東京ナイト

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「宮崎 銀鏡神楽」@国立小劇場

2011-06-26 12:13:16 | ライブ、芝居、演芸など
昨日は国立小劇場でお神楽。
神楽の盛んな宮崎の中でも、古風を残しているといわれる銀鏡神楽。
国の重要無形民俗文化財に指定されています。

お神楽は、それぞれの土地の長い歴史の中でずっと伝えられてきたもの。
民衆の自然を畏れ敬う気持ちや五穀豊穣を祈る素朴な気持ちが込められています。
これまで本や映像では何度か触れることもありましたが、実際に見るのは初めて。



今回は、銀鏡神楽保存会の人たちが国立劇場の晴れ舞台で全三十三番の神楽のうち、二十二番を上演。
僕は後半の十二番を観ました。

で、面白かった!
岩戸開きの場面を描いた「手力男命」「戸破明神」などもきちんとしたお神楽で良かったのですが、天地創造から人類発生に至るまでの説明を行ない子孫繁栄を願う「室の神(へやのかみ)」という式目が印象的。
女の衣装を付けた一人舞いで、少しセクシャルな感じで面白くもあるのですが、民衆の素朴な世界観が伝わってきて興味深かったです。
途中、いざりながら男達が舞台に上がり、わらわらと足で女神を倒す演出は、コミカルなんだけど、怖い感じで驚きました。

最後の猪狩りの様子を演じる古い狂言「ししとぎり」も素晴らしい。
チラシにもその写真が使われていますが、あまりにものんびりした話の展開の遅さは驚異的。
いちおう猪を弓で倒す、という話なのですが、ぜんぜんドラマチックじゃなくて、どうでもいい話を登場した二人がずっと繰り返します。
その時間感覚は、ぜったい現代ではありえません。
もう少し、だれる部分を、はしょったり、盛り上げようとしたりする演出が入るはず。
そんな余計な小細工がぜんぜん無いのが神楽感覚なのでしょう。
すごいな~。

という訳で、中世の空気が伝わってくるような不思議な神楽の時間を堪能しました。

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1 コメント

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Unknown (orichan)
2011-06-27 09:14:39
へぇ。高千穂の神楽は知ってたけど、あちこちに神楽があるんだーと再発見。米良のほうですね。
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