広尾TCと言えば、一口馬主クラブのジャンルでは一応“バイヤー系”というカテゴリに属しています。
ただし近年は、クラブで活躍した牝馬を繁殖に上げて提携牧場に預託し、産駒のなかで出来の良い馬は再びクラブで募集するというサイクルも確立されており、いわゆる牧場系クラブの良いところも取り入れられています。
今回の展示会では、クラブの預託繁殖馬の情報を会員に提供するのも目的のひとつだったようですが、参加者(私だけじゃないと思います)にとって、これはとても有り難い企画でした。
繁殖として実績があるおなじみの牝馬、これから初産駒が誕生してくるピチピチの新米繁殖馬などを実際に見ることが出来ましたし、来年、再来年の募集ラインアップに入るであろう当歳馬やお腹の中にいる仔の話まで聞けて、非常に興味深かったし、1年後、2年後がまた楽しみになりました(^_^)
ということで、まずは木村秀則牧場で見学した繁殖牝馬のラインアップを紹介します。
■ベイビーローズ
父:シングスピール 母父:Mr. Prospector
現役時代20戦1勝
*現在ネオユニヴァースを受胎中(ネオユニヴァースは出資会員のアンケートで決定)

■グレイスフルソング
父:ロックオブジブラルタル 母父:Sadler's Wells
現役時代30戦3勝、祖母はBallade
*現在キングカメハメハを受胎中

■ウェルシュステラ
父:Zafonic 母父:Sadler's Wells
現役時代37戦3勝、産駒にステラリード、ジョビアーレ、ゴッドフロアー
1歳は父スペシャルウィーク(募集中)、当歳は父ディープインパクト(募集中)
*現在ハーツクライを受胎中

■スターリーヘヴン
父:サンデーサイレンス 母父:Caerleon
現役時代39戦6勝、産駒にソウルオブエイチ、バルカポケット
*現在クロフネを受胎中

■スイートマカロン
父:Tale of the Cat 母父:Distant View
現役時代7戦1勝
*当歳は父カネヒキリ、現在キンシャサノキセキを受胎中

■レフィナーダ
父:サンデーサイレンス 母父:Nijinsky
現役時代27戦2勝、祖母にSex Appeal、産駒にフォルビート(募集中)、1歳は父グラスワンダー(募集中)
*当歳は父エンパイアメーカー、現在カジノドライヴを受胎中

■ラズベリータイム
父:フジキセキ 母父:Caerleon
現役時代18戦3勝、近親にブリッツェン、1歳は父クロフネ(初子・募集中)
*当歳は父ジャングルポケット、現在ワークフォースを受胎中

■ミスペンバリー
父:モンジュー 母父:ハイエステイト
現役時代7戦0勝、産駒にエタンダール、クリサンセマム、トロワフィーユ
*現在ディープインパクトを受胎中

■ポリーマグー
父:タバスコキャット 母父:Caerleon
現役時代7戦0勝、祖母にスタネーラ(ジャパンカップ(G1))、1歳は父ゴールドアリュール(募集中)
*当歳は父カネヒキリ、現在カネヒキリを受胎中

