寂しさを呼び寄せる本物のひとりぼっちではなく、今、この時だけ、自ら選びとった偽物のひとりぼっちなのである。敬愛する田辺聖子さんの小説の題名を借りるなら『お気に入りの孤独』というところか」、「でもね、この間、益田ミリさんの『すーちゃん』という漫画を読んで、いたく感じてしまったの。(中略)若い人に『若さ』の優越感を持たせるのは大切だと思う。何故なら、自分も若い時にそうされて嬉しかったからだ、と。若さを羨ましがられるのが嬉しいのは、自分に未来があると思えるからだ、と」、「瀬戸内(寂聴)さんは、あらゆる人々にとっての『先輩』のプロである。(中略)詠美さんと会うと色々教えてもらえて得しちゃうと笑った瀬戸内さん、御年九十二歳。『先輩』のプロは『後輩』のオーソリティでもある」、「フランソワーズ・サガンが、あなたにとってお金とは何ですか、とインタビューされた時、彼女は、雨の日にバス停に並ばなくてすむ程度のもの、と答えていた。数年前、私も同じ質問をされた。そして、私は、こう答えた。好きな人が困っている時に助けてあげられる便利なもの。格好付け過ぎ? でも、私は、本当にそう思っているのである」、「目標のない節約は、時に人をみすぼらしくするので、充分注意するように。(中略)、ただ飯を食うなら、人にもただ飯を食わせなくっちゃ」、……。

 詠美さんのいつものエッセイと同じく、一気に楽しく読ませていただきました。なお、上記以降の主な内容については、私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)の 「Favorite Novels」の「山田詠美」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/