逃げる二月は文字通り逃げ足早く最終日になりました。
その今日は、我が家の愛犬リックが永久の旅立ちをしてから早くも2ヶ月になります。
この間、一日も欠かさず、朝には「おはよう」と、就寝前には「おやすみ」と写真嫌いだった
リックの珍しく、丸い大きな目がカメラ目線で見つめる写真に向かって声を掛ける女房の姿
を見ているとつい私も、何処からともなくひょっこりとリックが出てきそうな気がしてならなくな
ってきます。
17年間に及ぶかけがいのない家族として、ひと時も目を離すことなく、生活を共にしてきた
中には数え切れないほどの思い出がありますが、その中のひとコマに忘れられない日課の
散歩の思い出があります。
平成14年に私は現役をリタイヤし自適の生活に入りましたが、それを機に女房が担当して
いた朝の散歩は私が引き継ぎ約8年間、夏場は日の出前の涼しいうちに、冬場は少しでも
温度が上がった時間を選んで1時間程度の散歩を楽しむことにしていました。
ある日、一回の散歩で、どれほどの歩数を歩くのか知りたくなりリックの背中に万歩計をくくり
付けて歩かせたものの思った通りの結果が得られず残念に思ったことがありましたが、17
年間に歩いた距離、歩数は相当なものがあったと思っています。
何気なく歩いているようでも常に周囲に気を配り、状況に応じて見せる豊かな感性を垣間見
せ、思わず「生きている!」「感情を持っている!」と言うことを再認識することがよくありまし
た。
路面に降りて餌をついばんでいる鳩や好きでない猫ちゃんを見つけると毛を逆立って追いか
ける激しい気性を見せたり、どう考えても勝てそうにない大きなワンちゃんに出会うと横を向
いてそ知らぬ顔で通りすぎる気弱い一面を見せたり、いつも予防注射などでお世話になって
いる動物病院が大の苦手で、その近くを通るときは一目散に走ってその場から遠ざかろうと
する臆病な一面を見せたりと、どれをとっても愛すべき性格を見ることができました。
そんな性格のリックでしたが、私たちの心には癒しをいっぱい呉れたと同時に歩くという単純
な行為を通じて健康という大きなプレゼントも呉れたと思っています。
17年の間、私達はリックから沢山のプレゼントを貰いましたが、はたして、私達にそのお返し
が出来ていたのかどうか、リックは常日頃また、息を引き取る間際に何と思っていたのか気に
なってなって仕方がありません。
もし、不足な事があったとしたら、密かに許してもらいたいと思っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます