東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

浜の湯@辻堂

2009-11-01 08:27:31 | 銭湯
銭湯は辻堂の浜の湯。



辻堂駅の北口は再開発で更地が広がっているんだけれど、その際にぽつんと建っているのが浜の湯。隣がこんな大きな更地だと、銭湯もちょっとさびしげ。

番台式。女将さんがぼんやりテレビを見ています。
脱衣所の壁は、ロッカーが半分、脱衣籠の置いてある棚がもう半分という構造。

で、浴室。
新世美術の手による富士山のペンキ絵。壁板に直接描いてある。この絵はどの位の時間で描きあがるんだろう。東京の絵師さんの作品と比べるとちょっとディテールが、、、という感じ。まあそれも個性で良いと思いますが。

で、この銭湯の最大の見所はタイル絵。
「九谷鈴栄堂 胡山画」との署名入りのタイル絵はふたつ。
浴槽奥には大沼公園を走る機関車の姿を描いたタイル絵。奥の駒ケ岳も描かれていて北海道らしい雄大な風景。
もう一枚は、男女境の壁一面に貼られた大作。「弥次喜多道中記」の川越えの一場面を描いたユーモラスな作品。川人足に担がれ、川を越える弥次さんたちの脇で、川を渡ろうとしている女性が裾を押さえている色っぽいシーンや、一仕事終えた川人足がお尻を出して焚き火にあたっているシーン(なぜか獅子舞も焚き火にあたろうとして人足がビックリしている)などが描かれていて見飽きない。
このタイル絵を見るだけでも訪問の価値ありです。

残念ながらお客の入りはいまひとつ。番台の女将さんも手持ち無沙汰な感じでした。
という訳で、ユーモラスなタイル絵を見物にぜひ辻堂へ!

クラブ湯@中野坂上

2009-10-08 23:16:51 | 銭湯
銭湯は中野坂上のクラブ湯。

今度の銭湯ナイト5でペンキ絵師、中島盛夫さんのペンキ絵制作過程を写真で紹介する予定なのですが、その取材をさせていただいたのがこの銭湯。
今日は、その報告も兼ねての訪問となりました。

場所は中野坂上からすぐの住宅地。路地に面した小さな銭湯です。
番台式。番台にいらしたご主人といろいろ話します。
クラブ湯のペンキ絵はこれまでの早川絵師から今回、中島絵師に代わったのですが、やはりお客さんからけっこう反応があったとのこと。
常連さんも気になるのですね。

浴槽も、熱いお湯だけでなく、ぬるめの浴槽があったりして工夫がみられます。そのせいかお客さんの入りもまずまず。

という訳で、ペンキ絵を大切にする素敵な銭湯です。

こちらが今回描かれたばかりの中島絵師のペンキ絵。

冨士の湯@石神井公園

2009-09-28 00:29:42 | 銭湯
銭湯は冨士の湯@石神井公園。
ここであったイベントに参加した帰り、入ってきました。



写真の通り、立派な銭湯です。
オリジナルの真っ白な暖簾もまぶしく、気合が入っています。
番台式。
脱衣所は、ロッカーが壁面にしか置かれていないので、とても広く感じます。代わりに脱衣籠がありました。天井も高く気持ちが良いです。

立派な庭も見る事が出来、池には鯉が泳いでいます。
浴室には、なんとこの池の断面がガラスで区切られていて、泳ぐ鯉を見ることが出来るのです。ガラスの下にはカランがあって、体を洗うこともできます。
ときどきこうした造りの銭湯がありますが、ここは池が広く、鯉たちも生き生きと泳いでいるので観察していても飽きません。

という訳で、大型の実に銭湯らしい銭湯。
泳ぐ鯉も見ることが出来て楽しめました。唯一、ペンキ絵が無いのがさびしかったですが、かなり気に入りました。

江北湯@足立区

2009-08-29 07:49:53 | 銭湯
銭湯は舎人ライナー江北駅下車の江北湯@足立区。



この辺り、道沿いに商店が並んでいますが、バス通りでもあって、道幅も狭く車を避けながら進まなければいけません。
で、ようやくたどり着いたのがご覧の通りの立派な江戸前銭湯。

入り口の両脇の塀には富士山となぜかコアラのペンキ絵。
駐輪している自転車の数も多く、賑わっている雰囲気を感じます。

フロント式。中の女将さんは常連の女性とおしゃべりの真っ最中。
お遍路スタンプを出すと、常連さんがいろいろ質問してきます。
そんな質問がしばらく続いたあと、女将さんが冷たい飲み物を出してくれました。
笑顔も素晴らしいし気配りもできるこの女将さんの力で、この銭湯はお客さんを集めているのかなと思います。

