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華恵『本を読むわたし』

2006-12-13 17:14:32 | ノンジャンル
 新刊「通天閣」が刊行された西加奈子さん推薦の本、華恵(はなえ)さんの「本を読む私」を読みました。著者は1991年生まれといいますから、現在15才です。
 生まれて初めて買ってもらった本「I Like Me!」の話から始まり、「Duputy Dan and the Bank Robbers」「Goodnight Moon」ではこの2册の本にまつわる祖母の思い出を語り、「Medeline」、「Yo! Yes?」、「Green Eggs and Ham」、きつねの話「てぶくろを買いに」「きつねとぶどう」、「はせがわくんきらいや」、「ぼっこ」、「シューマン」までは、その本にまつわる話がやはり語られるのですが、その後はその本を読んだ時期の自分の人生を語るようになり、「小さき者へ」では塾仲間で父のことを「オヤジ」と呼ぶ親友との話、「ココナッツ」では山下君という秀才と中学受験の話、「卒業」では、中学の入学式と最初の夏休みの祖父との思い出、「非色」では、人種差別を体験する話が最後に語られます。
 とても15才が書いた文章とは思えないしっかりとした文章で、内容も著者の思いがストレートに伝わる内容で、とにかく驚きました。また「小さき者へ」と「卒業」は重松清氏の作品なのですが、私が読んだ「その日のまえに」を考えても、小学生高学年から中学生で重松清氏が大好きというのは、彼の作品を読みこなすこともすごいし、それが好きと言える感性もすごいと思いました。
 自分が気に入って最初に買ってもらった本が「I Like Me!」(私は私が好き!)なのですから、プラス思考で生きて行くことが運命づけられている人なのかもしれません。その本の中には「私には大親友がいる。それは私!」というフレーズもあり、とにかく自分のすることは全て好きなのですから、無敵です。
 6歳の途中までアメリカで育ち、その後日本で生活している著者。これからどんな本を書いてくれるのか、楽しみです。