ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

埼玉県比企郡嵐山町にある菅谷館跡などでは、ヤマユリが咲き始めています

2016年07月12日 | 季節の移ろい
 埼玉県比企郡嵐山町にある蝶の里公園・オオムラサキの森という“ビオトープ”の雑木林の中では、ヤマユリが咲き始めています。

 比企丘陵を西から東に流れる都幾川の北側の河岸段丘にうっそうとした雑木林があり、この中に、蝶の里公園・オオムラサキの森と菅谷館跡(すがややかたあと)などがつながっています。

 蝶の里公園のうっそうとした木陰の雑木林の中で、育っているヤマユリはまだ蕾でした。



 現在、ヤマユリがよく咲いているには、菅谷館跡と呼ばれる菅谷城(すがやじょう)の跡地でした。事実上、地続きの“公園”です。

 ここは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、武蔵国の武将の畠山重忠の居館・城跡だそうです。

 その濠跡とみられる斜面に、ヤマユリが点々と咲いています。







 中世の居館・城跡の濠跡なので、見た目は単なる深さの浅い窪地が続いているようにしか見えません。

 畠山重忠は鎌倉幕府の御家人だったそうです。その後、現在の菅谷館跡は、戦国時代の初めに、関東管領の山内上杉氏と同族の扇谷上杉氏による「長享の乱」と呼ばれる抗争が起こった時に、山城として使われたと推定されています。

 蝶の里公園のうっそうとした雑木林の中を通る小道には、カワトンボ科のハグロトンボがたくさんいます。

 草陰に留まったハグロトンボです。胴体が金属光沢で輝いています。



 雑木林の小道に留まったチョウです。アサマイチモンジではないかと推定しています。



 蝶の里公園には、数10種類のチョウが飛来するそうです。もちろん、オオムラサキも飛来する時もありそうです。

 なお、都幾川(ときがわ)は、埼玉県西部を流れる河川です。この都幾川は下流で入間川に合流し、さらに入間川は荒川に流れ込みます。

長野県北佐久郡立科町の農産物直売所で、「夏秋いちご」を買い求めました

2016年07月12日 | グルメ
 長野県北佐久郡立科町の農産物直売所で、「夏秋いちご」というイチゴを見つけたので、買い求めました。

 この「夏秋いちご」は「かしゅういちご」と読みます。

 現在、冬から春にかけて日本で一般に販売され、食べられているイチゴは「一季成り」と呼ばれる、冬から春まで収穫できるものです。

 これに対して「夏秋いちご」は「四季成り」と呼ばれて、ほぼ一年中収穫できる品種です。実際には、日本ではイチゴ(一季成り)の端境期になる夏から秋に次々と開花させ、実をならせます。実は、初冬まで収穫できるそうです。

 今回、買い求めた「夏秋いちご」は、長さ約2センチメートル、直径約1.5センチメートルと小粒です。



 立科町の農産物直売所では「基本はジャム用ですが、なま食もできます」と説明されていました。

 実際になまで食べてみると、いくらか甘酸っぱい感じです。記憶では、昭和30年代の練乳をかけて食べた昔のイチゴの感じを思い出しました。

 現在の「とちおとめ」「あまおう」などの甘い、大粒のイチゴとはまったく異なる食感です。素朴な味です。

 実は、少し前に信州大学の方から、農学部の教授が「夏秋いちご」の品種改良に成功し、2011年に当該「夏秋いちご」の品種登録を実施したという話を伺いました。

 標高が約800メートル以上の夏期に冷涼な地域で、その「夏秋いちご」の品種改良品が2012年時点で「約3000トンまで生産されるようになった」と伺いました。実は、日本では「一季成り」イチゴが生産されない夏から冬初めまでは、北米のアメリカで生産した「夏秋いちご」が約6000トン輸入して対応していました。主にケーキなどの加工食材向けです。

 これに対して、信州大学農学部の大井美知男教授は、長野県の育成品種の「サマープリンセス」に「女峰」系統を交配し、6年間かけて品種を選抜し、今回の「夏秋いちご」が誕生しました。

 この「夏秋いちご」の現時点での栽培面積は約50ヘクタールに過ぎず、普通の多種多様な「一季成り」イチゴの約1パーセントに過ぎないそうです。

 これまでは、「夏秋いちご」の総需要量の約6000トンは北米の米国などからの輸入品でした。現在は、その半分の3000トンが国産品に置き換わっています。

 最初は、夏期に冷涼な地域でということで、北海道・東北地方で栽培が始まり、その後は長野県内でも「夏秋いちご」の本格的な栽培が始まり、2012年時点では長野県は日本で二番目に収穫量の多い県になったそうです。

 この長野県産の「夏秋いちご」が、立科町の農産物直売所で販売されていたようです。

 この長野県産の「夏秋いちご」をなまで食べてみると、素朴な甘酸っぱさです。家人には味の評価は不評で、結局、イチゴジャムに加工されました。

 信州大学では長野県野菜花き試験所や長野県のイチゴ栽培農家4軒と契約し、品種改良中の「夏秋いちご」の栽培を委託しました。さらに、ある農園と苗生産契約を結び、苗提供の体制ができあがったそうです。

 この結果、真夏の高温期でも糖度が高い「夏秋いちご」が生産され、病気にも強いなどの特徴が明らかになったそうです。

 たまたま、立科町の農産物直売所で買い求めた「夏秋いちご」は、日本の農業を変えていく品種のようでした。

 この日の佐久平はほぼ晴天で、いくらか曇り空でした。佐久市の北側にそびえてる浅間山(標高2568メートル)の山の全貌が見える日でした。



 やや暑い今日は、梅雨明け前の蒸し暑い日でした。