メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

SymphonyX の Paradise Lost

2007-08-05 22:27:35 | メロディック・ハード
アメリカのテクニカルなメロディック・パワー・メタル・バンドの、第7作目。
聴いた瞬間、Symphony Xとわかるリフとベースラインだ。
シンフォニックというよりメタル寄りなのは、いつも通り。

2曲目の“Set The World On Fire(The Lie Of Lies)”は、前作『The Odyssey』の延長というより、『The Divine Wings Of Tragedy』からの延長に思える。

このバンドが素晴らしいのは、音を積み重ねた分厚いサウンド一辺道じゃないことだ。
メロディック・パワー・メタルは、どうしても空間を埋め尽くしたサウンドになりがちだが、5曲目のタイトルナンバーの“Paradise Lost”では、ピアノやアコースティック・ギターも使って、透明感を表現しているのが素晴らしい。
むしろプログレッシヴ・ロックの音圧だ。
そのおかげで、肩の力を抜いて、彼らの世界観に浸ることができる。
叙情的で、浮遊感があって、いい意味での古臭さも感じさせる。
この辺りのサウンドをどう捉えるかで評価が分かれるところだが、私は好きだ。

8曲目の“Seven”は、スピードがある。(8曲目なのにSevenでいいのか??)
アルバムの中では異質な感じ。

ラストの10曲目の“Revolution(Devis Pennae ex Tragoedia)”は、いかにもSymphony Xだ。
硬質なメタルと、プログレの一体化。
暗黒な中に、キラリと走る一筋の光明。

ラッセル・アレンのボーカルは、相変わらず熱を帯びている。上手だ。
ただ今回はクサいまでの大仰な歌メロが少ないのが寂しい。
マイケル・ロメオのギターは、自由奔放に弾いているが、比較的おとなしい。
もっと泣いちゃってくれてもいいのになぁ~。
全体的に、もっとドラマティックであってほしい。

パワーとか勢いは、『The Odyssey』が上だ。
まとまりや静と動の対比は『Ⅴ』が上だ。
が、周りがシンフォニックの度合いが強くなっていく傾向にあって、変わらずに彼らの路線を突き進んだのは素晴らしい。水準を遥かに越えている。
マンネリとは紙一重だが。。92点を与えられる。