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ウクライナ侵攻とロシア国民の責任

2022-03-20 10:44:20 | その他
 ウクライナ侵攻とロシア国民の責任

 ウクライナ侵攻についての情報を見るのに、毎日長時間を費やしています。社会科の教師としては、仕事の一部のようなものですが、情報の真偽を見極めるのが難しくなっています。ロシア語は全くわからないので、ロシア発、ロシア人発の情報の場合は、どうしても英語か日本語に訳されたユーチューブになってしまいます。するとそれを見ている日本人のコメントも見ることになるのですが、「悪いのはプーチン個人であって、あなたが責任を感じる必要はない」という趣旨のコメントがとても多いのが気になります。

 もちろんロシア人ユーチュバー個人の責任ではないことはいうまでもありません。しかしプーチン一人の責任であるとも思えないのです。ロシアは14年前の北京オリンピックの時もグルジア(現在はジョージア)に侵攻して、その領土の一部を奪い取り、2014年にはウクライナ領のクリミア半島に侵攻してこれも奪い取り、そしてこの度のウクライナ侵略です。プーチンへの支持率は、グルジア(ジョージア)侵攻・クリミア侵攻のさいに80%を越えています。現在も70%を越えているようです。ロシア国民が本当のことを知らないからということも考えられるでしょう。

 しかしそれなら、つい先日の3月18日、モスクワの競技場で盛大に行われた、クリミア併合記念式典をどの様に説明するのでしょう。地元警察の発表によれば、20万人が集まったそうです。実際にはもう少し少ないでしょうが。プーチンを支持する大観衆に歓呼で迎えられていました。式場では国旗が林立し、人々の胸には、侵攻支持のシンボルであるZをあしらったリボンが着けられていました。また政権を支持する国民的歌手が愛国歌を歌ったのですが、その歌には、「カザフスタンとバルト三国は我が国土の一部」という歌詞が含まれているそうです。カザフスタンはかつてソ連の一部であり、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国はロシア帝国・ソ連に統治されたり併合されて苦しんだ歴史を持っています。プーチンがどのように自己正当化しようと、その本音は大ロシア帝国の復活であることは明白であり、それをロシア国民が熱狂的に支持していることは明白ではありませんか。ウクライナはネオナチであるとプーチは非難していますが、まさにナチスの全体主義とどこが違うのですか? これでもロシア国民に責任はないのですか? まるで昭和の戦時中の日本と同じではありませんか。

 もちろん現在のロシア国民の中には、身体を張ってそれに抗議している人も少なからずいます。しかしロシア人に対する街頭アンケート・インタビューを見ていると、英語の字幕を見ている限りは、プーチンを支持していると答える人の方が多いように見えます。軍同士の戦いで劣勢になると、ロシアは見境もなく一般市民を殺戮し続けています。

 ロシア人アスリートが国際大会に参加できないことに対する批判も耳にします。彼等に責任はないというのでしょう。しかしロシアが国家的な規模でドーピングをしてきたことは、隠しようのない事実であったことが認定されているではありませんか。私がウクライナのアスリートなら、ロシア選手と対戦するくらいなら、不戦敗を選択することに躊躇はありません。それがよいとは思いませんが、人は感情をもつ生物ですから、素直にはなれません。

 それならどの様に責任をおえばよいのか。いろいろな意見があるでしょうが、最低限度、これから起きるであろう経済的な困窮を、じっと堪えるくらいのことはしなければならないと思います。どれ程苦しくても、それは自業自得なのです。最大の責任はプーチンにあるにせよ、それを熱狂的に支持したロシア国民の責任が皆無であるはずがありません。少なくともウクライナが復興するまでは、ロシアが民主的な国家となって、国際社会に復帰することを諸国が認めてくれるまでは、堪えなければならないと思います。それがロシア国民としての責任の取り方でしょう。

追記
クリミア併合の記念式典は、どうもはめ画像らしいことが明らかになってきました。ロシア情報は信用できないのですが、私もまんまとだまされてしまったのかもしれません。


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