東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

永福湯@永福町駅

2010-01-01 07:39:00 | 銭湯
明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末、ばたばたと忙しくしていましたが、この「東京ナイト」ブログを思わず読み返してしまい一年を振り返りました。
と言うか、このブログで記録していなければ、振り返ろうにも記憶できていなかったエピソードがたくさんあり、改めてブログをはじめて良かったと思った次第です。

と言うわけで、新年最初の記録はやはり銭湯から。

井の頭線永福町駅下車2分の永福湯。
なんと、2010年1月15日で廃業されるとの事で大晦日の夜、行ってきました。



いきなりギリシャ神殿風の外観。ちょっとビックリです。

もちろんフロント式。
買い物をしてきて大きな荷物を抱えていたのですが、「そこに荷物を置くといいですよ」と女将さんから声を掛けてもらえました。気さくな良い人のようです。
廃業の理由は設備の老朽化との事。10年前に中普請をして大改装したのですが、いろいろガタが来てしまい、また直すとなると膨大な資金が必要。でも、回収できるほどお客も来ないし・・・、とのことでした。
そんな事を聞いている間にもお客さんが詰め掛けます。こんなに人気の銭湯なのに・・・。

脱衣所も混み合っています。でも、ロッカーもいろんな大きさがあったりして使いやすく工夫されています。

浴室は、、、びっくり! 細かく区分けされたたくさんの浴槽が揃い、露天風呂や森林浴風呂まであります。で、中の柱もギリシャ式。タイルもそれっぽい感じにしてあって面白い。
圧巻は、聖母マリアと天使たちのモザイク画。浴室と露天風呂の間の天井いっぱいに描かれています。あまり色を使わず上品な作品です。

さっぱりしてロビーに出ると、テレビで紅白歌合戦が始まっていました。いよいよ年の瀬の気分です。
と言うわけで、設備充実で個性もある良い銭湯。
廃業は残念と思いつつ、女将さんに挨拶して家路につきました。

第二久の湯@西大島

2009-12-22 08:11:04 | 銭湯
銭湯は第二久の湯。
新宿線の西大島駅徒歩3分の好立地。



フロント式で待ち合わせスペースなども完備の改装済み銭湯。
で、そんなリニューアル銭湯ながら、ここの一番の売りはペンキ絵。
以前は早川絵師の作品だったようですが、最近、中島絵師の作品に描き替えた模様。
これが珍しい題材。というか山をバックにした渓谷風景なのですが、そこに吊り橋が描かれ、橋を渡る二人の登山者まで描き込まれています。
おもしろい!

ペンキ絵を描くスペースがそんなに大きくないので、こうした遊びが出来る時間的余裕が生まれたのかもしれません。
奥行きのある渓谷風景といい、画面の端に描かれた道とトンネルといい、いろんな想像が出来る中島絵師の傑作だと思います。

という訳で、ペンキ絵好きなら一度は行きたい銭湯です。
あ、この絵は「男湯」。女湯は富士山の絵でした。

浜添湯@兵庫・新長田

2009-12-16 00:01:57 | 銭湯
で、今日はまず、朝湯から。

大阪のディープサウス、新今宮に宿を取ったのですが、ポイントは朝湯をやっている銭湯が多いこと。まあ、宿もなかなか興味深かったのですが、朝6時からやっている和光浴場に行きました。

ここは設備充実の大型銭湯。券売機で入浴券を買うのですが、石鹸付き、歯ブラシ付き、タオル付きなど、様々な券が売られていて驚きました。
7時半頃に行ったのですが、お客さんもかなり多かったです。
浴槽も、電気風呂にジェット風呂、死海の塩湯や炭酸泉の露天風呂など様々。すごいっす。

で、夜は、神戸での商談を終えて、新長田駅から歩いて15分ほどの浜添湯に。



ここも松本康治さんの銭湯ガイドブック「関西のレトロ銭湯」に載っていたところです。
番台式。この番台がかなり高くてビックリ。関西でよく見かける神棚も派手な提灯で飾られています。
浴室は、前日の寿温泉と同じく石畳に御影石の浴槽と関西らしい風情。

という訳で、派手ではないけれど、こじんまりした良い銭湯でした。

寿温泉@大阪・弁天町

2009-12-15 23:42:09 | 銭湯
昨日今日と関西に出張に行ってきました。
出張はいつも慌しくて、けっこう大変なのですが、そうは言っても銭湯に入れるのが大きな楽しみ。
という訳で、月曜日は大阪の寿温泉に。