一気に9頭の繁殖牝馬を紹介しましたが、来年募集の可能性がある当歳馬をまとめると次のようになります。
◇ 父カネヒキリ × 母スイートマカロン(母父Tale of the Cat)
◇ 父エンパイアメーカー × 母レフィナーダ(母父サンデーサイレンス)
◇ 父ジャングルポケット × 母ラズベリータイム(母父フジキセキ)
◇ 父カネヒキリ × 母ポリーマグー(母父タバスコキャット)
いやいや、来年の募集ラインアップはなかなか面白い顔ぶれになりそうです。
特に父エンパイアメーカーのレフィナーダの仔。ここだけの話ですが、この馬には既に生産担当のKさんがベタ惚れで、小声ですごく嬉しそうにこんな自慢をしてくれました(笑)
「今回募集されている1歳の姉(父グラスワンダー)もとてもいいけれど、当歳の方は更に軽くて素晴らしい動きをする、芝で良さそうな馬ですよ!」
とまあそういうことなので、もしもこの馬が無事に募集されたら要チェックですね。
ちなみにエンパイアメーカーは馬産地での人気が高いそうで、Kさんによれば、「産駒の出来が凄く良いので、種牡馬として爆発するのではと思っている生産者が多い…」のだそうです。
ついでなので、来春産まれるであろう未来の当歳馬(現在受胎中)ラインアップも確認しておきます(笑)
◇ 父ネオユニヴァース × 母ベイビーローズ(母父シングスピール)
◇ 父キングカメハメハ × 母グレイスフルソング(母父ロックオブジブラルタル)
◇ 父ハーツクライ × 母ウェルシュステラ(母父Zafonic)
◇ 父クロフネ × 母スターリーヘヴン(母父サンデーサイレンス)
◇ 父キンシャサノキセキ × 母スイートマカロン(母父Tale of the Cat)
◇ 父カジノドライヴ × 母レフィナーダ(母父サンデーサイレンス)
◇ 父ワークフォース × 母ラズベリータイム(母父フジキセキ)
◇ 父ディープインパクト × 母ミスペンバリー(母父モンジュー)
◇ 父カネヒキリ × 母ポリーマグー(母父タバスコキャット)
現在受胎中の馬は、まずは無事に産まれてくることが大事です。
あれやこれやと今から言っても始まりませんが、Kさんから聞いたエピソードなどを差し支えない範囲で。
まず、この世代が初産駒となるグレイスフルソングは、その血統背景や身体つきから、「広尾TCのこれからの基幹繁殖になるのでは」というほど期待をされています。
初年度に用意した種牡馬もキングカメハメハと文字通りエース級ですし、既に、「来年はサンデー系をつけてみたい」という話が出るほどで、牧場サイドもこの馬には大きな夢を託しているようです。
何かと話題のウェルシュステラは再びハーツクライを受胎しています。
実は、今の1歳(ウェルシュステラ’11)の出来があまりにも良かったので、種付時にはスペシャルウィークを3度もチャレンジしたのだそうです。
それが、最近のスペシャルウィークは受胎率が悪くていずれも不受胎。次善の選択となったのが、やはり出来が良かったゴッドフロアーをイメージしてのハーツクライだったそうです。
(もちろん、時期的にディープインパクトなどは残っていなかったのでしょうが。。)
現役時代の成績から大きな期待を寄せられたスターリーヘヴンですが、繁殖としてはソウルオブエイチとバルカポケットがいずれも未勝利に終わっています。ですが、Kさんは、「この馬にはまだまだ期待しています。今まで結果が出ていませんが、2年間お腹を空けた次の馬こそ何とか…という気持ちです」とのこと。
私たちは結構気楽にああだこうだと言いますが、実際に馬に携わる皆さんにとっては切実なんですね…。
人気のラズベリータイムには期待の新種牡馬ワークフォースです。
ひとつ上のレフィナーダに付いているエンパイアメーカーもそうですが、こういう大物新種牡馬の産駒というのは、それだけでもワクワクするし、結果が出るのが非常に楽しみです(^_^)
ポリーマグーには2年連続でカネヒキリが付いています。
こういうパターンは上の出来が良かったケースが多いですから、当歳の動向にも注意が必要でしょう。
そういえばスイートマカロンの当歳もカネヒキリですし、カネヒキリというのは結構コンスタントに見映えのいい仔を出す種牡馬なのかもしれませんね。
最後に、今や広尾TCの至宝となりつつあるミスペンバリーについて。
ミスペンバリーを見るのは今回が初めてでした。私が過去に繁殖牝馬を見学させてもらった時、この馬もいるはずなのに馬房から出てくることは無く、何となく『何故だろうなぁ??』と思っていたのです。
その理由について、Kさんから初めて聞くことが出来ました。
「トロワフィーユの次に受胎していたキングカメハメハの仔が流れたあと、体が極端にガレてしまってとても見せられる状態ではなかったのです。それがようやく回復し、今はディープの仔を受胎しています。」
いやぁ、こんな話を聞いてしまうと、今度こそ無事に仔を産んで欲しいと願わずにいられません。。
繁殖牝馬の紹介は以上ですが、今回紹介した当歳馬もまだ産まれていないお腹の中の命も、とにかくみんな無事に成長して、立派なサラブレッドになって欲しいですね。
その上でもしも縁があれば、是非広尾TCで募集をしてもらって、多くの出資会員とともに、デッカイ夢を追いかけられる存在になってくれたら最高だと思います(^_^)
*文中の引用コメントは私の記憶に基づいて書いていますので、ニュアンスの違いなどは全て私の責任ですm(_ _)m
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ただし近年は、クラブで活躍した牝馬を繁殖に上げて提携牧場に預託し、産駒のなかで出来の良い馬は再びクラブで募集するというサイクルも確立されており、いわゆる牧場系クラブの良いところも取り入れられています。
今回の展示会では、クラブの預託繁殖馬の情報を会員に提供するのも目的のひとつだったようですが、参加者(私だけじゃないと思います)にとって、これはとても有り難い企画でした。
繁殖として実績があるおなじみの牝馬、これから初産駒が誕生してくるピチピチの新米繁殖馬などを実際に見ることが出来ましたし、来年、再来年の募集ラインアップに入るであろう当歳馬やお腹の中にいる仔の話まで聞けて、非常に興味深かったし、1年後、2年後がまた楽しみになりました(^_^)
ということで、まずは木村秀則牧場で見学した繁殖牝馬のラインアップを紹介します。
■ベイビーローズ
父:シングスピール 母父:Mr. Prospector
現役時代20戦1勝
*現在ネオユニヴァースを受胎中(ネオユニヴァースは出資会員のアンケートで決定)

