東京ナイト

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「キリマンジャロの雪」

2009-05-01 09:34:13 | 
本は「キリマンジャロの雪」ヘミングウェイ。



たぶんヘミングウェイを読むのは20年振りくらい。ちょうどアフリカについて調べているのでその一環で読んでみた。
読んだ本は昭和44年の刊行の本だったので、滝口直太郎の訳が固くて読みにくい。でも、それもなんだか「ヘミングウェイを読んでいる」という懐かしい気分に合っているかも。

で、この本は、短編集。なんと言うか、暗い話が続く。全体になんとなく共通するテーマは「死」「退屈」「セックス」。そして冒険旅行に行っても感じてしまう「閉ざされた感覚」は今も通じる感覚。それを頼りにいささか古臭い物語を読み進めてみた。

この「閉ざされた感覚」とそこから逃げ出そうとする試み(=生きること)が、この「キリマンジャロの雪」の冒頭の有名な一文に端的に現れている。

「キリマンジャロは、高さ19,710フィートの、雪におおわれた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂はマサイ語で、“神の家”(ヌガイエ・ヌガイ)と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたのか、今まで誰も説明したものはいない。」(滝口直太郎訳)

最後は自殺しちゃうヘミングウェイ。タフガイもいろいろな事を抱えて生きているんだ、ということが分かったよ。


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