今回は、銭湯ナイトにもご出演いただいた松本康治さんの銭湯ガイドブック「関西のレトロ銭湯」を参考にしました。寿温泉は、この本の中で「特選レトロ銭湯」に選ばれていたので入りに行きました。

環状線の弁天町駅から歩いて7、8分。住宅街の中にあるレトロ銭湯。昭和35年の建物だそうです。
「寿温泉」のロゴが良い感じ。暖簾が関東より長いのが関西風。
番台式。脱衣所は格天井や黒い柱時計など風格ある佇まいです。
浴室は、関西らしく、石畳式になっていて中央に張り出した浴槽は黒御影石。とても立派でお湯に濡れて輝いています。美しい。
他にもかわいらしいタイルなど、細かいところも魅力的で、素晴らしい名銭湯でした。

お湯の後は、隣の大正駅に移動して「クラスノ」のという名酒場に。
80歳位のご主人も板場に立たれていて、美味しい出し巻き卵を作ってくれました。
たくさん食べてビールを二本飲んで2200円。関西は銭湯だけじゃなくて飲み屋のレベルも高いですね。

熱海湯@神楽坂

2009-12-08 23:28:24 | 銭湯
連日の忘年会が続きます。
さすがにグロッキーな感じなので、今日は飲みの前に銭湯へ。

神楽坂の熱海湯。



神楽坂坂下の裏道に立地する江戸前銭湯。
立地といい、佇まいといい、お湯の熱さといい、江戸前銭湯の到達点のひとつといえます。

熱海湯の近所は理科大絡みの再開発の真っ最中。僕のお気に入りの雑貨屋さんも立ち退きされてしまいました。かろうじて熱海湯は大丈夫な様子。
オリジナルの暖簾が素晴らしい風情です。

中に入ると当然、番台式。愛想の良い女将さんにスタンプを押してもらいます。
脱衣所や浴室で、常連さんがおしゃべり。常連率が高い気がします。
良い銭湯の証拠です。

で、この銭湯の何よりのポイントは早川絵師のペンキ絵。
男女境に描かれた巨大な富士山を中心に男湯は富士川の風景。
遠近感をうまく出した山の緑の描き分けや、岩肌の処理の仕方など非常にデリケートに描かれています。この銭湯の格にあった泰然たる作品で、故早川絵師の傑作のひとつだと思います。

そんな素敵なペンキ絵をゆったり湯船に浸かって眺めていたかったのですが、この銭湯のお湯は熱い!しょうじき初心者お断りの容赦ない熱さです。
でも頑張って浸かりました。

という訳で、これだけ江戸前スタイルを維持した銭湯はなかなか無いと思います。
非常に貴重で利用価値の高い銭湯。オススメ!

旭湯@柏

2009-11-27 00:54:50 | 銭湯
銭湯は旭湯。
柏駅から歩いて5分の好立地。



でも、なんと言うか、しょうじきかなりの「ボロ銭湯」。
僕のような銭湯マニアはともかく、一見さんにはかなりハードルが高そう。

靴箱の鍵もほとんど失われているし、壁にも穴が空いている・・・。
久しぶりだよ、こんな感じ。

もちろん番台式。番台の親父さんは居眠り中。
銭湯料金は420円。なんだかとても安く感じる。

ロッカーの上には常連さんの置いていった銭湯道具が並ぶ。でもけっこう埃のかぶったものも・・・。

浴室は、思ったより広め。かつてはペンキ絵が描かれていたであろう壁は青いペンキで塗りつぶされている。でも、その下には冨士の描かれたタイル絵が。署名はないがちょっと不思議なタッチ。

でも、意外、といっては失礼だが、お客さんは次から次へと入ってくる。浴槽がお客で満員で入れないほど。女湯からも賑やかなおしゃべりが。
常連さんと話すと、去年、近所にあった銭湯が廃業し、ここしかなくなってしまったとのこと。常連さんは、「この銭湯は、お湯が熱くて大変だけど、ここしかないからね~」。
で、じっさいかなり熱い! この容赦のない熱さも久しぶり。

という訳で、地元客に頼りにされている、個性があっていい感じの銭湯でした。

小宝湯@新高円寺

2009-11-26 07:21:18 | 銭湯
銭湯は小宝湯。
丸の内線の新高円寺駅から住宅街を5分ほど歩いた立地。
実は今月末で廃業との情報が入り駆けつけた。



唐破風の立派な銭湯。屋号を染め抜いたオリジナルの暖簾が美しい。
入り口に手書きの「廃業のお知らせ」が貼ってあり、読んでみるとお客さんの減少と高齢化のため、とある。他に設備の老朽化が銭湯廃業のだいたいの理由。でも、お客の減少が一番大きな原因なんだろう。昭和28年創業とのこと。

