メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

SymphonyX の The Odyssey

2007-04-01 21:26:04 | メロディック・ハード
アメリカのシンフォニック/メロディックHRバンドの6作目。
2002年作品。
今までより全体的にヘヴィーなっている。

今回のテーマはバイキング。

SymphonyXの素晴らしさは、プログレッシヴさがある点だ。
4曲目の“AcocladeⅡ”は、3rdの「The Divine Wings Of Tragedy」にある“Accolade”の続編と言える。
ピアノで始まる叙情性豊かな旋律のもと、ラッセル・アレンがその体型からは想像できない繊細さで、しっとりと歌い上げる。
心持ち大人しく歌ってるロニー・J・ディオのような、パワフルで熱気のある歌い方がほとんどだが、ちゃんと歌い分けもできる。
曲は壮大でどこか儚げでファンタジーである。
Heavyだけじゃない、琴線を揺さぶる叙情性こそがSymphonyXの生命線だ。
マイケル・ロメオのギターソロも泣かせる。

曲としては、1曲目の“Inferno(Unleash The Fire)”が一番聴きやすいかも知れない。
いわゆるメタルで、キャッチーだ。
マイケル・ロメオのネオクラシカルっぽいギターソロが、バランス良く配置されている。

静と動がまとめられているのは、8曲目の“Awakening”だろう。
プログレっぽくて、印象的なメロディが満載だ。

が、一番の聴き所は24:09にも及ぶ9曲目の“The Odyssey”である。
ⅠからⅦまで細分化されている組曲だ。
イントロからしてシンフォニックで大仰で、いかにもSymphonyX。
サントラに使えそうな情景の変化や変リズム、曲調の変化は楽しい。
最終章は、重みの中に流れのあるキャッチーなサウンドで、素晴らしくいい。
実に感動的だ。

クサメロかも知れないけど、これほどのテクニック・聴きやすさ・感動を兼ね揃えたバンドはそうはない。

新宿鮫Ⅷ 風化水脈

2007-04-01 13:54:46 | Weblog
本はあまり読まないけど、この大沢在昌と宮部みゆきとスティーヴン・キングはぽつりぽつり読む。
読みやすいし、読み終わると、少し賢くなった気がするからだ。

さて、新宿鮫シリーズの第8作は、舞台が新宿に戻ってきた。
キャリア出身でありながら、異端児を貫く鮫島刑事の、孤軍奮闘が今回もみられた。
いつもの歌舞伎町だけでなく、西新宿の、高層ビル群が立ち並ぶ前の様子が描写されていて、興味深かった。
淀橋浄水場と、十二社(じゅうにそう)の池。
特に十二社の大池周辺には、大正~昭和初期にかけて、料亭や茶屋が100軒近く立ち並び、芸妓を擁し、ボートや屋形船、花火等の遊びがなされたという。
(昭和40年代前半に埋め立てられた)

家の近くにも、明治時代から高級料亭が連なっていた場所があり、古くからいる人にその名残を聞いていたので、あんな感じだったのかととても興味深かった。
(昭和50年代後半に軒並み高層マンションとなった)

今回は、スピーディな展開はあまりなく、地道な操作を積み重ねて、ひとつの解決をみたように思えた。
人間関係だと、3つの解決か。
「間に合うのか?」と、手に汗握るような、いつもの新宿鮫じゃないけれど、これはこれで捜査を追う展開が細部まで渡っていておもしろい。
ただ、偶然が多かったようなのが不満だ。
鮫島警部が、絶対的にタフな存在じゃなくなったのは、月日の流れか。
組織に対する反逆はもうなく、アウトローの立場で、一部の協力者の力を借りて、あきらめずに、これまでと比べて淡々と事件を追っていたように思う。

私にとっては、鮫島警部が魅力的に思えなくなっちゃったのよね。
ココが残念。

第1作からの絡みが多い。
第1作が出版されたのが1990年だから、相当前になる。
(風化水脈の単行本発表は2000年)
私のペースでも10年以上前のことだから、よく覚えていない。
もちろん、うろ覚えでも楽しめるが、感情の動向に、時たま「なぜ?」と思ってしまった。
また第1作を読まなくちゃなぁ~~。