■グレイスフルソング
父:ロックオブジブラルタル 母父:Sadler's Wells
現役時代30戦3勝、祖母はBallade
*現在キングカメハメハを受胎中

■ウェルシュステラ
父:Zafonic 母父:Sadler's Wells
現役時代37戦3勝、産駒にステラリード、ジョビアーレ、ゴッドフロアー
1歳は父スペシャルウィーク(募集中)、当歳は父ディープインパクト(募集中)
*現在ハーツクライを受胎中

■スターリーヘヴン
父:サンデーサイレンス 母父:Caerleon
現役時代39戦6勝、産駒にソウルオブエイチ、バルカポケット
*現在クロフネを受胎中

■スイートマカロン
父:Tale of the Cat 母父:Distant View
現役時代7戦1勝
*当歳は父カネヒキリ、現在キンシャサノキセキを受胎中

■レフィナーダ
父:サンデーサイレンス 母父:Nijinsky
現役時代27戦2勝、祖母にSex Appeal、産駒にフォルビート(募集中)、1歳は父グラスワンダー(募集中)
*当歳は父エンパイアメーカー、現在カジノドライヴを受胎中

■ラズベリータイム
父:フジキセキ 母父:Caerleon
現役時代18戦3勝、近親にブリッツェン、1歳は父クロフネ(初子・募集中)
*当歳は父ジャングルポケット、現在ワークフォースを受胎中

■ミスペンバリー
父:モンジュー 母父:ハイエステイト
現役時代7戦0勝、産駒にエタンダール、クリサンセマム、トロワフィーユ
*現在ディープインパクトを受胎中

■ポリーマグー
父:タバスコキャット 母父:Caerleon
現役時代7戦0勝、祖母にスタネーラ(ジャパンカップ(G1))、1歳は父ゴールドアリュール(募集中)
*当歳は父カネヒキリ、現在カネヒキリを受胎中