フロント式。上品な感じの女将さんにスタンプを押してもらう。

格天井も美しいし、柱の大時計も定番。ちょっと変わっているところでは油絵が数点。マスクをしたちょっと不思議な女性の絵が目を引く。

浴室はそれなりに改装もされていて快適。でもお客は少ない・・・。僕が上がる時に数人来たが、それまではもう一人いただけ。うーむ・・・。

ペンキ絵は丸山さん。西伊豆からの富士山。この前、丸山さんと話していた時、この銭湯の廃業をお知らせしたら、ショックを受けていた。下に背景広告社の看板もあるし、馴染み深い銭湯だったのかもしれない。

という訳で、定番の江戸前銭湯。廃業とは残念です・・・。
帰りは高円寺の駅まで歩いたけれど、商店街は服屋さんばかり。こんなに集中して大丈夫なのかな?

丸山清人さんのペンキ絵制作見学

2009-11-21 02:07:57 | 銭湯
今日は朝からペンキ絵師、丸山清人さんのペンキ絵制作を見学。
西荻窪の天狗湯さんで。

もうひとりのペンキ絵師、中島盛夫さんの現場は見学させてもらった事があったけれど丸山さんは初めて。
描き方や道具など、ずいぶん違って面白かった。
丸山さんらしい、静かな雰囲気の富士山は、これはこれで美しく素晴らしいもの。
いつもニコニコ笑っている丸山さんだけれど、画を描くときは(当然ながら)真剣そのもの。集中するのであんまりお腹もすかないそうだ。
いつもお昼時になるとお腹がぺこぺこになる我が身と引き比べてその集中力に驚かされる。

そのあと、ペンキ絵再生プロジェクト(仮称)メンバーも集まり、丸山さんと軽く打ち合わせ。どんどん話が進んでいく。これもホントに実現しそうな勢い。

あ、あと銭湯の看板宣伝の会社、「背景広告社」の方とも偶然この銭湯でお会いする。せっかくなので、いろいろ興味深いお話を聞かせてもらった。

という訳で、なかなか貴重な機会でとても楽しかったです。丸山さんの絵を見に、ぜひ天狗湯さんに行ってみてください!


稲荷湯@浦和

2009-11-15 08:50:41 | 銭湯
クライミングの後は、歩いて浦和駅そばの稲荷湯へ。



浦和の繁華街からちょっと入った立地にある、破風の構えも素晴らしい伝統的銭湯。
フロント式。
土曜日の暗くなった頃だったのですが、お客さんもまずまずの入り。中も格天井の立派な造りですが中普請をしています。ペンキ絵も無く、代わりにミッキーとミニーの絵?が飾られていて、なんだかほほえましい感じです。
男女境の壁にも、これもあまり見たことのない絵(沐浴するミューズたち)が飾られていてユニークです。
浴槽も一部が壁で区切ってあり、中には檜風呂が。

脱衣所には、一人用のサウナも設置されていましたが、こちらは電源が入っていませんでした。女湯にもこのサウナがあって、中の椅子には人形が置かれていたみたいです。


という訳で、浦和駅そばにあるちょっとユニークな銭湯。
銭湯を出てから浦和に行く途中も、魅力的な飲み屋さんがたくさんあって心惹かれました。浦和、なかなかよい町です。

春の湯@大島

2009-11-05 00:18:46 | 銭湯
銭湯は春の湯@大島。
都営新宿線大島駅下車5分ほどにある江戸前銭湯。



「春の湯」とはなかなかいい屋号だ。
建物もその屋号にふさわしい立派な唐破風。

番台式。上品なご主人が座っている。
夜10時の訪問のせいか、客足は薄い。

浴室に入ると、本来、ペンキ絵があったであろう壁面が青いペンキ一色に塗られている。しかもペンキの匂いがほのかにするので、最近ペンキ屋さんが塗り替えた様子。こんな由緒正しき江戸前銭湯にペンキ絵がないとなんだか落ち着かない。

お湯は3槽に分かれていて、ジェット風呂の気泡が細かくて気持ちよかった。若干熱め。

この銭湯、最大の驚きは、桶が幻の白ケロリンだということ。町田忍さんの調査によると、白いケロリン桶は昭和30年代に一時期作られていただけで、以後はお馴染みの黄色になってしまう。この銭湯にある桶は全て「白」なので、ちょっと珍しいかもしれない。

という訳で、ペンキ絵が無いのは残念だけれど、お湯は気持ちよかったし珍品桶もある良い銭湯でした。