メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Jeff Loomis の Zero Order Phase

2012-01-16 22:52:13 | メロディック・ハード
アメリカはシアトルのHMバンド、Nevermoreのギタリストのソロアルバム。
全作インストの、2007年作品。

これはいい。
彼のギターを聴くのは初めてだが、スピード感に溢れながら、メロディアスで、叙情性がある。
スピード一辺倒でなく、ゆったりしたフレーズも織り交ぜ、独自の世界感がある。

速引きはできるのに、高音をリバーブたっぷりに伸ばして弾くので、余韻が残る。
それでいて、綺麗なサウンドに留まらず、不協和音を弾く。
先の流れが全く読めない。
でも心配ない。
テクニックは十分にあるので、演奏の乱れが全然気にならず、音の流れに身を任せればいいのだ。

緩急、静と動などの変化をつけてあるので、インストと言っても飽きることはない。
ただ、リズムの変化が多少乏しいかな。

何に似ているかと言えば・・・
重低音のリフや、音の出具合がメロディアスな時のDream Theaterに似ているかも知れない。
高音の音の揺らし方や音の出方が(感覚的ですが)
4曲目の“Azure Haze”は、クラシックからの影響を感じられていい。
それをシンフォニックに持っていかず、ジャズテイストも混ぜ込んでしまうセンスが特有だと思う。
ウェットではなく、ドライな感触にしてしまうのだ。

私は、ウェットな泣きのギター全開が大好きなのだが、これも聴ける自分に驚いている。
おそらく、Jeffがメロディアスさも大切にしているからだろう。

7曲目の“Sacristy”は、スローで始まる。
スティーヴ・ヴァイにも似た変化と、テクニックに富んだ魅力的な曲だ。
まず最初にメロディがありきなのがいい。


こんなにすごいギタリストだと思わなかった。
Nevermoreも聴いてみたい。

The Magnificent の The Magnificent

2012-01-07 20:01:17 | メロディック・ハード
現時点で、私が一番イケメンボイスだと思っているのが、
Circus Maximus(ノルウェー)のマイケル・エリクセン!
彼の歌声をもっと聴きたいのに、なかなか新作を発表してくれない。
そんな私に朗報が届いた。コレだ。

本作は、マイケルとフィンランドのバンドLiverageのギタリスト、トースティ・スプーフとのユニットだ。
80年代HRを素地にし、伸びやかで開放的な歌声を聴かせてくれる。
コーラスワークも爽やかで、緻密で緊迫感のあるCircus Maximusとは全く違っている。

元々Circus Maximusは、プログレっぽい変リズム多様のむずかしい曲によるメタルをやっているのに、マイケルのキャッチーな歌声が、聴きやすくて心地良かった。
そのマイケルがキャッチーな曲をやれば、そのまんま80年代になるはずだ。

WhitesnakeのやTenなどに通じると思う。
リフが結構単純でわかりやすい。
2曲目の“Chrated By Love”なんて、イントロからしてシンセが根底に流れ、リフに誘われて歌メロ全開なんて、まるでサヴァイヴァーじゃないか!
それでいて、ギターソロではリバーブをたっぷり感じさせてくれて素晴らしくいい!

私が一番好きなのは、4曲目のロッカ・バラード、“Angel”だ。
これは、ムーディーで漂うような柔らかさ、なだらかさが心地いい。
Whitesnakeの“Is This Love”に少し似ている。
低音から高音まで、マイケルの声の持つ魅力に完全に魅了される。
トースティのメロディアスで雄大なギターもいい。


全曲捨て曲ナシ!
80年代HR、あるいは産業ロックの好きな人は、絶対に聴くべきだろう。
でも、私が待ち焦がれるのは、Circus Maximusの3rd!!

