おはようございます。
この10月4日に辻堂の映画館で”ドリーム”を見た。ちょうど、その日は中秋の名月だった。宇宙開発の拠点NASAで働く三人の黒人女性の姿を思い浮かべながら、しみじみと月の出を見たものだった。
ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行に成功したのが1961年5月。ぼくも夢多き、高校生だったから、彼の”地球は青かった”という言葉共に、鮮烈に覚えている。この映画の時代設定はまさにこの時代。少年時代に帰ったようなワクワク気分で”ドリーム”を楽しんだ。
舞台はヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所。今、まさに国家の威信をかけたマーキュリー計画が進行している。ここで働く三人の黒人女性技術者が主人公。いずれも実在の人物の物語である。
その一人、キャサリンは天才的な数学的頭脳を買われて、宇宙特別研究本部に入る。そこで、ロケットの軌道や再突入の進路計算を担った。この”計算手”と呼ばれるエリート集団は白人男性ばかりで、はじめは馬鹿にされ、相手にされない。なんと、トイレまで人種差別があり、研究棟を出て、800メートル先まで用足しに行かねばならかった。しかし、次第に、彼女の”数字の先を読む”才能に周囲も感心し、リーダーからも信頼されるようになる。脚立に上って、大きな黒板に数式を次々と書いて皆を驚かすシーンは、胸がすく思いがした。
そして、1962年2月。ジョン・グレンが米国初の地球周回軌道飛行する当日、思わぬトラブルが発生する。軌道計算が100%信頼できないというのだ。グレンは以前、会議で素晴らしい計算能力をみせたキャサリンのことを覚えていた。彼女の検算でOKが出れば飛ぶと言う。そして、一時、職を離れていた彼女は、研究所に戻り、超スピードで検算し直した。そして、グレン飛行士は飛び、地球を三周し、ぴたりと予定した地点に着地し、元気な姿を見せたのだった。
あと二人の技術者、ドロシーとメアリーのことはここでは省略するが、こういう方々が米国の宇宙開発の中枢として活躍していたことを初めて知り、感動した。こう紹介すると、随分固い映画だと思われそうだが、ユーモアもありロマンスもありで、楽しく、みることができる。
エンディングにこの映画のモデルとなった三人の技術者のプロフィルが紹介される。キャサリンは、次の、アポロ計画にも参画し、有人月着陸を成功させたそうだ。
とても、面白い映画だった。
監督 セオドア・メルフィ
キャスト
タラジ・P・ヘンソン キャサリン・G・ジョンソン
オクタビア・スペンサー ドロシー・ボ―ン
ジャネール・モネイ メアリー・ジャクソン
ケビン・コスナー アル・ハリソン
キルステン・ダンスト ビビアン・ミッチェル

中秋の名月

それでは、台風一過、総選挙一過の今日一日をお元気で!