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ジョン・フォード監督『四人の復讐』その2

2011-08-03 05:08:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 「マルランダ そこは南米の奥地の小さな王国。武器商人たちの陰謀で地元民らによる反乱が起きようとしていた」の字幕。ラブランド元大尉と知り合いだったリンのおかげで、ブエノスアイレスを出発する富豪ファノイの船に乗ることができたワイアットらは、マルランダに到着します。リンはラブランド元大尉を誘って強引に上陸し、怪しいトーレス将軍の後を追うと、将軍は実は地元民の反乱を指揮するリーダーで、富豪のファノイから反乱に必要な武器を手に入れていました。するとそこへ植民地軍の将軍セバスチャーニ(ジョン・キャラダイン)が現れ、トーレス将軍を反乱軍のアジトから連れ出して銃殺すると、不良品の武器で蜂起した地元民たちをも機関銃で皆殺しにしてしまいます。
 阿鼻叫喚の混乱の中、ジェフリーは植民地軍に捕まりますが、同房の男から、アトラス兵器という会社がミュロス島に武器倉庫を持っていること、その会社が政府軍・反乱軍の両方に武器を売って荒稼ぎしていることを聞き出します。
 リンによって助け出され、ブエノスアイレスに戻ったジェフリーは、クリスとともにラブランド元大尉を尋問し、黒幕の名前を聞き出そうとしますが、ラブランドは黒幕の名前を告げようとしたところを何者かに射殺されてしまいます。
 ジェフリーらはすぐにジェリシェトルヒにいるワイアットらに連絡し、知り得たことを告げると、アトラス兵器の社長がリンの父親であることが判明します。それを知ったリンは単身ブエノスアイレスを去り、アレキサンドリアにいる父の元を訪ね、父のチェリントン(バートン・チャーチル)に真相を明かすように言うと、父は敵味方両方に武器を売っていたことをあっさりと認め、戦争をする愚かな人間のことを非難し、そのような愚かな人間がお互いに殺しあえば、世の中は今よりも良くなるのだと言って、自己の正当性を主張しますが、民衆の虐殺を目の前で見て来たリンは、父の考えに反対し、これからは父と戦うことを宣言して父の元を去ります。
 アレキサンドリアに集まった4人兄弟でしたが、陰謀を証明する物証がなく、やむなくリンの協力を仰ぎます。リンに先導された4人はチェリントンに直談判に行くと、チェリントンは自分は実質的な経営にはタッチしていないこと、ドレイク大尉らの殺しにもまったく関与していないこと、そしてすべての黒幕は富豪のファノイであることを彼らに教えます。アレキサンドリアに来ていたファノイの船に侵入した4人は、ファノイを軟禁することに成功し、すべてを自白させ、自白調書に署名させます。そしてラスト。父の無実が証明され、国王から父へ贈られた勲章を手にした4人の兄弟は、リンを中心として堂々と行進していくのでした。

 ストーリーが錯綜し、せっかくの豪華なキャストが生かしきれていない感じはありましたが、反乱軍を虐殺するマシンガンの恐怖は、ホークスの『Air Force』での火を吹く機関銃を彷佛とさせる見ごたえのあるもので、その他にも艶やかさな白黒画面がところどころで見られるなど、捨てがたい小品でした。第二次世界大戦前夜の'38年に撮られた映画としても感慨深い、そんな映画だったと思います。