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バイオミミクリー?

2006-12-09 18:32:29 | ノンジャンル
 少し前の朝日新聞の夕刊に、虫の持つ特性を利用して商品開発を行っている企業がある、という記事がかなり大きく載っていました。
 一つ目の例として挙げられていたのが、アワフキムシの泡の特性を応用して、INAXが超節水型「フォーム(泡)バス」を作ってグッドデザイン賞をもらったというもので、液体せっけんと50度の湯をかき混ぜ、パイプから空気を送り込んで泡立てることにより、通常の浴槽が必要とする180~200リットルのお湯が、6~8リットルで済むのだそうです。
 二つ目の例として挙げられていたのは、タマムシの発色原理を応用して、中野科学が七色に光るカラーステンレス製品をつくったというもので、ナノサイズの粒子が並ぶ多層構造のタマムシが、光りの反射や屈折が相互に影響し合う干渉作用で七色に光ることを参考にして、ステンレスの表面を覆う酸化皮膜の厚さを0.1~0.3マイクロメートル(1マイクロメートルは千分の1ミリ)の範囲で変え、様々に発色させる技術を確立させたそうです。
 三番目の例は、モルフォチョウの発色原理を応用して、帝人ファイバーが染料を使わず発色する「モルフォテックス」を作ったことで、モルフォチョウの羽がたんぱく質の層と空気の層が何重にも重なっているので、そこに光があたると、独特の反射の仕方で鮮やかに輝くことをヒントに、屈折率の違うポリエステルとナイロンを交互に61層も重ねて(1層の厚さは70~100ナノメートル。ナノは10億分の1)、素材が切り替わる境界面で光の一部が反射するようにし、透明感ある色合いが出るようにしたそうです。
 この記事では名前こそ出てきませんでしたが、まさに「バイオミミクリー」の実際例ですよね。自然界にもともとあった生物の特性を利用して、自然に優しいものを作って行く。これからこうした研究が中心になっていくことを願わずにはいられません。