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Die Energie 5.2☆11.8

2011-09-12 23:34:14 | Weblog
82年に三原順さんが描いたマンガ。
(ライナーでは81年になっている)
原発のことを題材にしていたのを思い出して、読み返してみた。

今から実に30年前の作品。
あらすじは、wikiに任せるとして。。(手抜き[m:206]&確実)

http://ja.wikipedia.org/wiki/Die_Energie_5.2%E2%98%8611.8


主人公のルドルフは、電力会社に勤務している。
物語の主となるのは、原発爆破テロとの攻防だが、電力の抱える問題も同時にあぶり出している。
ずばり、原発問題だ。
抜粋してみると。。

・80年代初めの時点でさえ、アメリカでは原発の安全性が疑問視されているにかかわらず、
エネルギー予算の半分以上を原発に費やしている。
一方で原発建設のキャンセルが相次ぎ、利益は生み出さず、
省エネが進んで需要も進まないでいた。
このことで、ベトナム戦争と原発は、官僚的な化け物となり下がったと
10年前から叫ばれていた。(ってことは71年に!)
各国も原子力開発を進め、それは国の威信をかけたレースとなっていた。

・電気は、扱いやすく、安全性も高く、臭いも煙も出さず、
邪魔者扱いされるほどスペースを食いもしない。
それでいて、他の燃料と比べて、特別高価なわけじゃない。

・けれど、5.2の電気を生み出すために、発電用エネルギーや送電ロスで11.8が廃棄される。
(燃料をたき、蒸気を作り、タービンを回し、発電機を動かして電気を発生させるため)
石油ストーブなら、60~70%の熱効率なのに。
(タイトルの意味)

・誰ががエアコンのスイッチを入れる時には、他の多くの人々もスイッチを入れたがる。
電力会社は順番待ちして下さいとは言えない。
ピーク時の需要を賄えるだけの発電所を建てなければならない。

・需要の減る時間帯でも、原発は燃料棒を保護するため、
全出力の60%しか出力を絞る事ができない。


これら問題点が、30年以上前から、現在と何ら変わらないことに愕然とした。
私は、電力のことを、知りはしなかったのだ。
30年前は、題材が重過ぎて半分しか理解していなかった。
また、電力のメリットばかり知らされていたのだ。
打開策はないのだろうか?

このマンガでは、ルドルフの口を通して、問題の解決策が語られた。

・蓄電池システム
・揚水発電所

が、揚水発電所建設は、住民の反対にあって、9年寝かされているという。
そして今でも、電力は作り置きできないものとされている。
余った分は、貯めることができずに消えてしまうのが、もったいなくて仕方ない。


私は、安全性が認められなければ、原発は反対だ。
が、石油やLNG枯渇の心配を抱えているので、電力の安定供給ができるか不安だ。
便利な生活に慣れてしまったから、今さら電気のない生活は考えられない。
今ある水準は、少し落とした程度で守りたい。
けれど原発はイヤ、というのは、傲慢な気がする。
快適な生活を我慢するか、原発を容認するしかないのだろうか?
画期的な方法が登場してほしいが。。

今は、事故処理をきちんとし、被害に遭われた方々が少しでも気持ち良く過ごせるようにと願うばかりだ。
そして、今ある平和な時間を大切にしたい。

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