メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Turisas の The Varangian Way

2007-08-18 22:34:21 | メロディック・ハード
フィンランドのヴァイキング・メタル・バンドの2作目。
いや、ヴァイキング・メタルとして片付けてしまうには、あまりにも守備範囲が広い。
メタルを基調とし、その上にフィンランドの民俗音楽、シンフォニックさ、テクニカルさ、プログレッシヴさがある。

それらが、詰め込みすぎの重厚になりすぎず、適度に分離してバランス良く配置されているので聴きやすい。
多くの要素を一ヶ所に盛り込みたくなるほどバラエティ豊かだが、曲ごとに分けているので、気持ちよく聴ける。
反対に言えば、曲ごとの表情が違うのだ。

テーマが『キエフからコンスタンチノープルに向かう、9~11世紀の北欧人集団の旅の話』というトータル・アルバムなので、南下しながら地域の音楽性を取り入れたと解釈すれば、自然なことなのだ。
(タイトルの「Varangian」とは、略奪者であり試合者であり、戦士であり傭兵であり、商人でもあった、ヴァイキングの一族の名前のことだそうだ)
出発地のフィンランドでは、コーラスがまさにヴァイキング・メタルの、猛々しい男性陣によるものだったのに、目的地近くでは、ギリシャからの影響というオペラちっくな“クワイア”になり、シンフォニック性が上がり、洗練されているのがおもしろい。
私は、ヴァイキング・メタルっぽい“力強さ”と印象的な“フレーズ”のある、シンプルな1曲目の“To Holmgard And Beyond”が好きなのだが。

4曲目の“Fields Of Gold”も力強さに溢れている。
どの曲も、攻撃的な重低音のリフと、中間部のスローでシンフォニックな部分があって、静と動の対比がうまくなされているため、シンプルな歌メロを持った曲が心に染みている。
もろ土着な5曲目、“In The Court Of Jarisleif”は、ロシアテイストなのか、中東テイストなのか、ジプシーテイストなのかわからない無国籍ぶりがいい。

プログレ・メタルっぽいのが6曲目の“Five Hundred And One”だ。
ELPっぽいって感じ。

ソングライターであり、ボーカルのウォーロード・ニーゴルドは、デス声とクリアな声を使い分け、メリハリをつけている。
ヴァイオリニストとアコーディニスト(と言うのか?)もメンバーにいて、幅広い音楽性を支えている。
完成度の高い、素晴らしいアルバムだ。