養老孟司さんの『バカの壁』は2003年のベストセラーです。私はそれを読み感銘を受けました。私は『バカの壁』を、人は自分で無意識に直感的に感じていることを言葉にして意識化しているだけなので、本質的には理解しあえないというふうにとらえました。なぜ人間関係がうまくいかないのか、なぜ戦争がなくなることがないのかがよくわかります。『バカの壁』を読んでから、私は人間の意識について大きく考え方を変えざるを得ませんでした。養老さんの『バカの壁』で言っていることは、この本で言っていることと基本的には同じことだったのだと思います。
私たちは意識的に行動し、意識によって自分をコントロールしていると思い込んでいるが、それは逆である。無意識で感じたとことを後追いでつじつま合わせをするのか「意識」である。この本ではそう主張しています。納得できます。そしてどうしても自分の意識について冷たい視線で見つめ直さざるを得なくなります。
最近柄谷行人さんの『憲法と無意識』という本を読みました。徳川時代の戦争のない時代を過ごした日本人は無意識に戦争を好まない方向の志向をとるようになっていた。だからアメリカによってもたらされた憲法でありながら、決して改正しない方向に言論が向かっていくという内容でした。この本における「無意識」のとらえ方もこの本と通ずるものがあります。
近年心理学や認知心理学を学び始めたこともあり、無意識と意識の関係というのはとても興味深く、刺激的な本です。「意識」に対する、いや「人間」に対するコペルニクス的転換を余儀なくされるような内容です。
しかし、意識は無意識のつじつま合わせだけではないのではないかと私は思っています。意識が無意識に働きかけることもあるのではないでしょうか。その考えを失ったら人間であることが無意味です。希望を失った人間に未来はありません。私は「希望」を求めてこれからも考え続けていきたいと思います。
私たちは意識的に行動し、意識によって自分をコントロールしていると思い込んでいるが、それは逆である。無意識で感じたとことを後追いでつじつま合わせをするのか「意識」である。この本ではそう主張しています。納得できます。そしてどうしても自分の意識について冷たい視線で見つめ直さざるを得なくなります。
最近柄谷行人さんの『憲法と無意識』という本を読みました。徳川時代の戦争のない時代を過ごした日本人は無意識に戦争を好まない方向の志向をとるようになっていた。だからアメリカによってもたらされた憲法でありながら、決して改正しない方向に言論が向かっていくという内容でした。この本における「無意識」のとらえ方もこの本と通ずるものがあります。
近年心理学や認知心理学を学び始めたこともあり、無意識と意識の関係というのはとても興味深く、刺激的な本です。「意識」に対する、いや「人間」に対するコペルニクス的転換を余儀なくされるような内容です。
しかし、意識は無意識のつじつま合わせだけではないのではないかと私は思っています。意識が無意識に働きかけることもあるのではないでしょうか。その考えを失ったら人間であることが無意味です。希望を失った人間に未来はありません。私は「希望」を求めてこれからも考え続けていきたいと思います。