東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

サバイバル登山家・服部文祥さんのトークショー

2011-02-18 07:32:07 | イベント
昨日は神保町のICI石井スポーツで開催されたサバイバル登山家・服部文祥さんのトークショーに行ってきました。
著書の「サバイバル登山家」は刊行された時に読んで衝撃を受け、去年、TBSの「情熱大陸」で取材された番組も、最近低迷気味の情熱大陸にしては非常に面白かった記憶があったので駆けつけました。

会場は満員。番組の影響か、若いお客さんが目立ちます。
トークショーは情熱大陸で撮影を担当した登山家でICI石井に務めている平出和也さんとの掛け合いで進行。

主に、情熱大陸の取材の裏話といった内容で時折、特別に編集された映像が流れます。
番組を見た方は分かると思いますが、山の中で獲物が獲れずに苦労した末、最後に一発だけ残った弾で鹿を仕留める事が出来たり、夏の沢登りでは、滑落して死にかけたところをなんとか「サバイバル」できたりとドラマチックな取材だったので、その話を聞いているだけでも楽しめました。
さらに平出さんの司会が上手く、ちゃんと話を展開させてくれたのも良かったです。

番組でもフォーカスされていましたが、服部さんはK2に登頂したり、たった一人で野山で生活出来たりする高いサバイバル能力を持ちつつも、何というか「ガキ」的な部分がすごくある人なんだなと思いました。
鹿を仕留めて喜びを爆発させたり、怪我をして入院先から奥様に電話する時、怒られてしょげていたりといったエピソードから、彼のチャーミングな面が伺えました。

という訳で、なかなか面白いトークショーでした。
帰りは、「ビストロ アリゴ」で夕食。
ここは市ヶ谷のお気に入りのお店「あて」の姉妹店。
古い民家を改装していて、料理も美味しく雰囲気も良かったけど、お客さんが多すぎて、ちょっとわさわさした感じで落ち着かなかったかな。
今度は予約して2階でゆっくり飲んでみたいっす。

都築響一さんのトークライブ

2011-01-11 07:33:48 | イベント
昨日は湯島の「MUSIC BAR 道」で都築響一さんのトークライブ。

テーマは「インディーズ演歌」!
ほんとうに良くこういう濃いネタを見つけてくるものだと感心するけれど、今回も凄かった。
メジャーレーベルに属さず、テレビなどのマスコミに媚びず(というか相手にされず)、地方のカラオケスナックなどを地道に営業し続け、独自の演歌道を貫く気骨の演歌歌手たちを何人も紹介してくれた。
もちろん音源+動画付きで。

あるバスガイド出身の演歌歌手さんは、毎日、伊豆の観光地に到着する観光バスを待ちうけ、バスに突然乗り込んで自慢の歌声を披露して、直接バスのお客さんに買ってもらう営業を何年も続けているし、別の歌手は井の頭公園でビールケースの上に乗って歌っているうちに、今では熱心なファンが付いているとのこと。

で、その中で特に気になったのが秋山涼子さん。
18歳で進学をあきらめ演歌歌手になる道を選んだ人。
でも江戸川区の弱小プロに所属、というか社長と二人三脚の営業ではなかなか芽が出ず、ずっとドサ廻りの生活を20年続けている方。
凄いハードなスケジュールをずーと送っていて各地にファンがいて、でもなかなかメジャーになれない・・・。
彼女のブログを読むと東京では全く分からないもうひとつの日本が見えてくるよう。
秋山涼子さん公式HP

後半は香ばしい感じの濃い演歌歌手を何人か紹介。
かなり突き抜けた方ばかりで会場のお客さんからは失笑されていたけど、僕は凄いパワーを感じた。
都築響一も彼らをただ「こんな変な歌手を見つけてきたよ」という風には紹介せず、彼らの素晴らしいオリジナリティーを(もちろん変なんだけど)きちんと紹介していた。
この辺りの匙加減が都築響一の凄いところだと思う。

という訳で、またまた日本の多様性を学ぶことのできた貴重な一夜だった。
演歌は凄いね。

ちなみに写真は、後半紹介の足立区在住「みどりみき」さん。
隣のおじさんも良い表情。


高尾で自然観察会

2010-09-24 21:59:23 | イベント
昨日は高尾で自然観察会。
といってもそれ程、大げさなものではなく、6人ほどが集まって、ものすごく生きもの全般に詳しい23歳の青年の解説を聞きながら山に登るという企画。

初めての企画でしたが、なかなか面白いイベントでした。
解説を勤めてくれた青年がとにかくかわいらしい。
「これは何という木?」とか聞くと一気呵成にその木の名前からエピソードまで教えてくれます。
詳しいだけじゃなくて、僕たちにも興味が湧くような話もしてくれるので楽しめました。
同じ山を登るのでも、周りの植物達の名前や生態を知って歩くと、より楽しさが増す気がします。
高尾山の豊かな自然が少しだけ身近になった気がしました。

