おはようございます。
渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムの”ベルギー奇想の系譜”展を終了間際に見てきた。いくつか、印象に残った絵を記録しておこう。
本展では、15世紀から現在まで、500年に渡る”奇想の系譜”を以下の章立てで紹介している。
第1章 15-17世紀のフランドル美術
第2章 19世紀末から二十世紀初頭のベルギー象徴派、表現主義
第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
ぼくは、あまり、”奇想”を意識しないで、ただ、のんびりと眺めてきた。まず、紹介したいのは、やっぱり、本展の目玉展示、ボス工房の作品、トゥヌグダルスの幻視。アイルランドのトゥヌグダルス騎士が三日間、仮死状態に陥り、その間、守護天使に連れられて天国と地獄の世界を見てきたというもの。ここでは地獄の世界が描かれる。いろいろな罪を犯した男や女に、コワイ罰が加えられる。どうぞ、ご覧下さい。
ヒエロニムス・ボス工房 ”トゥヌグダルスの幻視” (1490―1500年頃)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/e9/e8c50ebedb3a6855fea342242379e1e7.jpg)
それぞれの場面の図解 地獄における”七つの大罪”と対応する懲罰
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/a3/b0898c11501b8b17bc6b157a3a654f75.jpg)
トゥヌグダルス(眠って、幻視している)と守護天使
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/ed/6a84d2afdb70b26b14862cd7e95645bb.jpg)
貪欲 賭け事を表すサイコロに座る人物が槍に刺されたりしている、異形のお化けはラッパを吹いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/e5/b99d51ef198c0f13f5d4665333d16b11.jpg)
大食 大酒を飲まされる。これが罰か?喜ぶ人もいるかも(笑)。首を切断されている人も。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_z.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/b7/1dac042f559292acf5144c496eb34d2f.jpg)
傲慢 死者の仮面を被った人物に鏡を見せられる女性![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/ff/f2de6951ebe534f59a9f3ad18bc08eef.jpg)
以上、恐い地獄絵だが、我が国の地獄絵に比べれれば、天と地、月とすっぽん、天国と地獄の差(笑)。
ピーテル・ブリューゲル(父)も”第二のボス”と讃えられたそうだ。聖アントニウスの誘惑、七つの大罪、七つの徳目シリーズなどが展示されている。これらの多くは神奈川近代美術館所蔵で、見たことがある。
ピーテル・ブリューゲル(父) 大食(1558年)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/a1/6e47a14c6509652ac0b93b9c33f46671.jpg)
ピーテル・ブリューゲル(父)”聖アントニウスの誘惑”(1556)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/69/160c29980fedc170da877a110bda3898.jpg)
ルーベンスも”奇想”といえばそうかなという版画(原画)が7点ほど。絵ハガキがなかったので絵は載せられません。
第2章 19世紀末から二十世紀初頭のベルギー象徴派、表現主義
ロップス、クノップフ、アンソールらが紹介される。知らない画家ばかりだったが、11点ほどのアンソール作品の明るい色彩が気に入った。姫路市立美術館はじめ日本の美術館所蔵が多い。旅先でも、みてみたいものだ。
ジェームズ・アンソール ”オルガンに向かうアンソール”(1933)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/f2/976d46b3c65e8b4c73ec6af26eb27200.jpg)
ジャン・デルヴィル ”レテ河の水を飲むダンテ”(1919)これも姫路市立美術館蔵。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/7d/ed532d64d44a8e857cab3b7edb67d7ce.jpg)
フェルナン・クノップフ ”捧げもの”(1891)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/95/2b431fd157911a4b06596832713e9403.jpg)
第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
マグリットやデルヴォーらシュルレアリスムの芸術家、ヤン・ファーブルら現代作家らの作品が展示されている。
マグリット ”大家族” (1963)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/b3/96bc87962fea999418c934a3caf0e02f.jpg)
ポール・デルヴォー ”水のニンフ” (1937)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/1e/caf563db1af354a7698c719211a2b43b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/06/6e6e334a29241ef9246426f02bb6134d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/b7/d8af6f1600640875a5892284e4e9db07.jpg)
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!