で、脱衣所。小さな庭もあって、明るく気持ちが良いです。
「光明皇后の施浴」の伝説が銭湯の由来として額に入れられ飾ってあります。

で、お客さん、やたら多いです。10人以上。男湯は皆あまりおしゃべりもせず黙っていますが、女湯からは常連さんたちのおしゃべりの声が高い天井に響きます。賑やかでいいですね。

ペンキ絵は中島絵師の作品。富士山ですが、海に浮かぶ船が細かく描かれていたりして楽しめます。お湯もけっこう熱めで、暑い日にはぴったりな温度。

という訳で、気配り女将のいる大繁盛銭湯でした。
舎人ライナーは都内屈指の名銭湯「豊明湯」もあるし、さすが「銭湯といえば足立区」の実力を感じました。

上水湯@小平

2009-08-25 00:24:12 | 銭湯
銭湯は小平の上水湯。
9月1日で廃業とのことで駆けつけました。



入り口に貼られたお知らせによると、ご主人が病気をされていて、このまま営業を続けるのが難しくなったのが廃業の理由とのこと。

構えは唐破風もなく普通ですが、長年この地で営業をされてきた風格があります。近所には大学も多いので学生さんたちも利用してきたのでしょう。

番台式。愛想の良いご主人が座っています。
僕のお遍路マップを見て話が弾みます。

ビジュアルは丸山絵師のペンキ絵ですが、例の東郷青児風の磨りガラスの女性像が二つあります。ひとつは切り株に腰をかけた女性、もうひとつは沐浴中の女性像。切り株は珍しいパターンかもしれません。
他に「桜上水湯」と書かれた大凧が飾ってあります。
あ、あと浴室の床面にタイルが張ってあるのですが、よく見ると貝殻や小さなカニのタイルも混ざっています。海岸をイメージしたのでしょう。この辺り、昔の職人さんの手間を惜しまない仕事ぶりがうかがえます。しかもかなりかわいらしいです。

お客さんは4、5人ほど。
お湯は熱くて気持ちが良いです。この辺り水がよいのか、やわらかいお湯な気がします。

という訳で、特別なギミックはないのですが、いかにも地元で愛されてきた銭湯という感じでかなり気に入りました。多摩はこういうシンプルな良い銭湯が多いですね。
といってもまもなく廃業・・・。うーむ・・・。

鶴乃湯@学芸大学

2009-08-13 22:41:23 | 銭湯
銭湯は学芸大学の鶴乃湯。
今月15日で廃業とのニュースを聞いて、駆けつけました。



駅から歩いて5分。立派な木が両脇に立ち、オリジナルの暖簾も美しい東京銭湯。
でも、壁には「諸般の事情により今月15日で廃業します」との張り紙が。

中は番台式。親父さんがニコニコしながらお遍路マップにハンコを押してくれました。
広い脱衣所に高い天井が気持ちよい。

ペンキ絵は早川絵師の作。少し剥げてしまっているが和歌山の海岸風景みたい。



この銭湯の売りは、小さいけれど檜風呂があること。浴槽の端に後付で設置されていて、木の質感が気持ち良いです。まだ日のあるうちからこんな銭湯に入れるとはものすごい贅沢。
でも、残念ながらこの贅沢な時間を過ごしているのは僕ひとり。夕方のよい時間だと思うけれど、最初にいた常連さんが出て行った後は、お客さんはずっと僕だけでした。日常のちょっと脇にこんなに贅沢な時間があるのにそれに気がつかないなんて、本当にもったいなさすぎです。

男湯の浴室から庭が見られます。小さいけれど池もあって池の真ん中にはお社が。池には鯉が泳いでいましたが、廃業した後、この鯉たちはどうなっちゃうのでしょうか・・・。

という訳で、駅からも近い気持ちよい銭湯。廃業とは何とも残念なことです。

妙法湯のんびり温泉@東伏見

2009-08-03 07:33:29 | 銭湯
銭湯は妙法湯のんびり温泉。
西武新宿線東伏見駅から5分ほど。早稲田大学のグラウンドの脇に立地しており、運動部の連中の利用が多そうなとても個性的な銭湯。



この銭湯、随所にご主人のかなりのこだわりを見ることができる。
脱衣所や浴室にはご主人自作の様々な装飾がある。例えば天井からは七夕で使ったのか、ボンボリのようなものが吊るされていたり、浴槽にはなんと生花が生けられていたりと見ていて楽しい。毎年春になるとこの浴槽活け花コーナーには桜の木が植えられ、なんと見事に開花するらしい。今度は春に見に来なきゃ。