Akin の The Way Things End

2011-11-27 14:55:19 | メロディック・ハード
フランスのゴシックメタルバンドの2作目。
10年ぶりの作品らしい。

メタルではあるけれど、決してゴシックメタルではない。
重低音はさほどではなく、リフも少ない。
むしろ、プログレメタルと言えよう。

ギターは、プログレというか、フュージョンっぽいというか。。
ギターのMatthieu Bakerは、Angraのキコ・ルーレイロのように、ジャズもトラッドも弾け、テクニシャンなのに、敢えてメタルを弾いているって感じに聴こえるのは、買い被りすぎだろうか。
メロディアスであり、それほど攻撃的ではない。
が、変リズム多用であり、ひねったメロディと洒落た音楽性、ちょっぴりの退廃感が、独特の雰囲気を創り出し、それがすごく魅力的なのだ。
Porcupin Treeに似ていると思う。

ヴァイオリンがまたシンフォニックで、ギターのようにリードを取り、トラッド色を強めている。
ギターがないと、プログレと呼べるのかも知れない。

また、女性ボーカルのAdeline Gurtnerがいい!
澄み切った声質でいて、若干の強さがある。
声がブレずに正面から歌いきっているのに、好感が持てる。
曲に落ち着きは感じるものの、暗さが感じられないのは、Adeline嬢のおかげだろう。

小難しい曲を、頭を使わずに聴きたい時(?)には最適だ。

Candice Hight の Reflections

2011-11-03 16:56:22 | メロディック・ハード
The VioletBlackmore's Nightの歌姫、Candice Nightのソロ。

どこを切り取っても、Candiceの歌声が溢れている。
透き通るような声でありながら、どこか冷めている。
熱を帯びていないのが、物足りなさであり、良さである。

基本的に、Blackmore's Nightとそうは変わらない。
変わった点は、トラッド臭さが抜けて、洗練されたことと、歌声がふっくらと柔らかくなっていることだ。
歌声は、年齢を重ねたおかげで、奥深く歌えるようになったのだ。

4曲目に“Now And Then(2011)”という曲がある。
Blackmore's Nightのセカンドに収められた曲だ。
2001年の原曲だと、アコースティック・ギターに乗せて、Candiceがあっさりと歌っていた。
清楚で、儚くて、それはそれで良かった。
しかし、2011年バージョンでは、詩の意味する『私のことなら大丈夫。時が癒してくれます。泣くかも知れませんが、やり過ごせるでしょう』が、優しく語りかけるように歌われており、実に素晴らしい。
人間として一回り大きくなり、包容力が出てきたのだろう。
癒しになる。

Jesusさんによる訳詞はこちら
http://blog.livedoor.jp/rockyou_mirror/archives/1240542.html

サウンドは、アコギ多用の、軽めのPOPS。
いや、弾けてはいないから、何と言えばいいのか。。
トラッド色のある“for You”クラシック色のある“Robin Red Breast”、軽いRock色のある“Gone Gone Gone”にBlackmore's Nightの面影を感じる。
それもあるせいか、安心して聴ける。
プロデュースは、Blackmore's Night同様、Pat Regan。
Candiceは、Exective Producerと、全曲の作詞作曲を務める。
リッチーの陰に隠れていたが、多才なんだなぁ。

個人的には、1曲目のシンフォニックな“Wind Is Calling(Hush The Wind)”が一番好き。
子守唄のようで、とにかく心地いい。
美しく、どこかミステリアスな3曲目の“Black Roses”もいい。
それと、4曲目の“Now And Then(2011)”だ。

Paul Gilbert&Freddie Nelson の United States

2011-10-16 17:01:28 | メロディック・ハード
元レーサーX、Mr.Bigのポール・ギルバートが、同郷のフレディ・ネルソンと組んで作ったユニット。
2008年作品。

あまり期待しないで聴いたところ、これがいい!
ハード・ポップとも言える、歌メロ主体で聴きやすい。
でもポールのギターは、速弾きも含め、ドライブもしながらしっかり主張している。

びっくりなのが、ボーカリストのフレディ・ネルソンだ。
なんと、あのフレディ・マーキュリーにそっくりの声質なのだ。
声の出し方と柔らかさ、高音を張り上げる時に、若干声を絞る所など、彷彿させる以上だ。
特に、1曲目の“Paris Hilton Look-Alike”や2曲目の“Waste Of Time”で顕著だ。
似ている曲と言っても、得てして全面的には似てないことが多く、残念ながら違和感が付きまとうのだが、こちらのフレディにはそれがない。
気持ち良く聴けるのが素晴らしい。

曲によっては、Bostonのブラッド・デルプも感じる。
6曲目の“The Answer”のイントロがBostonの“More Than A Feeling”に似ているし、10曲目の“I'm Not Addicted”のPopさがBostonのそれだからだ。
いかにも、80年代前半のアメリカン・ロックって雰囲気がある。

捨て曲がない。
私個人の好みとしては、甘めのハード・ポップmeetsフレディ・マーキュリー的な1曲目と2曲目がいい。
これらは、フレディ・ネルソン作。
オープニングに持ってきたことも合わせ、ポールがいかに彼のセンスを気に入ったかがわかる。



One For All, All For One ~東日本大震災チャリティアルバム

2011-10-02 17:01:32 | メロディック・ハード
ビクターのアヴァロン・レーベル所属アーチストによるコンピレーション・アルバム。
新曲、日本未発表曲、カヴァー曲で構成されている。

曲のラインアップは、以下の通り。

1. Shine / MARK BOALS
2. I'll Cry For You / EDGUY
3. Higher High / EPICA
4. Heaven (live version taken from forthcoming live album) / GOTTHARD
5. The One / GRAND ILLUSION
6. No Justice(2011) / HAREM SCAREM
7. Street Of Broken Dreams / LANA LANE
8. Nothin' Ever Hurt Like You / LAST AUTUMN'S DREAM
9. Wings Are For Angels / RIOT
10. Faraway (different version) / ROYAL HUNT
11. Epitome: A Bit O'Me (beatstation REMIX) / SOILWORK
12. Hell Is Living Without You / SONATA ARCTICA


コンピアルバムなだけに、軽く聴けてしまう。
たまには、こうした肩の力を抜いて聴けるアルバムもいいね。
どれもが水準以上。

詳しいことは不明だが、1,8,9は、新曲のようだ。

私が気に入ったのが、1.3.5,6,8,10,11。
3のEPICAは、シンフォニックで美声で崇高で格調高く、相変わらず私の好みのど真ん中だ。
5のGRAND ILLUSIONは、メロディラインが美しく、上質な大人向けのHRをしている。
6のHAREM SCAREMは、バラードに仕上げてあり、切なさが倍増している。
8のLAST AUTUMN'S DREAMは、期待通りの枯れた美しさだ。
10のROYAL HUNTは、好きな曲だから。
11のSOILWORKは、インストナンバー。ギターが攻撃的でありながら美しい。

このアルバムで何といっても一番の聴きどころは、1曲目のShineだ。
復興のための描き下ろしなのだ。
Mark Boalsとなっているが、実際は多くのアーチストが小節ごとに歌っている。
チャーリー・ドミニシ(ex:DREAM THEATER、DOMINICI)、ロベルト・ティランティ(Labyrinth)、マット・シナー(Primal Fear, Sinner)、ザッカリー・スティーヴンス(ex:SAVATAGE、Circle II Circle)、エドゥ・ファラスキ(ANGRA)、ジェフ・スコット・ソート(TALISMAN、ex:JOURNEY)、スティーヴ・オージェリー(ex:JOURNEY)等。

曲は、ドラマーのヴァージル・ドナーティとの共作。
ギターソロは、トニー・マカパイン。
彼らは、デレク・シュレニアンのPlanet Xで、共演していたのね。
華やかムードいっぱいで、『手に手を取って、みんなで一緒に立ち向かおう』と応援してくれる。

ブックレットには、各アーチストからのメッセージが添えられ、勇気づけられる。
  ~日本の幸運と希望と愛、神のご加護がありますように~


なお、このCDの収益金は義捐金として日本赤十字社に寄付され、
被災者支援や被災地の復興支援などに充てられる。

Mind's Eye の Walking On H2O

2011-09-25 17:04:58 | メロディック・ハード
スウェーデンのプログレ・メタル・バンドの4作目。
2006年作品。

あまり期待せずに聴いてみたが、これがいい!
私の好きなXsaviorやCircus Maximusに似ている。
3つとも、スウェーデンのバンドだという他に、変リズム、メロディの変化が多い。
プログレがかっているとしても、サウンドがヘヴィーだ。
こむずかしく、洒落たことやっているのに、キャッチーだしコーラスがあるため、聴きやすい。

メタルというより、ハード・ポップと言った方が近いかも知れない。
何より、音圧をそれほど上げてないため、サウンドが整理されてて疲れないのだ。
曲によっては、ACTにも聴こえる。

中心人物は、Dr&KeyのDamiel Flores。
ソングライティングの他に、アレンジ、プロデュースやミックス、エンジニアを務めている。
何ともマルチだ。

スピード重視ではないので、気づきにくいが、やってることは高度だ。
ドラムスだけ追っても、シンプルではないので退屈しない。
ボーカルはやや高音で、ACTをちょっと太くした感じ。
ギターは、リフを弾かせればヘヴィーだけど、常にリフを弾いているわけじゃないから、トータルすると軽めになってしまう。

そして、キーボード。
ペラペラと薄っぽい。チープな作りだ。
これが、シンフォニックになると、芸術的になるのに、敢えてしない。
あくまでも聴きやすさを追求しているかのようだ。
これが計算づくなら、おそるべし!!

Dream Theater の a dramatic turn of events

2011-09-19 16:07:38 | メロディック・ハード
アメリカのプログレ・メタル・バンドの11作目。

なんと、ドラムスのMike Portnoyが脱退してしまった。
後任に、エクストリーム、スティーブ・ヴァイと活動したマイク・マンジーニをオーディションで選出した。

それがどのように影響されるかだが…。
ポートノイのダイナミックでドラマティックなドラミングはなくなり、大人しくなっていた。
が、決してパワーダウンした訳じゃなく、派手でなくなっただけだ。
マンジーニのドラミングは、確実で安定しているし、よく聞くと、転がすような洒落た連打が聴ける。
ポートノイのヘヴィネスと派手さは、Dream Theaterの個性の一つになっていたので、今はまだ物足りないが、連打ならポートノイの上を行くマンジーニだから、次作は個性が出てくるだろう。
なんせ、今作はジョン・ペトルーシがSuperior Drummerというソフトで打ち込んだものを、マンジーニに送っていたのだから。


曲を聴いた印象では、前作『Black Clouds & Silver Linings』の延長にあるが、多少ジャズがかったかなって感じだ。
そして、いつになくジョーダン・ルーデスのKeyやピアノが聴こえてくる。

変リズムは当たり前の相変わらず高度なことをやっているし、楽曲の質も高い。
だけど…。高度すぎてついていけない部分もある。
もっと印象的な歌メロ、ギターソロもやってくれないと、疲れてしまう。
聴き込まないと、なかなか理解できないからだ。
その点、前作はキャッチーな“A Nightmare To Remember”があって良かったなと思ったり…。


今現在だと、バラードがすごく心地いい。(スカスカだから?)
4曲目の“This Is The Life”と、7曲目の“Far From Heaven”だ。
ジェームズ・ラブリエの優しい柔らかな声がいい。
ジョン・ペトルーシが、ジェームズに合うように、高めの音域にしたのが成功している。

バラードだと、テクニカルというよりも、叙情的なギターソロを聴かせてくれる。
ジョンは、これでもかというスピーディな演奏と、叙情的な演奏が使い分けられる。

8曲目は、ジョン・マイヤングによる“Breaking All Illusions”
プログレがかっていて、私には聴きやすい。


そして、全体を通して聴いていくと、高密度なのも受け付けられるようになる。
ヘヴィーとバラードとプログレ。
これらが混在して、独特の色付けがなされるのこそ、Dream Theater!
聴き込むほど、新たな発見があるのも同じ。
これから先も、変わることなく高度な作品を生み出すのだろう。

Symphony X の Iconoclast

2011-09-03 23:44:20 | メロディック・ハード
Symphony Xの7作目。2枚組。
この作品もトータルアルバムになっている。
これまで、古代、太古の昔-創世記と、過去の文明(?)をテーマにしてきた彼らが選んだ新たなテーマは、『未来』だった。
人類が機械に操られている世界観だ。

そのせいか、重低音を利かし、リフ重視の無機質なサウンドになっている。
そのせいで、単調に成り下がってしまって、おもしろくない。
もちろん、やってることは高度だ。
変リズムを使い、リフは複雑だし、マイケル・ロメオのギターソロは、テクニカルな速弾きだ。
これでもかと、攻撃的に襲ってくるのだが、どうも感情に訴えかけて来ないのだ。