それにしても青年があまりにも自然に詳しいので、理由を聞いたところ、子どもの頃からとにかく図鑑が好きで暇さえあれば読みふけっていたとの事。
長じて、実際に生き物と触れ合うことでますますその面白さに目覚めました、と目をきらきらさせながら話してくれました。
いまどき珍しい純真な青年。

でも、その純真さゆえ、進路には悩んでいる様子。
彼の様な青年が活き活きと自然の豊かな世界を教えてくれる事はすごく有意義なことだと思うのですが・・・。
これからも機会があれば時々、自然観察会などで彼と交流を深めていきたいと思いました。

そういえばお昼過ぎから高尾でもすごい雨。
バケツをひっくり返すような豪雨の中、急いで下山しましたが、こんな雨の中でも山に登ってくる人たちがちらほら。
それはそれで貴重な経験かもしれませんが、世の中にはいろんな人がいるんだなと思いました。
まあ僕たちも似たようなものですが・・・。

秋のお月見の会

2010-09-18 09:57:50 | イベント
今年の春、幇間芸人さんを呼んでお花見の会を開催しました。
それがすごく面白かったので、昨日、お月見の会を開きました。

会場は清澄庭園にある「涼亭」。
昭和初期に建てられた風情ある建物。



今回の趣向は、「蔵書対決」。
これは、僕がずっと長年温めていた企画で、参加者それぞれが自分の書棚から「とっておきの一冊」を持ってきて披露し、チームに分かれて対決する、というもの。
参加者は、2チームに別れ、「本の珍しさ」「美しさ」「変さ」「面白エピソード」「感動エピソード」などどんなこだわりでも良いの ですが、1分程度、その本について語り、 審判団が勝ち負けを判断し、総合得点を競って両チームが戦う、という「対決」です。

参加者は約20人。そのうち本を持ってきてくれたのが14人だったので7回勝負がありました。
優勝者には商品も用意していて、なかなか盛り上がったと思います。

こういう飲み会って印象に残るし面白いので、今後も定期的に開催することにしました。
次回のテーマは「連句」の予定。楽しみです。

The Expedition Day

2010-09-14 23:15:21 | イベント
先週の土曜日、代々木でThe Expedition Day~エッジなクライマー+山岳スキーヤーによるトークライブ 「なぜあなたはextremeにチャレンジするのか」というイベントに行ってきました。



日本山岳協会などが主催のイベントで、現在、もっとも注目されているアルパインクライマー、平出和也さん、谷口けいさんの他、ビッグマウンテンスキーヤーの佐々木大輔さん、それに若干16歳のクライマー中島徹さんなど錚々たる顔ぶれが揃いました。
こんなすごいメンバーなのに、会場は空席がちらほら。
ちょっともったいない感じでしたが、先鋭的なクライマー達の話はとても刺激的で興奮しました。

特に昨年、国際的な山岳賞「ピオレドール賞」を受賞した平出、谷口ペアは、飄々とした語り口で映像を交えて、彼らの先鋭的な登山を紹介してくれ、世界レベルの登山がどんなものなのかを垣間見ることが出来ました。

インドのカメットという山を登ったとき、「この山で、この美しいルートを発見できたのは、自分の今までの経験があったから」と平出さんは話していましたが、ダイレクトに山頂に突き抜けるそのルートを「美しい」と表現する感覚はすごく面白い。
やっぱりクライマーはかっこいいです。

翌日の日曜、ひょんなきっかけで、その平出、谷口ペアと一緒に食事をする機会を得て、さらにいろんな話を伺うことが出来ました。
ちょくせつお二人と話してみて、アスリートと言うよりアーティストの様な繊細な感覚が伝わってきました。

なんだか最近、良く分からない自称登山家が注目されていますが、やはり本物はホントにかっこいいです。
いつか大きな山に登りたいと改めて思わせてくれた出会いでした。

トークイベント「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」

2010-07-17 10:37:55 | イベント
昨日は青山ブックセンター本店で、都築響一のトークイベント。

広島現代美術館で開催中の展覧会の作家自身による作品解説と裏話。
先週、展覧会に行ってきたばかりだったのでまだ記憶も新しく、都築さんの話を2時間たっぷり楽しんだ。
初めて話を聞いたけれど意外にトークが上手くて驚いた。
ネタの強烈さもあるけれど、2時間飽きさせずに持たせるのはすごい力量。