この銭湯の見所は、併設されている「盃博物館」。ご主人が収集された江戸以降の盃コレクションの一部を展示してある。ご主人は趣味が嵩じて「盃物語」という本まで書かれているほど。けっこう面白かった。



もうひとつ、盃博物館の手前のスペースはレトロゲーム機のコレクションが、なんと現役で稼働中。昔の駄菓子屋の店頭にあったようなレトロなゲーム機。10円で遊べるので僕も何回かチャレンジ。なんとも素朴なゲームで心が和む。



という訳で、非常に個性的な面白銭湯。今度は10円玉をたくさん用意していかなくちゃ。あ、あと、盃博物館に僕も持っている戦前の幻の東京オリンピックお猪口が展示されていたのが嬉しかった(自慢)。

白川温泉

2009-07-30 07:46:29 | 銭湯
で、京都ではもう一軒、「白川温泉」にも行きました。
京都北部、北白川に位置する洋風銭湯。今回のツアーの締めにふさわしい素晴らしい銭湯でした。何しろ入り口がこんな感じです。



どこのお屋敷か、という感じで小道を上がっていくとすぐに銭湯としては特異な洋風の建物が! かっこよすぎます!



中も見所満載。マジョリカタイルとか細かい部分も見飽きません。
お風呂場はこんな感じです。


ただ、お客さんがいない・・・。
番台では上品な女将さんがぽつねんと「白黒テレビ」を見ています。番組も政治討論番組というのがいかにもこの銭湯らしいと思いました。
もう一度訪問したい心に残る名銭湯でした。

里の湯@京都

2009-07-30 07:22:11 | 銭湯
京都は銭湯がたくさんある街。
個性的で素晴らしい銭湯が多いのですが、今回は前日の銭湯イベント「ふろいこか~」で紹介されていた「里の湯」に行くことにしました。
ポイントは「人間洗濯機」・・・。一体どんな装置なのでしょうか??

叡山電鉄一乗寺駅から続く小さな商店街から続く細い路地の奥に里の湯はあります。ちなみにこの商店街には恵文社一乗寺店という有名な本屋さんがあり、今回も2時間ほど滞在してしみました。

で、里の湯。外観はこんな感じ。


入り口にはかわいらしい傘立が。


番台式。
昭和50年代位の建物でしょうか? こじんまりした銭湯です。
浴室はいろんなお風呂が揃っています。バリエーションの豊富さが関西銭湯の特徴でもあります。で、一番奥にお目当ての「人間洗濯機」が!



円形の浴槽にジェットがいくつも設置されていて、右回りに回転する水流が発生しています。ここに入ると自然と体がぐるぐる流されていく。まさに「人間洗濯機」。良くぞ名付けたものです。お客さんがいないときを見計らって浮いてみたりして洗濯機を堪能しました。水流が強いのですごいです。

と言う訳で関西らしいユニークな銭湯でした。

櫻湯@福知山

2009-07-27 07:27:34 | 銭湯
すみません更新サボってしまいました。

で、この週末もいろいろあったのですが、まずは先週の旅行の続き。
福知山にある関西有数の名銭湯「櫻湯」です。



この銭湯は、東京銭湯ナイトで、「関西銭湯VS東京銭湯」をやった時、関西銭湯のエースとして紹介されていました。で、その時以来、ずっと訪問したかったのです。
実際に訪れてみると、本当に感涙ものの名銭湯でした。

福知山には、2軒の銭湯があり、もう一軒の「ごりょう湯」はお休み。
で、櫻湯は駅から10分ほど。商店街から一本入った住宅街に位置します。昭和初期に建てられ、元々は唐破風造りだったらしいのですが、戦前に洋風っぽく改装。以来この佇まいのまま営業を続けています。まさに文化財が現役で残っているわけです。

この銭湯の特徴は、まさに僕好みなのですが、小ぶりで手入れの行き届いたレトロな銭湯と言うこと。
例えば玄関にある灯り。かわいすぎます。


で、中に入ると脱衣所もこんな感じ。下段の柳行李が美しいです。


さらに浴室は・・・。


と言う訳で、櫻湯は細かいところが全てキュート。手入れも行き届いていて素晴らしすぎます。ご主人はけっこう若くて、この銭湯の歴史や福知山のことについてずいぶん教えてくれました。
この日は午前中に関西の奥座敷と呼ばれる城崎温泉に行ってきたのですが、しょうじきあの程度の温泉であんなに観光客を集められるなら、「福知山名物・櫻湯」としてこの銭湯をもっともっと宣伝すればよいのに、と思いました。
お客さんがもっと入って、いつまでも営業を続けて欲しいと願うばかりです。