この感覚は、Dream Theaterが余りにもメタルに走ってしまったのと似ている。


私はSymphony Xの魅力は、メタルの中に、抒情的なメロディ、印象的な場面展開、
そしてラッセル・アレンのアツいハートのこもった魂の熱唱だと思っている。

その反動なのかに、1枚目のラストのロッカ・バラード“When All Is Lost”は、素晴らしく感情に訴えかける。
スローなピアノで始まる。
まるで静寂のぴんと張りつめた空気の中の、一筋の光のようだ。

コード進行も、バックに流れるピアノのアルペジオも、マイケルのギターソロも、まさにこれぞSymphony X!!
この曲だけで、満足する。

他に気に入った曲は、1曲目のタイトルナ1まいバー“Iconoclast”
サビの ♪We are strong, We will stand and fight~が印象的だ。


ラッセル・アレンが、ロニー・ジェイムズ・ディオへのトリビュートの意味で、曲によって彼そっくりの歌い方をしている。
高音の喉の絞り方、唸り方なんて本当によく似ている。
これまでも似てると思っていたけれど、物真似ではなく、なりきっているのがすごい。
サバス的な中に、バビロンの城ちっくな曲があるのは楽しい。

1枚のにまとめたダイジェスト盤の選外の方に、気に入った曲がある私は、天邪鬼なのだろうか?
いや、彼らはこれまでのスタイルを排除し、意図的に硬質な作品を作り上げたのだろう。

月兎 の 月兎

2011-08-07 16:12:30 | メロディック・ハード
日本のプログレバンドのデビュー作。
このバンドとは知り合いなので、CDは本当に心待ちにしていた。

楽曲は、以下の通り。

1.月に眠る
2.天空への小恋歌 (マドリガル)
3.追憶part1
4.追憶part2
5.追憶part3
6.メサージュ~あなたへの伝言


全体的に70年代プログレっぽい。
シンセによる音の広がりや、変リズムの多用、場面展開の多さもそうだが、クールな空気感もそう感じさせる。
ライブでの演奏を聴いてからCDを聴くという、いつもと逆のパターンのせいか、プログレ色が濃くてちょっぴりびっくり。

月兎の魅力は、その70年代プログレをベースにした上で、何の楽器をメインに置くかによってさまざまに表情を変えることだ。
女性ボーカルの麗奈さんが前面に出ると、しっとりしたジャパニーズ・ポップになり、ギターの村上さんが前面に出るとHR、ツーバス使用のドラムスのつっしーだとHMだ。


1曲目の“月に眠る”は、麗奈さんのボーカルが始まる前の静寂がいい。
透明感ある声がよく映える。

2曲目の“天空への小恋歌 (マドリガル)”は、スローな曲。
麗奈さんの歌の練習曲が進化してできあがったそうだ。

3曲目の“追憶part1”は、麗奈さんの狂気交じりのスキャットが好きだし、その後のギターソロは、まさに70年代HR。
やっぱり“Child In Time”を彷彿させる。
サムさんの軽快なキーボードソロとの掛け合いも楽しい。

4曲目の“追憶part2”のラストは、つっしーのダブルバスドラの連打だ。
これが、緊迫感をさらにあおる。

5曲目の“追憶part3”は、曲の展開にスリルがある。
歌に起伏があり、落ちていくようなシンセに泣きのギターがからむ。
たつやさんの正確に刻むベースが、不安感を掻き立てる。
このあたりの感触にゾクゾクする。

6曲目の“メサージュ~あなたへの伝言”は、一番70年代プログレっぽいと思う。
(ジェネシスあたり)
途中から空気感がやや暖かくなるのもいい。
ベースがリードを取ってるのが、ルネッサンスっぽくて楽しい。
包み込むような優しいギターソロが、緊迫感から解放されるいいアクセントになっている。


楽曲の質が高いため、聴き終わった後に確かな満足感がある。
身内びいきでなく、プログレ好きの多くの人に聴いてもらいたい。
まぁ私は、最近のもっとHMっぽい曲が好きだから、早くも次のアルバムを期待してしまう。