気ままに

大船での気ままな生活日誌

松井冬子の襖絵 ”生々流転”

2014-08-12 07:48:16 | Weblog

今年の一月末に、上野で松井冬子さんのトークショーがあった。そのとき、今、京都の帯匠さんと着物と帯の共同制作をしている、また新宿に新しく出来る寺院の襖絵も描く予定だ、という話をされていた。前者の発表会が、この春、六本木ヒルズで行われ、アンテナを張っていたので、見逃さず、見学してきた。そして、このたび、襖絵も見学することができた。これもアンテナを張っていたが、先日の朝日新聞の全面広告で容易に知ることが出来た。

新宿駅南口から、数分歩いたところに、その寺院はある。京都・八瀬に本院がある瑠璃光院/白連華堂である。いきなり、目の前に出現したモダンな寺院建築に驚かされる。竹山聖の設計で、白コンクリートの打ちっぱなし建築は初めてだそうで、建築界でも注目されているようだ。全体が蓮の花をイメージしているので、花茎で支えられている形になるので、不安定な形態ではある。これは池ではなく、川をイメージしていて、ここを渡り、彼岸へ入るんです、と案内のお坊さんが教えてくれる。そして寺院内へ入る。

さて、冬子の襖絵は、4階(だったと思う)白書院の一の間にある。最終的には48面の襖絵が出来る予定だが、今のところ、完成した8面のみを見学できる。広告で見た山水の水墨画が目の前に現れる。テーマは”生々流転”だという。つい、大観の墨画”生々流転”の大作を思い起こすが、果たして、冬子の”生々流転”はどのような道を歩むのか。大観のように朦朧とした世界で集結させるのか、完成には3年かかるというが、そのときが楽しみだ。

冬子の仏教画というと、九相図だが、襖絵には使用しないだろうし(笑)、多分、春の着物展でみた、手書きの打掛、”従順と無垢の行進”風な抽象墨画になるのではと予想していた。そうはずれてはいなかった。絹に描かれる山や樹木や花は抽象ではないが、”奇想的”であり、全体から受ける感じは抽象墨画である。おそらく、さらに、心の世界を描いていくようになるのではないだろうか。長谷川等伯の松林図屏風をみて感動し、洋画科から日本画科に移ったというくらいだから、もちろん、それも頭にあり、新たな冬子画風を目指しているのだと思う。

暑い日だったが、その日は渋谷に廻り、BUNNKAMURAで”だまし絵”も観てきた。これが、またおもしろかった。

瑠璃光院/白連華堂

松井冬子の襖絵 ”生々流転”

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