正月を4日後に控えた年の暮れの28日でした。
愛犬「リック」は、いつもの通り起床して朝食を採り、静かに休んでいたのですが、昼前になって朝食
を戻してしまうと同時に後ろ足に全く力が入らない状態になり、その場にへたばってしまったのです。
急いで動物病院に連れて行き点滴など救急治療してもらい夕刻に再診に連れてくるよう指示されて
一旦帰宅し指示された通り夕方6時に再度病院へ連れて行く途中のことでした。
病院まであと100メートル余りと言うところでした。
優しく抱かれた女房の腕の中で眠るがごとく安らかに天に召されてしまいました。
享年18歳と言う超高齢犬でした。
命ある者の何時かは必ず訪れる避けて通ることの出来ない定めと覚悟はしていても、一方では娘が
言うところの「ギネスもの」まで生きて欲しいとまでは言わないもの、あと数年は生きていてほしかっ
たとの思いがあり、その現実をどうしても素直に受け入れることが出来ません。
辛くて、寂しくて写真を見る度に涙し、悲しみに打ちひしがれていたのですが、1ヶ月が過ぎようやく
その悲しみから少し癒えて、やっと沢山作ってくれた思い出を書き残しておこうと言う気持ちになって
きました。
今後、思い出すままに何回かに分けて駄文ながら書くことにします。今日はその第1回目です。
忘れもしません「リック」が我が家の家族になったのは、あの阪神淡路大震災の起きた前々年の平成
5年の年の暮れでした。
体重僅かに700グラム、生後2ヶ月余りで足元も頼りなく近所の子供たちには時には子狸に間違え
られる風貌で愛嬌を振りまいていたのがついこの間のことのように甦ってきます。
その頃私はまだ現役の身で朝の出勤時には「気をつけてね!」「いってらしゃい」とでも言っているの
か一声二声出して送り出してくれるのが日課でした。
また、仕事を終えて帰宅したときの歓迎ぶりは嬉しさを気も狂わんばかりに小さな身体いっぱいに表
して私めがけて飛びついてくるのが定番のセレモニーになっていました。
動物には嘘やお世辞などありません。
正真正銘、本能のままに喜んでくれる姿を見るだけで一日に疲れもどこかへ飛んで行き、また明日へ
の活力が沸いてくるのと同時に、家族としての絆を深め、我が家にとってはかけがえのない存在にな
っていったのでした。
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ご冥福をお祈りいたします。
しっかり供養してやりたいと思っています。
お悔やみ、ありがとうございました。