会場はほぼ満員で賑わっていたし、展覧会にあわせて刊行された書籍「HEAVEN」の重版も決まったとの事。
でも、展覧会は広島で終わり。どこにも巡回しないそうだ。
確かに、暴走族やホームレス、秘宝館など、行政にとっては危ういネタだけれど、こんなに衝撃を受けた展覧会はなかった。
取材も美術系の雑誌からは皆無。
実話系週刊誌や「チャンプロード」などの暴走族雑誌からしか取材されなかったとの事。

暴走族、ラブホテル、見世物小屋の絵看板、、、彼が手がけてきたものは日本独自の生活文化。
たしかにマージナルな存在ではあるけれど、暴走族は古くからの若衆組にも繋がったり、ラブホテルも花街の伝統を実は残しているたぶん最後の花火の様なもの。
でも、そうした文化も行政の指導があったりで、だんだん画一化していって表情を失おうとしている。

都築さんの話を聞いていて宮本常一を思い出した。
彼は「民具」にこだわって、そこに文字の記録に残っていない古代からの生活の歴史を読み解こうとしたけれど、都築さんの興味の対象も、(ちょっと極端だけど)今の日本の証言者になるものたちだし、もしかしたらこんなに濃い形で日本文化を表象するものは今後あんまりないかもしれないような気もする。

それなのに、展覧会は巡回しないし、美術系雑誌からは無視される・・・。
芸術ごっこに忙しくて思考停止なのかな。
という訳で、広島現代美術館で開催中の「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン展」はいよいよ今月19日まで!
お見逃しなく。

「佃島念仏踊り」

2010-07-16 07:59:57 | イベント
昨日は佃島で盆踊り。
正式には「佃島念仏踊り」といって東京都の無形文化財に指定されている由緒正しい盆踊りです。

特徴は、すごーくゆったりしたリズムで踊ること。
櫓の上のおじいさんが、重い雰囲気で太鼓を叩きながら渋い声で歌います。
歌詞もよく聞くとけっこう暗い内容。
踊り手は輪になって「チンバ踊り」という独特の踊り方で延々踊り続けます。



というちょっと不思議な盆踊りなのですが、実は毎年参加させてもらっています。
何というか、「死者を迎える」という雰囲気が濃厚に漂っているので、お祭りと言うより儀式に参加しているような気になるのです。

参加者も、地元の人がほとんどで、ちょっとだけ僕たちのような外の人だったのが、ここ数年でだいぶ外部の人が増えてきました。
佃島でひっそりと江戸時代から続けられているお祭り。
いつまでもこの雰囲気が残って欲しいものです。

家具作家さんの工房オープニングパーティー

2010-05-31 07:31:21 | イベント
この週末は、友人の家具作家さんの工房オープニングパーティーでした。
二日間に渡って開催されたのですが、両日とも100人以上のお客様が来場され盛り上がりました。



家具作家さんは「タナカエイイチ」という人。
ラボラトリーという家具工房を率いる最近注目の若手です。
http://www.labo-style.com/

工房の建物も、大口径の国産材をふんだんに使い、大工さんによる昔ながらの工法で丁寧に作られたもの。
その辺りの説明を大工さん、建築家などに語ってもらう「建築ナイト」というイベントがあったり、舞踏グループ「三十日鳥」や歌い手さんの公演があったり、本当に盛りだくさんの内容で面白かったです。

こういうパーティーなら毎月開催してもらいたいくらいのアットホームで素敵な会でした。
面白かった!

関野吉晴氏・山田和也監督の「puujee」モンゴル上映会報告

2010-04-21 00:50:21 | イベント
映画監督・山田和也さんは僕の木こり仲間で、いつもいろいろな事を教えてくれる大切な友人です。

代表作のひとつ「puujee」はモンゴルの少女、プージェーを取材した心が熱くなる素晴らしい映画です。
で、この映画が久しぶりに上映されるとの事。
本当にオススメの映画なのでここに告知します。

~関野吉晴氏・山田和也監督の「puujee」モンゴル上映会報告~

第1回 5月9日(日)午後7時上映(午後6時半開場)
上映後トーク 「プージェーの同級生に会ってきました!」関野吉晴氏+山田和也監督
第2回 5月16日午後7時上映(午後6時半開場)
上映後トーク 山田和也監督+ゲスト

料金 1000円
なかのZERO小ホール TEL:03-5340-5000(JR中野駅南口徒歩8分)

puujee製作委員会は、昨年10月に関野吉晴さんとともにモンゴルを訪れ、プージェーの家族や同級生達に映画を観てもらいました。プージェーとプージェーの母を亡くしてしまった祖母のスレンさんは、その後も草原で放牧を続けてきましたが、家畜の多くを盗難などによって失ってしまいました。残ったのは羊・山羊が60頭、牛8頭、馬は1頭だけです。これだけの家畜では生計を立てることはできません。スレンさんは残った家畜の世話を息子の1人にまかせ、草原を離れてしまいました。現在は町に出て年金だけを頼りに生活しています。

