gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

宮崎誉子「少女@ロボット」

2006-12-22 17:06:03 | ノンジャンル
 今日も朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の中で、青山ブックセンターHMV渋谷店の店員さんが推薦していた宮崎誉子さんの「少女@ロボット」を紹介します。9つの短編からなる短編集です。
 第一話「クローバー」は、ろくでもない職場ばかりを渡りあるく主人公の女性が、変な少女に出会う話。第二話「秋彼岸」は、おはぎ屋で働く主人公と先輩のやりとりと、その合間に語られる母と弟との交流。第三話「マウスピース」は、昼は歯科助手、夜はスナックで働き、人のためになる仕事がしたいと看護師をめざす女性の暮らし。第四話「少女ロボット(A面)」は、様々なキャラクターが登場するも、だるい女子高生の日常。第五話「カメレオン(B面)」は、写真屋で働く女性の日常と、最後には優柔不断な店長にキレ、ボコボコに殴られるところを、彼女をモデルにして写真をとる少女に撮られる話。第六話「子供だよ!全員集合」は、小学校の女性の先生が、イジメられっ子の妹を持つませた男子、イジメられる女子、世間知らずの子らとの交流の中で、自分の未熟さを思い知らされる話。第七話「ロッカールーム」は、お嬢さん育ちで使い物にならない新入社員の話。第八話「魚眼レンズ」は、会社が倒産してマンガを描いて生計を立てる事になった男が、フリーカメラマンの彼女と出会い、最後には弟が目の前で車で人を轢く、という話。第九話「プライドドリル」は、父が痴漢の冤罪を苦に12才の時に自殺し、翌年には母が男と家を出て行き、残された14才の少年が、年をごまかし、デジタルフォトショップで働く日常と、父の冤罪の原因を作った女との再会。
 久々に大好きな小説と出会えた気がします。推薦してくれた店員の方は、「リズミカルな文体は、好き嫌いが分かれるかもしれない」と書いてらっしゃいましたが、私はノリノリで読みました。特に第八話の主人公とフリーカメラマンの彼女のやりとりは、みごとなノリツッコミで、読んでいるだけで楽しかったです。話としては、「子供だよ!全員集合」が好きでした。「マウスピース」は最後のオチが最高でした。宮崎誉子(「たかこ」と読むのだそうです。)さんの作品はこれからも読んでいこうと思います。「少女@ロボット」の詳しい話は、「Favorite Novels」の「宮崎誉子」の欄をご覧ください。まだ読まれてない方には、力を入れてオススメします。