一気に9頭の繁殖牝馬を紹介しましたが、来年募集の可能性がある当歳馬をまとめると次のようになります。
◇ 父カネヒキリ × 母スイートマカロン(母父Tale of the Cat)
◇ 父エンパイアメーカー × 母レフィナーダ(母父サンデーサイレンス)
◇ 父ジャングルポケット × 母ラズベリータイム(母父フジキセキ)
◇ 父カネヒキリ × 母ポリーマグー(母父タバスコキャット)
いやいや、来年の募集ラインアップはなかなか面白い顔ぶれになりそうです。
特に父エンパイアメーカーのレフィナーダの仔。ここだけの話ですが、この馬には既に生産担当のKさんがベタ惚れで、小声ですごく嬉しそうにこんな自慢をしてくれました(笑)
「今回募集されている1歳の姉(父グラスワンダー)もとてもいいけれど、当歳の方は更に軽くて素晴らしい動きをする、芝で良さそうな馬ですよ!」
とまあそういうことなので、もしもこの馬が無事に募集されたら要チェックですね。
ちなみにエンパイアメーカーは馬産地での人気が高いそうで、Kさんによれば、「産駒の出来が凄く良いので、種牡馬として爆発するのではと思っている生産者が多い…」のだそうです。
ついでなので、来春産まれるであろう未来の当歳馬(現在受胎中)ラインアップも確認しておきます(笑)
◇ 父ネオユニヴァース × 母ベイビーローズ(母父シングスピール)
◇ 父キングカメハメハ × 母グレイスフルソング(母父ロックオブジブラルタル)
◇ 父ハーツクライ × 母ウェルシュステラ(母父Zafonic)
◇ 父クロフネ × 母スターリーヘヴン(母父サンデーサイレンス)
◇ 父キンシャサノキセキ × 母スイートマカロン(母父Tale of the Cat)
◇ 父カジノドライヴ × 母レフィナーダ(母父サンデーサイレンス)
◇ 父ワークフォース × 母ラズベリータイム(母父フジキセキ)
◇ 父ディープインパクト × 母ミスペンバリー(母父モンジュー)
◇ 父カネヒキリ × 母ポリーマグー(母父タバスコキャット)
現在受胎中の馬は、まずは無事に産まれてくることが大事です。
あれやこれやと今から言っても始まりませんが、Kさんから聞いたエピソードなどを差し支えない範囲で。
まず、この世代が初産駒となるグレイスフルソングは、その血統背景や身体つきから、「広尾TCのこれからの基幹繁殖になるのでは」というほど期待をされています。
初年度に用意した種牡馬もキングカメハメハと文字通りエース級ですし、既に、「来年はサンデー系をつけてみたい」という話が出るほどで、牧場サイドもこの馬には大きな夢を託しているようです。
何かと話題のウェルシュステラは再びハーツクライを受胎しています。
実は、今の1歳(ウェルシュステラ’11)の出来があまりにも良かったので、種付時にはスペシャルウィークを3度もチャレンジしたのだそうです。
それが、最近のスペシャルウィークは受胎率が悪くていずれも不受胎。次善の選択となったのが、やはり出来が良かったゴッドフロアーをイメージしてのハーツクライだったそうです。
(もちろん、時期的にディープインパクトなどは残っていなかったのでしょうが。。)
現役時代の成績から大きな期待を寄せられたスターリーヘヴンですが、繁殖としてはソウルオブエイチとバルカポケットがいずれも未勝利に終わっています。ですが、Kさんは、「この馬にはまだまだ期待しています。今まで結果が出ていませんが、2年間お腹を空けた次の馬こそ何とか…という気持ちです」とのこと。
私たちは結構気楽にああだこうだと言いますが、実際に馬に携わる皆さんにとっては切実なんですね…。
人気のラズベリータイムには期待の新種牡馬ワークフォースです。
ひとつ上のレフィナーダに付いているエンパイアメーカーもそうですが、こういう大物新種牡馬の産駒というのは、それだけでもワクワクするし、結果が出るのが非常に楽しみです(^_^)
ポリーマグーには2年連続でカネヒキリが付いています。
こういうパターンは上の出来が良かったケースが多いですから、当歳の動向にも注意が必要でしょう。
そういえばスイートマカロンの当歳もカネヒキリですし、カネヒキリというのは結構コンスタントに見映えのいい仔を出す種牡馬なのかもしれませんね。
最後に、今や広尾TCの至宝となりつつあるミスペンバリーについて。
ミスペンバリーを見るのは今回が初めてでした。私が過去に繁殖牝馬を見学させてもらった時、この馬もいるはずなのに馬房から出てくることは無く、何となく『何故だろうなぁ??』と思っていたのです。
その理由について、Kさんから初めて聞くことが出来ました。
「トロワフィーユの次に受胎していたキングカメハメハの仔が流れたあと、体が極端にガレてしまってとても見せられる状態ではなかったのです。それがようやく回復し、今はディープの仔を受胎しています。」
いやぁ、こんな話を聞いてしまうと、今度こそ無事に仔を産んで欲しいと願わずにいられません。。
繁殖牝馬の紹介は以上ですが、今回紹介した当歳馬もまだ産まれていないお腹の中の命も、とにかくみんな無事に成長して、立派なサラブレッドになって欲しいですね。
その上でもしも縁があれば、是非広尾TCで募集をしてもらって、多くの出資会員とともに、デッカイ夢を追いかけられる存在になってくれたら最高だと思います(^_^)
*文中の引用コメントは私の記憶に基づいて書いていますので、ニュアンスの違いなどは全て私の責任ですm(_ _)m

特に現在受胎組はまじめに面白いです。
この系列で募集し続けて、実績を積みながら顧客を離さない様になれば、安泰なんですけどねぇ・・・
はい。1歳も当歳も現在受胎組も、(そして現役の馬たちも!)是非頑張ってほしいです(^_^)
クラブサイドも、こういうお馴染み牝系の良さと、それに拘ることでの血の固定化(マンネリ化)など、いろいろ考えながら方向性を探っているようです。
(馬はなかなか計算通りにはいきませんからねぇ…)
耳寄情報ありがとうございます。
父エンパイアメーカー × 母レフィナーダ(母父サンデーサイレンス)は、おもしろいですね。
牡馬だったら最高です。
今年の募集馬は、スペ×ウィルシュに行こうかなっと思っています。(2年連続で付けたことは、それだけ出来が良かってことですよね。)
ただ、ウィルシュステラ産駒は、どうも頭が高く、上へ上へ行く走り方が気になってます。
ゴットフロアーがその走り方が、成長とともに改善されてれば良いんですが。。。
しっかりと応援します。
これからも、耳寄り情報をお待ちしております。
スペ×ウィルシュは、素人目にも馬の出来は良かったです(^_^)
でも、ウェルシュステラ自身が頭の高い走りでしたから、やはりそういう走り方になるうですかねぇ…(;^_^