2008年の世界的な金融危機の影響を受けてモンゴルの経済状況も悪化し、羊・山羊の仲買システムにも資金が回らなくなり、遊牧民の草原離れが進んでいたのです。プージェーと出会った1999年には国民の半数だった遊牧民の人口が現在は三分の一にまで減少しているそうです。モンゴルの経済政策も遊牧から銅や金の鉱山業に重心が傾いてしまい、遊牧民に対する国の助成も皆無に近くなっているそうです。

この春、行方不明だったプージェーのお父さんが戻ってくるのを機に草原に戻りたいとスレンさんは思っているのですが、家畜を買い戻す資金がないのであきらめざるを得ない状況です。モンゴルはこの冬、ゾドといわれる異常低温と雪害に襲われました。最大400万頭の被害でると国際連合食糧農業機関(FAO)が警告を出す程深刻な状況です。

私たちは、草原に戻りたいというスレンさんへの支援カンパを目的に「puujee」上映会を開催したいと思います。そして、これは久しぶりの東京での上映です。

どうかお誘い合わせの上、ご来場いただきますようお願いいたします。

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以下、公開当時(2006年)の僕の映画感想文です。

「puujee」を観て
探検家、関野吉晴が10年間にわたるグレートジャーニーの途上、モンゴルでひとりの少女と出会う。
プージェー、6歳。遊牧民の少女である。

とにかく、プージェーが素晴らしい。
関野さんも映画の中で思わず言っていたが「かっこいい」のである。
遊牧民の過酷な生活。
6歳の少女にも果たさなければならない様々な役割がある。

夕暮れの中、騎乗し、羊を追うプージェーの鋭い視線が、この映画の最大の魅力。
普段は恥ずかしがり屋の少女だが、自分の居場所、果たすべき役割、それをちゃんと理解して、見ているこちらの胸が熱くなるくらい真剣に働く。

でも環境の変化が、資本化の波が、モンゴルの草原に住む少女にも確実に変化をもたらす。

みていて思ったこと。
それはプージェーは世界中にいるということ。
モンゴルには馬に乗る遊牧民の少女、プージェーがいるように、イラクにもアフガンにも中国にも北朝鮮にもたくさんのプージェーがいるはずだ。
お母さんが大好きなプージェー、家族の一員として一生懸命働くプージェー、そしてそれを誇らしげに見守る温かい家族。

馬鹿ブッシュが空爆を命じたイラクの村にもプージェーはいたはずだ。
そのことに思いをはせること。
「空爆された村にはプージェーが住んでいる」
それに気付かせてくれたプージェーの凛とした視線だった。

お花見史上、最高に贅沢な一夜

2010-04-02 07:36:35 | イベント
昨日は友人宅でお花見。
ただのお花見ではなく、なんと浅草の幇間芸人・櫻川七好さんをお呼びして、本物の「ヨイショ」をしてもらったり、幇間芸を見せてもらったり、と実に賑やかなお花見でした。
僕がこれまで経験したお花見史上、最高に贅沢な一夜でした。



七好師匠によれば、現在、幇間芸人さんはわずか5人しかいないということ。
江戸から連綿と続く、なんとも不思議な職業ですが、お座敷やそこに来るお客の変化によって風前の灯だそうです。

でも、昨夜の芸はまさに本物!
かっぽれ、都都逸、コミカルなマイムと次々と芸を披露してくれました。
帯の位置と顔の表情を変えて一瞬で町娘がおばあさんになる踊りの鮮やかさは見事。
屏風を使ったちょっと色っぽい「新婚夫婦の家に泥棒が入ったら」という芸もすごかった。

で、そんな芸の合間を縫ってお酌をしてくれいろいろな話を聞かせてくれます。
当然ヨイショも忘れません。

お招きしたお客様にも、「お大尽になりきってください」とお願いしてあったので、みんな着物姿で来てくれてほんとうに華やか。
なぜか「ヤクザの親分」姿の人もいたりして、お客もそれぞれ工夫して参加してくれました。
七好師匠も(ヨイショだと思いますが)、「こんな楽しいお座敷はめったにないよ」と喜んでいただけたようでした。

たまたま知り合ったパントマイムの方が師匠と知り合いだったことから、とんとん拍子に実現した今回の企画。
まさかこんなに楽しい「お座敷遊び」が出来るとは思っていなかったのですが、遊びというのは工夫すればどこまでも楽しくなるものなんだなと思った次第です。