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角田光代『対岸の彼女』

2007-02-09 17:16:41 | ノンジャンル
 昨日テレビに「新ブログの女王」として、見た事も聞いたこともない、セーラームーンのコスプレもするというタレントが出ていました。ということは真鍋かをりは「旧ブログの女王」になっちゃったのか、と思っていたら、今日の朝日新聞の朝刊に、バレンタイン・チョコの簡易包装キャンペーン&マイ・バッグキャンペーンに顔を出していました。ブログの次ぎはエコですか。この人、ほんとに世渡りがうまいなあ、と感心しました。

 ところで、角田光代さんが第132回直木賞をとった「対岸の彼女」を読みました。1章ごとに小夜子の現在と葵の過去の人生が交互に語られ、最後に解け合います。あらすじは、次のようなものです。
 あかりを産んだ小夜子は、公園でグループを作る母親たちにとけ込めず、子供も公園で一人遊びをする始末です。子供の社会性をつけようと、保育園に入園させようとし、自分も映画の配給会社に入社できます。社長の葵はざっくばらんな性格で小夜子と気が合いますが、配置されたのは、会社の経営が苦しく新しく始めた清掃業でした。
 中学でいじめに会い、高校は母の実家がある群馬の女子高に入学した葵は、無個性な子が集まるグループに入りますが、すぐ友達になったナナコは様々なグループを渡り歩きます。
 研修で清掃業者の典子に鍛えられる小夜子は、典子から異種業親睦会に誘われます。
 冒頭では、葵とナナコ、葵と母の交流が語られます。後半で一人ずつ次々に虐めの対象になるクラスの風潮が語られますが、ナナコは気にせず、葵と変わらず河原で語り合います。
 あかりの保育園がようやく決まり、小夜子の仕事も順調で、独身の葵と人生について語り合います。
 高2の夏、ナナコの複雑な家庭環境が理由でいじめが始まり、葵とナナコは夏休みに伊豆のペンションで働きリフレッシュします。しかし、仕事が終り家へ戻る電車にナナコはどうしても乗らず、「帰りたくない」と言い、葵も行動を共にします。
 典子の研修が終った後、小夜子がリーダーになることになり、自宅のプリンタでチラシ作りをします。
 ナナコの家の乱雑さを思い出しながら、葵はナナコと大磯のラブホテルで一泊し、仕事を探しに来た横浜のディスコで食事をすまし、ラブホテルで泊まる生活を続け、ついに葵はカツアゲをし、屋上で語り合っていた二人は、葵が「ずっと遠くへいきたいね」といい、ナナコが「飛んでみようか」と答え、二人で手を繋いで飛び下りてしまいます。
 小夜子は自分が働くことで夫と口論しますが、清掃業の方は準備が順調に進んで行きます。
 葵は病院で目を覚まし、2週間ほどで退院し、家で見つけた記事で、レズの女子高生の心中としてマスコミに報道されたことを知り、ナナコの行方を探るが分からず、働きづくめの母に「何が不満なの」と激怒されます。
 あかりの運動会の最中に、清掃業の最初の依頼が来て、小夜子は大喜びします。葵は初仕事の前祝いということで、前から言ってた温泉に行かないか、と小夜子を誘い、あかりも連れて連休を使って行く事にします。葵は泊まって行こうと言いますが、主婦の小夜子は誘いを断ります。
 飛び下り以来、学校を休んでいた葵は終業式には出ます。終ると校門で個人タクシーをしている父が待ってくれていました。父はナナコに会わせてくれます。二人は久しぶりに言葉を交わし、また別々の道へと向かわされます。
 小夜子がリーダーの清掃業は同僚が文句を言い始め、3人が辞表を出し、葵はせっかく軌道に乗り始めた清掃業を止めると言い出します。そして別れ際、小夜子は葵に自殺未遂の後の話を尋ねます。
 ナナコのいなくなった学校へ相変わらず葵は通います。ナナコからの手紙は来ず、大学に進学しても、19歳の誕生日も、何の連絡も来ません。人と関わることに疲れてきたところに現れたのが、同じ大学を卒業した小夜子でした。
 年末、あかりと過ごす小夜子。葵の家を訪ねると、机の上にはナナコからの手紙がありました。
 以上、段落ごとに章の内容をまとめたのですが、分かったでしょうか? 実際に読んでいても小夜子と葵のキャラクターがごっちゃになることが何回かありました。面白い試みだとは思います。
 この小説で一番私が気に入ったのは、あかりちゃんの描写でした。言う事、やる事かわい~。目の前にいたら、抱き締めてあげたいぐらい、かわいかったです。小説自体より、そっちに惹かれました。