~わさび農家の山しごと、山暮らし通信~

伊豆、下田のわさび農家です。
緑の山々と田畑の広がる、のどかな山里での暮らしを父ちゃんと母ちゃんが語ります。

残したいもの

2005年10月10日 08時00分00秒 | Weblog
最近すごく後悔していることがあります。
それはおばぁがこの家にお嫁に来たとき持ってきた
足踏みミシンを捨ててしまったことです。
8年前家を改装するとき、廊下に置いてあったそれが
邪魔で故障してたこともあり処分してしまいました。
今思うと黒光りし、デザインもよく、カバーもセンスのいい物でした。
最近古民具に興味があり、出かけたときは骨董品屋、リサイクルショップ
雑貨屋などをのぞくことが多くなりました。
その時は何とも思わなくても後でその価値がわかる事って
よくあることだと思います。

今下田ではある建物の保存運動が行われています。
南豆製氷所という大正末期に建てられた工場です。
ちょっと壊れかけてますが大正浪漫を感じさせる味わい深い建物です。
下田には歴史的に価値のある建物が多く存在してましたが
時代の流れのなかで解体され駐車場になったり、つまらない建物に
変わってしまった過去があります。
そこで”南豆製氷応援団”が立ち上がり保存活動をされています。
下田に住んでいる人でもその建物の存在を知らない人がいます。
多くの人に知ってもらい、見てもらうために色んなイベントが
企画されました。

この連休8、9、10日は鈴木まもるさんによる
鳥の巣展覧会と原画展が行われました。
鈴木まもるさんは稲梓でも松崎よりの加増野という集落に在住し
絵本作家、鳥の巣研究家として活躍されています。
国内外の珍しい鳥の巣を収集してます。
今年の春にはカラハリ砂漠まで行ってきたそうです。
何度かお会いしたことがありますが、穏やかで優しくて
その度にすごくいい気持ちにさせてくれる人です。

この旧南豆製氷が保存されることは、ただ建物としての財産が残るだけでなく
古い物を大事にする心も未来に伝えられていくことだと思います。
近い将来、生まれ変わった旧南豆製氷所が下田の観光ガイドブックの
表紙を飾ってくれたらいいな~と思います。
                      父ちゃん

コメント (2)
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