称名寺の黄菖蒲が見頃を迎えているという情報を得たので、よし今だと、隣接する金沢文庫の特別展に出掛けた。神奈川県伊勢原市にある古刹、日向(ひなた)薬師宝城坊の平成の大修理を記念して、重要文化財の薬師如来座像、日光・月光菩薩立像、そして十二神将立像がそろってお出ましという展覧会だ。
ぼくは神奈川県民だが、車を捨てたぼくには、大船からは伊勢原市は遠い。日向(ひなた)薬師にお参りしたこともない。ホームページを覗くと、ぼく好みの茅葺のステキな本堂だ。それが、平成22年から修理を始めて、完成するのが平成28年9月30日だという。今回、みせていただいた仏像さんもとても気にいったので、ぜひ、来年、現地でもう一度、拝見したいものだ。
本尊薬師三尊像は平安時代の作で、 木彫りの表面にノミ目を残すという、鉈彫(なたぼり)の代表的作例なのだそうだ。実際、目の前でみると、まるで着衣の模様のように、ノミ目が覆っている。両脇に日光・月光菩薩さま。
十二神将もお揃いで来られました。それぞれのポーズで並ぶお姿は壮観。変わったものとして、魚の皮を籠手の代わりにしている8号像。
鎌倉時代には頼朝・政子夫妻も参拝していたとのこと。その証拠となるページを開いた吾妻鑑なども展示されている。その後、明治の廃仏毀釈まで、ときの権力者に大事にされていたようだ。
楽しい展覧会だった。
あの素晴らしい黄菖蒲をもう一度。